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⻘⽊野枝、淺井裕介、宇治野宗輝、⼩川待⼦、開発好明、 ⾐川明⼦、⾼嶺格、⽟⼭拓郎、⼭本糾。9名によるグループ展「MATTER(s)」

NeoL / 2024年5月28日 17時0分

⻘⽊野枝、淺井裕介、宇治野宗輝、⼩川待⼦、開発好明、 ⾐川明⼦、⾼嶺格、⽟⼭拓郎、⼭本糾。9名によるグループ展「MATTER(s)」

淺井裕介《歌の豊富なアンテロ・ビプネン》(2017)
キャンバスに土、アクリルレジン、アクリル、色鉛筆、鉛筆, H146×W112cm, 撮影: 村田冬実



ANOMALYでは、2024年6月8日 (土) から7月7日(日) まで、9名によるグループ展「MATTER(s)」を開催。

本展タイトルの「matter」という語には、多くの訳語があります。「物質」「事柄」や「問題」「重要」、複数形になると「状況」「事態」といった訳になる。この語の由来はラテン語の「materia」であり、ギリシャ語では「hylē」に該当する(アリストテレス哲学の「質料-形相*」の前者にあたる語)。さらに、「materia」自身が「母」を意味するギリシャ語「mētēr」、ラテン語「mater」に由来しており、「matter」はただの物質なのではなく、何かが生まれる場であると分かる。


本展はこの「matter」の語をキーワードに構成。作家がいかに「matter」(物質,事柄,問題etc.)と付き合い、いかに「matter」(作品) が存在し、どんな「matters」(状況,事態etc.) となっているか。



「MATTER(s)」は、淺井裕介 (b.1981~) の作品からスタートします。淺井は土や水、埃、小麦粉、テープ、ペンなど、身近な素材を用いながら、あらゆる場所、ものに奔放に絵を描き続け、小さなドローイングから、室内を覆い尽くすオールオーバーな作品や巨大壁画まで、作品を受け止める場所や環境にしなやかに呼応するように活動している。





小川待子《Untitled》(1995) 陶土、白釉, H37×W67×D30cm


小川待子 (b.1946~) はパリでの留学時に魅せられた鉱物の美しさから、「かたちはすでに在る」という考えのもと、ゆがみやひび、欠け、釉薬の縮れなどの性質を活かし、つくることと壊れることの両義性を内包した作品を生み出し続けている。





衣川明子《あの日の山とその日の山》(2021) H91×W116.7cm
キャンバスに油彩, 撮影: 岡野圭


衣川明子 (b.1986~) は世界を構成する全ての生命体の奥に限りなく平等な領域が広がっていると考え、擦り付けるようにして油絵具を薄く何度も塗り重ねる手法により、ぼんやりと浮かび上がり、ゆっくりと変化を続けるような生命のイメージを描き続けている。





開発好明《N/Z》(2022) 蛍光灯、コード、ステンレスボード、ビデオ、H100×W100×D11.5 cm, 撮影: 三嶋一路



開発好明 (b.1966~) は、絵画、写真、映像、インスタレーションなど、表現方法が多岐にわたるアーティストだが、いずれの場合も、時代、社会に鋭い眼差しを向け、鑑賞者に自発的な考察力を促す。





高嶺格《God Bless America》(2002) Full HDビデオ (アニメーション) シングルチャンネル, 8min 45sec


高嶺格 (b.1968~) は、現代社会の既成概念や、多くの人が盲目的になっている問題を鋭い観察力のもとすくい上げ、ウィットに富んだ構成、身体を用いた表現で可視化し、鑑賞者に問いを投げかける。





山本糾《光・水・電気 27》(2011) ゼラチンシルバープリント, H120×W183cm


山本糾 (b.1950~) は「写真」という物質への探求から、光との出会いの場として水を主な被写体に撮影を続けている。





「ふりそそぐものたち」展示風景, 長崎県美術館, 2019, 撮影: 山本糾
青木野枝《水のとどまるところ》2019 , ブロンズ、水, each:H12cm,φ64cmx6, H14.5cm, φ64cmx6


鉄を主な素材として制作を続ける青木野枝 (b.1958~) は空間に豊かな変化をもたらし、それらは彫刻=塊という概念を軽やかに覆す。





「メディウムとディメンション:Liminal」展示風景, 柿の木荘, 東京, 2022, 撮影:赤石隆明
玉山拓郎《M.B》(2022) ステンレス, φ40cm


また玉山拓郎 (b.1990~) は、最小限の方法で空間を異化、あるいは自然 (じねん) の理を強調することで、鑑賞者の身体感覚や知覚に揺さぶりをかける。





「プライウッド・シティ・ストーリーズ」展示風景, ICC, 東京, 2019, 撮影: 木奥惠三
宇治野宗輝《ライヴズ・イン・ジャパン》(2018)
ビデオ・インスタレーション:6chシンクロナイズド・ビデオ、6chサウンド, 10min 45sec


宇治野宗輝 (b.1964~) は、20世紀以降の大量生産・大量消費社会における「物質世界のリサーチ」を行ってきたが、本展出品の《ライヴズ・イン・ジャパン》では作品装置が「もの」から映像という「情報」に置換されている。物質がイリュージョンへと向かう現代性、彼が言う「物質マター」を考察した最初のインスタレーションだ。


*アリストテレスの自然学の中心的学説で、自然的物体は2つの本質的原理、すなわち可能的・受動的・無規定的原理としての質料hylēと、現実的・能動的・規定的原理としての形相morpheによって構成されていると説く(『自然学』『形而上学』)。(ブリタニカ国際大百科事典より)


⻘⽊野枝、淺井裕介、宇治野宗輝、⼩川待⼦、開発好明、⾐川明⼦、⾼嶺格、⽟⼭拓郎、⼭本糾
「MATTER(s)」
http://anomalytokyo.com/exhibition/matters
2024年6月8日 (土) − 7月7日 (日)
12:00 − 18:00 *7月6日 (土) は20時まで開廊
日月祝休廊
*Tennoz Art WeekとTokyo Gendai開催中のため、7月7日 (日) もオープン

ANOMALY 東京都品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex 4F
開廊時間:火・水・木・金・土: 12:00 – 18:00
定休日: 日曜・月曜・祝祭日


関連記事のまとめはこちら


https://www.neol.jp/art-2/

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