雷という予測不可能な出来事、そして踊りという人間の根源的な欲望をモチーフに、傷と痛みを抱えた人々が、共に生きる方法を模索する。石原海の個展「激雷」
NeoL / 2024年10月10日 17時0分
©︎ Umi Ishihara
麻布台ヒルズにある飲食併設のアートギャラリー「Gallery & Restaurant 舞台裏」にて、2024年10月17日(木)よりロンドンと東京を拠点にする映画監督・アーティストである石原海の個展「激雷」が開催される。
©︎ Umi Ishihara
作家がロンドン大学ゴールドスミス校 アーティストフィルム学科在学中に制作した新作映像《激雷》(2024)を中心としたインスタレーションを公開。プロデューサーに Oscar Nielsen、主演にアオイヤマダを迎えた本作は、全編熊本で撮影された。
《激雷》は、日本の架空の小さな山村が舞台。雷が頻繁に落ちることで知られるこの村では、雷に打たれて生き延びた者だけが踊り子になれる地下クラブが秘密裡に営まれている。また、この山村では自然の中に蟹が暮らしており、これらの存在も物語の中で重要な役割を果たし、彼らの運命を左右する存在となる。登場人物たちは、日常の中で起きる落雷のような出来事をきっかけに、人間と生物界との対立や自然現象との共存を探ることになる。
本個展および作品のタイトル《激雷》は、文字通り激しく鳴る雷のことを指すと同時に、当たり前の暮らしの中で、私たちの意志とは関係なく突然に降りかかってくる衝撃的な出来事のことを比喩している。新たな何かとの出会いなどポジティブな変化はもちろん、天変地異など自然現象による不可抗力の変化、あるいは現在進行形で世界の中で発生している一方的な暴力の行使なども、私たちの暮らしを揺るがす「激雷」なのかもしれない。この作品を通じて行われる偶然と必然、自然と人間、そして欲望と危険などの二項対立が交差する瞬間の鋭い描写は、神話や宗教、忍耐と受容のナラティブを現前させる。
《激雷》(2024)
プロデューサー Oscar Nielsen
プロダクション Soon Global
キャスト アオイヤマダ / TOKYO QQQ / Rinsaga / 下別府為治 / 菊川清志
作家ステートメント
雷に打たれたら多くの人は死んでしまうけど、時々、奇跡的に生き延びる人たちがいる。その中には不思議な能力を手に入れる人もいるそうだ。不条理としか言えない偶然の不運、経済的・政治的・身体的な不運に置かれている人々がいるこの社会において「死んでしまいそうなくらいひどい出来事が結果的にいい出来事に繋がった」なんて言えない。傷なんてないほうがいいに決まってる。でも、その人にしか起こり得なかった傷こそが、その人を形づくっているということも事実である。(っていうかそうゆう風に考えないともう生きていけない、その崖っぷちにいる人たちのためにこの作品はある)
『激雷』は、雷という予測不可能な出来事、そして踊りという人間の根源的な欲望をモチーフに、傷と痛みを抱えた人々が、共に生きる方法を模索する映像作品である。
石原海個展「激雷」
https://artsticker.app/events/45146
開催期間:2024年10月17日 (木) 〜 2024年11月10日 (日)
※会期初日はギャラリーのみ18:00〜20:00にて営業
営業時間:
ギャラリー【火-日】 11:00-20:00
レストラン【火-金】カフェタイム/13:00-17:00(L.O.16:30) ディナータイム/17:00-22:00(L.O.21:00)
【土】カフェタイム/13:00-20:00(L.O.19:00)【日】カフェタイム/13:00-18:00(L.O.17:00)
※土日はカフェメニューでの営業。
定休日:月曜定休
※月が祝日の場合は翌日が休業日となります。
会場:Gallery & Restaurant 舞台裏(〒105-0001 東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1F)
主催:ArtSticker (運営元:The Chain Museum)
石原海(UMI Ishihara)
ロンドンと東京を拠点にする映画監督/アーティスト。社会から疎外された人々やコミュニティを描くことを主なテーマに、個人的な記憶と社会問題を織り交ぜた物語ベースの制作をしている。2018年東京藝術大学 先端芸術学科修了。現在ロンドン大学ゴールドスミス校 アーティストフィルム学科在学中。
近年の主な活動に『スウィート・ホーム・スウィート』(国立国際美術館, 2023)第14回恵比寿映像祭 (東京都写真美術館, 2022) 第15回資生堂アートエッグ入選 (2021) 初長編映画『ガーデンアパート』『忘却の先駆者』がロッテルダム国際映画祭に二作同時選出(2019)BBC/BFI助成作品『狂気の管理人』(2019)を監督。Bloomberg New Contemporaries 入選(2019) 現代芸術振興財団 (CAF賞)岩渕貞哉賞受賞(2015)。
Information
関連記事のまとめはこちら
https://www.neol.jp/art-2/
外部リンク
- 雷という予測不可能な出来事、そして踊りという人間の根源的な欲望をモチーフに、傷と痛みを抱えた人々が、共に生きる方法を模索する。石原海の個展「激雷」
- 操上和美、山口はるみ、畠山直哉、風間サチコ、石川直樹、友沢こたおが参加した「未来都市シブヤ_エフェメラを誘発する装置」
- 「具体」からパリへ、パリから世界へ飛躍した松谷武判の全貌を総数 200 点以上で大回顧。「松谷武判 Takesada Matsutani」
- ヘアクリップやキーホルダーなど、偶然見つけたものや集めたものに第二の人生を与える。Flossyによる展示 “Silver Line”
- 注目アーティストが集結。PARCOが主催するART&CULTUREの祭典<P.O.N.D. 2024> 開催。コンセプトは「SIDE BY SIDE/となり合う、広がる。」
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