プラダがアクシオム・スペースと共に月面着陸計画の宇宙服デザインを公開
NeoL / 2024年10月22日 12時0分
イタリア・ミラノで開催された国際宇宙会議 「International Astronautical Congress」において、アクシオム・スペースとプラダがNASAの「アルテミスIII」ミッションで使用される宇宙服、アクシオム船外活動ユニット(AxEMU)のフライトデザインを初公開。
外層デザインと素材選定は、業界をリードする2社が連携し、次世代の宇宙服デザインを向上するべくクリエイティビティとエンジニアリングを融合する取り組みにより共同開発された。
開発中、アクシオム・スペースは宇宙服の独自開発技術を秘匿するために、展示に際しては暗いカバー層を使用していたが、月面で実際に着用される宇宙服は、熱を反射し高温や月面の粉塵から宇宙飛行士を保護する白い素材が使用される予定。
プラダのデザイン・製品開発チームはアクシオム・スペースのエンジニアと協力して、月面の特殊な厳しい環境から宇宙飛行士を守ると同時に、将来の宇宙探査への意欲を視覚的に駆り立てるような、特別仕様の素材の特長や特性を考えた。プラダの専門知識が先進技術や革新的な縫製方法を可能にしたことで、高度に設計された機能性と魅力的な見た目の白い外層の間の隔たりを埋め、素材の性能を向上しながら宇宙飛行士の高い快適性を叶えることに成功した。プラダの素材や生産工程に関する深い知識や経験が、宇宙服のカバー層に加えてイノベーションを支えたのだ。
AxEMU計画は、民間宇宙産業がいかに非伝統的なパートナーシップによる宇宙探査能力向上を可能にしているかを象徴している。2022年に2億2800万ドル相 当となる初のアルテミス計画のタスクオーダー(契約)を獲得して以来、アクシオム・ スペースはNASAとの官民協定を活用し、この次世代宇宙服の開発・デザインをサポートするために様々な業界から著名な専門家を探し出してきた。
AxEMUの開発 NASAの探査船外活動ユニット(xEMU)宇宙服の設計を進化させたAxEMUは、高い柔軟性、機能性、安全性を叶えると同時に、月の南極探査を支援する特殊ツールも備えている。宇宙服は、男女問わず1~99パーセンタイル(人体寸法)まで、幅広いクルーに対応できる。月の南極における極端な温度にも 耐えられ、恒久的に影に覆われた領域(永久影)の低温下でも最低2時間は活動できる。また、宇宙飛行士による最低8時間の宇宙遊泳が可能。
AxEMUは、複数の冗長システムに加え、クルーの安全を確保するオンボード診断システムを搭載。さらに、再生可能二酸化炭素スクラバーやシステムから熱を逃がすためのパワフルな冷却技術も採用している。ヘルメットとバイザーには宇宙飛行士の視野を向上する改良コーティングをほどこし、そして内製された特殊グローブは現在使用されているグローブに数々の改良を加えている。宇宙服の構造には、生命維持装置、与圧服、アビオニクス、その他、探査ニーズを満たし科学的な成果 を拡大できるような画期的なシステムを装備している。
アクシオム・スペースは、単一の基盤構造を使用してAxEMUを開発した。この構造は月面や地球低軌道(LEO)におけるミッションに応じて発展・拡張・適応可能。
アクシオム・スペースは過去2年間をかけてこの次世代宇宙服に繰り返し改良を重ね、「アルテミスIII」ミッションを支援してきた。AxEMUはアクシオム・スペース、スペースX、NASAの最先端施設で、幅広い宇宙飛行士やエンジニアと綿密な試験やシミュレーションを実施。試験は、NASAの無重量環境訓練施設(NBL) で無人の宇宙服を使用して月面環境を再現した水中試験と、NASAジョンソン宇宙センターでの低重力シミュレーションが行われた。
AxEMUの開発は最終段階に近づいている。NASA、スペースX、アクシオム・スペースといった「アルテミスIII」パートナーと実施した、アポロ時代以来初となる加圧シミュレーションにも合格。今後も、NBL施設での有人水中試験やアルテミス有人月面探査車のプロトタイプを使った総合試験などを実施し、2025年には詳細設計審査に入る予定。
詳しくは、www.axiomspace.com/axiom-suitをチェック。
お問い合わせ:
プラダ クライアントサービス Tel: 0120.45.1913
〒107-6226 東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン26階
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