FULLARMOR「NEW DEPARTURE」インタビュー
NeoL / 2015年5月11日 22時48分
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FULLARMOR「NEW DEPARTURE」インタビュー
ストレイテナーのホリエアツシと日向秀和、LITEの井澤惇、Nothing's Carved In Stoneの大喜多崇規からなる4人組インスト・バンド、FULLARMOR。昨年の年始に再始動を発表した彼らが6年ぶりとなる配信限定のシングル「DEPARTURE」をリリースする。これまでは井澤とのツインベースの編成だった日向が今回はギターを手にしたところから制作をスタート。枠組みを意識せず、創作欲求を解き放ったことで、聴き手が気の向くまま自由に楽しむことが出来るフリーフォームな2曲が完成した。この作品を残して出発した彼らは果たしてどこに向かったのだろうか?
――FULLARMORはストレイテナー、LITE、Nothing's Carved In Stoneのメンバーが集ったスーパー・バンドであり、2002年の結成から息の長いバンドでもありますよね。
大喜多「結成から考えると活動歴は結構長いんですよね」
ホリエ「ゆったりとした13年……」
日向「だって、何もしてない時期もありましたからね」
――ははは。音のテンションに対して、バンド自体はゆるい、と。
大喜多「結成も3人の飲みから始まってますからね」
日向「そうなんだよね。(ホリエ)あっくんが2人時代のストレイテナー、僕がART-SCHOOLをやってた時、あるきっかけで飲み友達になったんですよ。で、リハ終わりでベースを持ったまま、あっくんの家で飲むことになって、飲みながら部屋でベースを弾いてたら、『お、それ、カッコイイじゃん!今度一緒に音出したい』って。その時、あっくんから『すごい上手いドラマーがいるから』ってことで、オニィ(大喜多)を紹介されたんですよ」
ホリエ「最初は遊びでセッションしてたんですけど、曲を作るのが楽しくて、気づいたら、盤を作るにいたるまで盛り上がって」
日向「2003年に出した最初のアルバム『FULLARMOR』は全4曲の録りからミックスまでを丸一日で仕上げるっていうキツい進行だったんですよね」
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――そして、2006年にはLITEのベーシスト井澤くんが加わるわけですが、ひなっちも同じくベーシストですから、編成としてはツイン・ベースのバンドということになりますよね。
ホリエ「パートがどうこうというより、それ以前は後輩がいなかった僕らが一世代下の格好いいバンドと出会ったことが大きかったんです。しかも、井澤はストレイテナーやART-SCHOOLが好きとか、そういう立ち位置の人間じゃなかったんですよ」
井澤「で、ある時、ひなっちから『ライヴがあるから観に来てよ』って言われて、下北沢のBASEMENT BARに行ったら……」
日向「勝手に僕がそのライヴ中に『井澤が加入することに決まりました』って言っちゃったんだよね(笑)」
井澤「一回も音合わせしてなかったのに!」
日向「ベーシストだとか、ツイン・ベースだとか、そういうことよりも井澤の感性が面白かったから、一緒に音を出したいっていう。そういうことだったんですよ」
――FULLARMORは”完全武装”っていう意味ですよね。お話をうかがっていると、完全武装どころか完全無防備じゃないですか。
ホリエ「はははは」
日向「真っ裸で立ってる人間兵器みたいな(笑)。でも、井澤が入ったことによって、3人時代より活動的になりましたからね」
井澤「パートといえば、リハのためにみんなのスケジュールを押さえるのが僕の仕事になるのかもしれませんね(笑)」
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――ロックの決まりごとから解放されることにポスト・ロックの意義があることを考えると、自由度の高いFULLARMORの在り方はまさに、といった感じですね。
日向「自分のことで言えば、今のFULLARMORは一人のベースプレイヤーというより、一人の音楽人として活動出来る場として定着していて。楽器にとらわれず、音を出すことに意味がある場は、FULLARMORならではなんです。しかも、自由にやっても、みんな音のセンスがすごいから、最終的には音の構築具合が気持ちいいものになるんですよね」
井澤「僕のなかで、この4人は冒険好きのイメージがあって、それでいて、音との接し方がニュートラルで、無理な力がかかってないんです」
ホリエ「そう、マニアックなことをしたいわけじゃないもんね」
日向「泣ける映画みたいなものにも興味あるし、その辺は直感的だよね」
井澤「4人にはそれぞれがメインで活動するバンドがあるからこそ、それとは違う冒険の仕方を好奇心だけで追求することに、FULLARMORのモチベーションがあるし、モチベーションが高まった時期に活動を再開するんです。だから、今はまさにそういう時期なんじゃないかな?」
日向「今回、僕がFULLARMORをまたやりたいと思ったのは、アコースティック・ギターを買ったことがきっかけなんですよ。以前からFULLARMORでアコギの曲をやってみたいと考えてはいたんですけど、そのきっかけがなかなかなかったんですね。でも、買ったアコギを鳴らした瞬間に「また、FULLARMORをやりたい!」って思ったんですよ。まぁ、でも、そういう心境にいたるまで、6年かかっちゃったんですけどね(笑)」
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――2007年の『Zion』、2008年の『CATARACT』という2枚のアルバムを経て、今回配信限定でリリースされるシングル「DEPARTURE」で再始動したのは、そんなきっかけがあったんですね。
日向「そうなんです。それで6年前からエレキで作った曲の原形があった2曲目の「FogLamp」を引っ張り出して、もっとナチュラルにアコギで弾いてみようということになったんです」
井澤「ただ、そのデモがどこにあるのか分からなくて、みんなで探したら、オニィの持ってたMDに入ってて。6年経ったら、メディアがMDからmp3に変わってたっていう(笑)」
大喜多「だから、「FogLamp」はMDに入ってるデモをどうやって聴くかというところから始まった曲ですね」
――そして、タイトル曲「DEPARTURE」は4人が再び集まって、新たに作った曲なんですよね?
井澤「この曲を録るのは早かったよね?」
日向「後から各々のダビング作業があったけど、ベースとなる曲は一日だよね。でも、この曲はもとになるギター・リフから、よく展開をつけられたなー」
井澤「最初は全く想像つかなかいまま音を出し始めるんですけど、最終的に上手い落としどころが見つかると、パッと曲が出来上がるんですよ」
ホリエ「しかも、4人の曲の捉え方が全然違うもんね。展開した演奏が戻る時に戻ってこない人がいたり(笑)、「これ、どうなってるの?」っていうことも多かったりして」
日向「だから、あっくんは鍵盤入れる時、辻褄を合わせるためにものすごい顔しながら弾いてるもんね(笑)」
大喜多「FULLARMORは感覚を研ぎ澄ませて音を出しながら道を作っていくので、一発目の音をどうやって出すのか、すごい考えるんですよ」
日向「一発目の音によって曲の進むべき道が決まるというか、それくらい重要だよね」
――FULLARMORは無防備だからこそ、お互いが自然体のまま研ぎ澄まされたものを求めるという。ポスト・ロックやマス・ロックは構築に構築を重ねた曲が基本になっていますし、今回の作品も構築されたものではあるんですけど、プレイヤーが顔を突き合わせて演奏していることで生まれる空気感がぐっと来るんです。
ホリエ「そう、エレクトロニカやIDMの人たちだったら、展開せず、ループでじわじわ変化させていくんでしょうけど、FULLARMORはそれが出来ない。要するに僕らはプレイヤーなんですよね。その欲求で従って、曲を作っているっていう」
井澤「だから、スタジオに入りさえすれば、曲はすぐ出来ますよ」
日向「出来るし、目標もありますよ。目標は年内にアルバムが作れるだけの曲を作る!」
井澤「え、また先に言っちゃうの?(笑)」
日向「だから、あと5曲……余裕っしょ。 出来るっしょ(笑)」
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撮影 吉場正和/photo Masakazu Yoshida
文 小野田 雄/text Yu Onoda
![FULLARMOR_Departure_jk](http://www.neol.jp/wp-content/uploads/2015/05/FULLARMOR_Departure_jk-160x160.jpg)
FULLAMOR「NEW DEPARTURE」
5月13日発売
https://itunes.apple.com/us/album/departure-single/id985147053?l=ja&ls=1
FULLARMOR
ホリエアツシ(Synthesizer / ストレイテナー、ent)、日向秀和(B, G / ストレイテナー、EOR、Nothing's Carved In Stone、killing Boy)、井澤惇(B / LITE)、大喜多崇規(Dr / Nothing's Carved In Stone)からなるインストバンド。結成当初は、日向、ホリエ、大喜多の3ピースバンドだった。2006年Ba井澤が加入してツインベースのインストバンドとして変化。2009年迄に、2枚の音源[ZION][CATARACT]と1枚のライブ盤をリリース。東名阪、新潟へツアー、主催イベントも都内で開催。これより一度休止状態に。2014年7月に入り6年ぶりに活動再開。再始動ワンマンライブを開催。whitewhitesistersツアーアクト、他イベントにも参加。2015年3月レコーディングを終え新しい曲「DEPARTURE」含む2曲を完成させる。
LIVE:
5月13日(水)下北沢SHELTER「shelter presents this is Alternative #2」
W/ SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HER
9月20日(日)「GAMA ROCK FES 2015」
FULLARMOR Twitter
https://twitter.com/fullarmorjp
Lion5RECORDS BLOG
http://blog.livedoor.jp/lion5records/
UK.PROJECT HP
http://ukproject.com/
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