Ashley Williamsインタビュー
NeoL / 2016年1月28日 20時42分
Ashley Williamsインタビュー
2013A/Wよりスタートし、既にRita OraやRihannaが愛用していることでも高い注目を浴びるロンドンブランド、Ashley Williams。ポップネスと中毒性を兼ね備えた特徴的なグラフィック、ストリートやパンクの素地をキュートに昇華させたコレクションは日本でも人気を呼んでいる。デザイナーであるアシュリーに、そのインスピレーションの源を語ってもらった。
——コレクションからも明らかですが、あなたの服作りには音楽からのインスピレーションが大きいのではないかと思っていて。
アシュリー「もちろんよ」
——例えばどんな音楽から?
アシュリー「ティーンエイジャーの時はパンク・ミュージックしか聴いていなかったわ。だからパンク・ミュージックからはすごく影響されていると思う。バンドを見るためにいつも出かけていたし、今もそういう音楽は好きよ」
——ロゴやグラフィックにもパンクやメタルの影響がありますよね。
アシュリー「ええ、パンクバンドのグラフィックは大好き。ロゴやアルバムカバーとかね。見た目もそうだし、世界観が好き。そこからパンク・ミュージックにハマっていったの。今はもっと音楽のテイストも広がって、自分が良いと思う音楽は何でも聴くようになったわ」
——ちなみに今一番聴いている音楽は?
アシュリー「私、気に入ったら同じ曲を何百回を聴いちゃうの(笑)。最近大好きで飽きるまで何回も聴いていたのは、メトリックっていうバンドの“コンバット・ベイビー”という曲。女の子がボーカルで、ポップっぽいグランジって感じ。アメリカのバンドなんだけど、多分15年前くらいの曲じゃないかな。古い曲よ。前大好きだったんだけど、友達が最近プレイして、あ!この曲好きだったなって思い出したの」
——チェックしてみますね。順番が前後しますが、あなたのキャリアについて少し聞かせてください。今27歳ということですが、あなたはウエストミンスターを卒業して、すぐにファッションデザイナーとしてのキャリアをスタートさせたんですよね。
アシュリー「まず3か月友達の所で働いて、その後ファッション・イーストがあってコレクションを披露したんだけど、そこからそのまま進んだの。今思えばもうちょっと待ってもよかったかなって思うわ。リラックスできたのにね(笑)」
——もともとは雑誌のインターンをやりたかったそうですが、その転移は何だったのでしょう?
アシュリー「大学にいた時は、雑誌の仕事がしたいと思っていたの。で、運良くいくつかの雑誌で実際にインターンをやったのよ。でもそれが好きじゃなかった(笑)」
——あはは。
アシュリー「すごく良い経験ではあったの。みんな良い人たちだったし、友達も出来たし、最高だったわ。でも、私には向いてないなって思ったの。嫌なことがあったわけじゃないのよ(笑)」
——そこからやはりデザイナーになろうと思ったきっかけは?
アシュリー「大学でレディースの服のデザインを勉強していたからよ。雑誌のインターンもその分野でやっていたんだけど、雑誌の仕事のプロセスには興味が持てなかったし、しっくりこなかった。でも卒業コレクションを手掛けた時に、その作業をすごく楽しんでいる自分に気づいたの。それまでは一枚のシャツを作って、一枚のジャケットを作ってーーってそんな感じだったから、それだけではメッセージ性のあるものを作り出すことは出来なかった。でもコレクション全てを手掛けてみて『これだ!』と思ったわ。すごく大変な作業だけど、やり甲斐を感じられたのが一番大きかった。それで今があると思う」
——コレクションにはパンクとともにカートゥーンのような要素も入っているように感じられたのですが。
アシュリー「キャラクターが好きなの。ちょっと大げさなくらいのキャラクターが好き。キャラクター性を持ったものをデザインするのが好きで、すごく楽しいの。数秒見ただけですぐにそのキャラクターの個性が伝わってくるものが好きね。この子はこんなものが好きなんだろうな、あの子はこうなんだろうなってイメージが伝わってくるデザイン。そういう強い特徴を持ったキャラに惹かれるわ」
——グラフィックは貴方が描いているんですか?
アシュリー「私が描いたものもあるけど、今回のコレクションは私ではなくて、友達でグラフィックデザイナーのファーガス・パーセルとコラボしたの。彼はマーク・バイ・マーク・ジェイコブスの前回のコレクションのグラフィックデザインも全て手がけていて、パレス・スケートボードのデザインも手がけているんだけど、パレスは私のボーイフレンドのブランドで、それでファーガスと知り合ったのよ。私も描くことは出来るんだけど、彼ってこの手の画を描くのがすごく上手いの。私はそんなに得意じゃないから、まず自分で基本となるものを描いて、それをベースに彼にデザインしてもらって、そうやって一緒に作業したの。彼って本当に上手いのよね。ここ2、3年で、彼はすごく有名になったわ。今ではヴィクトリア・ベッカムやJ.W.アンダーソン、ステラ・マッカートニーとか、沢山のブランドで働いている。それくらい才能があるデザイナーなの」
——実は私、ファーガスが大好きなんです。彼がやっていたTONITEというブランドのTシャツ、今でも大事にしてますよ。
アシュリー「TONITE! 私も大好きだったわ。彼はAriesっていう自分のブランドも持っていて、そのブランドはTONITEに似てるわね。彼のことは本当にリスペクトしているから、一緒に仕事が出来て嬉しいの」
——私も以前何度か取材させてもらったことがあって、今名前があがってきたのでびっくりしました(笑)。やはりファッションと音楽が好きな人は繋がっていることが多いですね。
アシュリー「興味や美的感覚が似ているんだと思う。それに、友達や自分がリスペクトしている人と何か出来るってすごくいいわよね。彼は、デザインが素晴らしいだけではなくて、人としても素晴らしいの」
——ええ、本当に素敵な人ですよね。そして彼だけじゃなくあなたにもカルチャーの素地があるから、様々なミュージシャン達があなたの服を着るんでしょうね。
アシュリー「お互い理解が出来るのかもしれないわね。このプラスチック・サージェリーのグラフィックをファーガスと考えている時も、バンドのロゴっぽくしたいと話していたわ。プラスチック・サージェリーっていうバンドをイメージして作ったのよ。アルバムのジャケットみたいなものをイメージしたの」
——でもそこにピンクが入っているところが、ファーガスの通常のデザインとは違う。それはあなたのテイストであって。
アシュリー「その通り。ファーガスのパレスのデザインはすごくボーイッシュだものね(笑)。でも、彼は女性らしさの表現の仕方も理解しているの。だからハードなデザインのものでもガーリーになる。女性をわかっているのね(笑)」
——このままファーガスの話で終わってしまいそうなので、話題を変えましょう(笑)。あなたは常にフレッシュなコレクションを展開していますが、その秘訣を教えて下さい。
アシュリー「自分が見るもの全ての中から何を選ぶかが大切。偶然何かを見つけたり、出会ったり、毎日何かからインスピレーションを受けてるの。アンティーク、建物、古着、キーリング、そういった全てよ。例えばこのキーリングもそう」
——すごく可愛い!
アシュリー「でしょ? 2日前に東京で買ったの。こんな風に、私は本当に沢山のものに囲まれているの」
——休むことなく、常に色々なものに目を向けているんですね。
アシュリー「そう、私はそれを楽しんでる。休みはいらないのよね。リサーチしたり、新しいものを見つけたり、新しい場所に行ったり、忙しくしてるのが好きなの。でも働いてるって感じがしないのよね。好きでやっていることだもの」
企画・編集・取材 桑原亮子/edit & text Ryoko Kuwahara
Ahley Williams
2013A/Wよりスタートしたロンドンブランド。
J.W.ANDERSON(MEN’S)や MEADHAM KIRCHHOFF,EMMA COOK などを輩出したファッションの登竜門“FASHION EAST”より大きな期待と共にデビュー。既にRita OraやRihannaが愛用しており、最も注目されている若手ブランドである。トップショップがスポンサーを務めるNEWGEN(New Generation)の 15A/W 支援デザイナーにもMARQUES’ ALMEIDA やRyan Lo、Faustine Steinmetzらとともに抜擢された。
http://www.ashleywilliamslondon.com
関連記事のまとめはこちら
http://www.neol.jp/fashion/
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