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HiNDS × マーヤ(KING BROTHERS/N’夙川BOYS)対談インタビュー

NeoL / 2016年4月30日 5時41分

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HiNDS × マーヤ(KING BROTHERS/N’夙川BOYS)対談インタビュー

 

「Our shits,our rules(訳:自分たちのことは自分たちでケジメをつける)」というルールのもと、2016年春にアルバム『リーヴ・ミー・アローン(訳:放っておいて)』で日本デビュー。その自由で飾らないバンド・サウンドで、いま世界をトリコにしているスペイン・マドリード発の女性バンド、ハインズ。チケットが即完売、大成功をおさめた初来日公演を終えた彼女たちと、マーヤ(KING BROTHERS/N'夙川BOYS)との対談が実現!通常のインタビューではわからない彼女たちの魅力をマーヤLOVEが引き出した。そして最後には驚きの展開が!


マーヤ「今日はお忙しいなか(対談させてもらえて)、ありがとうございます」

ハインズ全員「こちらこそ!」

マーヤ「僕はKING BROTHERS、N'夙川BOYSと2つのバンドをやっていて」

ハインズ全員「知っているわ!」

マーヤ「ですが、N'夙川BOYSは今年(2016年)2月に活動休止しました」

アナ・ペローテ(以下アナ)「音楽活動を長く続けていくためには、そういう時間も必要なのよね。わかる」

マーヤ「KING BROTHERSでは長年、ギターとスクリーミングを担当し客の上に飛び込んでいます」

カルロッタ・コシアルス(以下カルロッタ)「うん。それも何となくわかる(笑)」

マーヤ「それで時々ヴォーカルも」

ハインズ全員 (爆笑)

マーヤ「ロックンロールをやっている、39歳なんですけど」

アナ「そうなの?もっと若い人だと思っていた」

マーヤ「実はスペインでライヴをやったこともあるんですよ。ブルゴスって場所でもやったと思う」

アデ・マーティン(以下アデ)「へぇー。私たちはそこでまだライヴをやったことがないのよ。すごいわね!」

カルロッタ「どうだった?スペインでのライヴは?」

マーヤ「街にかなり古いお城があったような? バルセロナや、他にも何ヵ所か行ったけど行程がかなりのハードスケジュールだったから記憶が曖昧で、(ハインズの拠点である)マドリードでライヴをしたかどうか、忘れてしまったんですけど、きっと行ってない(苦笑)」

アナ「そうなの? マドリードはすっごくクールな街よ。KAWAII(笑)」


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カルロッタ「私たちもツアーで世界中をまわる日々だから、時々どこでパフォーマンスしたか?忘れてしまうことがあるの。だから、最近はちゃんと日記をつけて、覚えておくようにしているわ」

マーヤ「それはいいことですね。スペインで覚えているのは、お客さんが情熱的だったこと。特に女性の方々は積極的な印象でしたね」

アナ「私たちもかなり情熱的よ(笑)!」

マーヤ「詳しいことは解らないのですが、マドリードでは、ガレージ・ロックが盛り上がっているという話を耳にしていて。そこからハインズのようなバンドが登場するのって、僕にとっては自然なことなんじゃないかな?と思っていたので、周囲が珍しがって今取り上げるのには違和感があるのですが、実際はどうなの?」


カルロッタ「マドリードのインディ・ロックやガレージ・シーンってあるにはあるんだけど、盛り上がっているのはほんの一部だけ。一般的にはもっとポップな音のほうが人気だわ」

アナ「私たちが、たまたまそういう音楽が好きなだけで。地元での盛り上がりは、他の国に比べて少ないほうだと思う」

マーヤ「ところで、ザ・ライト・オンズってバンド知っている? 彼らもスペインのマドリードと言っていたので」
アデ「名前は聞いたことある。個人的な知り合いじゃないわね」

マーヤ「以前、彼らの日本ツアーのサポートをKING BROTHERSでやったことがあって。京都でライヴをやった時にヴォーカルが僕を担いでくれたんですよ。ステージ上で」

ハインズ全員「ワオ!」

カルロッタ「彼らとは友人なの?」
マーヤ (首を横に振る)

カルロッタ「何でなれなかったの?何かしでかした?」
マーヤ「バンドとして仲良くはなれたけど僕が英語を話せないので……個人では連絡先を交換出来なかったよ」

アナ「私たちは言葉なんてなくても友人になれるわ! ジェスチャーとか、絵文字で何とかなるじゃない? 早速、今日から友人ね!」


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──マーヤさんとハインズ、共に音楽を純粋に楽しんでいる様子がステージから伝わってくるので、きっと素晴らしい友人になると思いますよ。ちなみに、それぞれどういう瞬間に音楽の楽しさを感じますか?

マーヤ「観客との一体感を味わった時ですね。最初は固い空気なんですけど、それをどうやったら楽しんでもらえるのか? 考えながら演奏していくんです。例えば(対談前に観た)ハインズのライヴのように、観客としゃべったり、カッコいいアクションをしたり、曲を聴いてもらいながら、最後にいい感じになっていく。それがまぁ楽しい。たまに(一体感が生まれず)失敗することもあるけど、それはそれで面白いんですけどね」

アンバー・グリムベルゲン(以下アンバー)「私たちも同感! オーディエンスとの一体感が生まれた時に、音楽って楽しいというか。やっててよかったって感じるの」

カルロッタ「オーディエンスの雰囲気って、どの会場も同じってことはない。だから一体感を生み出すのって本当に難しいんだけど、果敢にチャレンジするのが好きだわ」

アデ「ロックって本来、自由な音楽だと思う。また、自由さが本物のロックや音楽を生み出すんじゃないかな。だから、ステージでいいパフォーマンスをして一体感を作りだすことも大切なんだけど、私はそれ以上に自由であることを大切にしたいし。それを楽しみたい。すると、自然に私たちらしさが生まれる気がするから」

アナ「私にとって音楽は楽しむためのものじゃなくて、闘いだと思っているの。なかには、完璧に何でもこなせるスーパーマンのような存在のミュージシャンがいるけど、私たちはその対極。だから、いつも完璧な音楽を目指して闘っている。だって今日のライヴも機材のトラブルで開演が遅れてしまったり、何かが必ず起こるんだもん。でも、そういう瞬間は落ち込んだりせずに『ロックやろうよ!』と全員で声をあげるの。つまり闘いましょう!って意味ね。きっとさまざまな試練を乗り越えた先に、音楽の持つ本当の自由さや楽しさが見えてくるのかなって」

マーヤ「芯がある! 僕は20年以上音楽活動をやっているけど、当初はそんな気持ちなかったですよ。自由じゃなかったというか。どうやって(音楽を)やっていけばいいかわからなくて、ただカッコつけていただけ」

アナ「強い気持ちがないと、私たちバンドを続けていけないのよ。他のバンドと違い、どうやって楽器を弾けばいいのかわからない状況のなかで、いきなりメディアなどで注目された訳だから。戸惑いはあったけど、これは走り続けていくしかない!という気持ちなの」

カルロッタ「もうやるしかない!という覚悟しか、このバンドには特長がないからね。他のバンドとはちょっと違うの」


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──実は、ハインズがかなりタイトなスケジュールで、もう出ないといけないんです……。

マーヤ「そうですか。本当に聞きたいことたくさんあったんですけど……。ハインズは、CDショップの試聴機に入っているのを、何の情報もなしに聴いたんですね。なかでもアルバム1曲目“Garden”はとてもインパクトがあった」

カルロッタ「本当!?」

マーヤ「その後、今回の対談のお話をいただいて、いろんなインタビューやミュージック・ビデオなどをチェックしたんです。アデが、メンバーからベースをプレゼントされてそこから弾き始めたという話とか、いろいろ知っていて」

アデ (苦笑)

マーヤ「だから本当は聞きたいことなんてなくて。いろんなインタビュー記事を読めば全部わかるんですよ、彼女たちのことが。ただ、伝えたかったのは、ハインズの音楽を聴いて、僕がバンドをやり始めた頃を思い出して、感銘を受けたんです。実は、現在バンド活動が止まって、ずっとモヤモヤしていたんですけど、彼女たちの音楽が今後の指針を与えてくれた。まさかスペインのバンドから、指針を教わるとは……。本当にありがとうという気持ちです」

アナ「うれしいわ。そんなこと言ってもらえるなんて」

マーヤ「きっと、音楽をやっている人もそうでない人も、悩む時期ってあると思う。そういう瞬間にハインズの音楽は、すごく力になるはず。だから、嫌いになるヤツなんていないんじゃないかって。また、自分が信じて作っている音楽と、彼女たちの音楽って、そんなに違いはないと思う。他人事じゃない気がしている。それが世界に認められているっていうのは、今後の励みになります。一度ザ・ストロークスと対談したことがあったですけど、同じパワーを感じました」

アナ「私たちもザ・ストロークスは大好き。またあんまり会ったこともない(笑)」

マーヤ「今後も同じスタンスで音楽を作り続けて、それが世界に通用するということを示してほしい。あなたたちの活躍が、今後の僕の力になるので」

アンバー「本当にありがとう!もう泣きそうなんだけど……(号泣)」

ハインズ全員「マーヤはもう私たちの友達よ!(みんなで抱き合う)」


 

撮影 永瀬沙世/photo Sayo Nagase
取材・文 松永尚久/interview & text Takahisa Matasunaga
企画・編集 桑原亮子/direction & edit Ryoko Kuwahara



取材協力 nano・universe The Oak Floor


http://theoakfloor.jp



HINDS-LEAVE-ME-ALONE
HiNDS『Leave Me Alone』

発売中

(Lucky Number/Red Project(SME))

 

 

HiNDS


スペイン・マドリード出身の女性ガレージ・バンド。2013年に始めたカルロッタ・コシアルス(vo,g)とアナ・ガルシア・ペローテ(vo,g)によるデュオ“Deers”を前身に、2014年にアデ・マーティン(b)とアンバー・グリムベルゲン(ds)が加わりバンド編成となり、“Hinds”と改名して始動。名前は“Deers”と同様に“雌シカ”の意味。同年4月のギグから精力的にライヴを展開し、新人ながらザ・リバティーンズやザ・ヴァクシーンズ、ブラック・リップスなどのサポートも経験。2016年1月に1stアルバム『リーヴ・ミー・アローン』をリリース。

http://hindsbandjpn.tumblr.com

 

マーヤ(KING BROTHERS/N'夙川BOYS)


兵庫県西宮にて1998年に結成の暴走爆裂ハードコア ・ブルースな変態ガレージ・パンク・バンド、KING BROTHERSのギター/スクリーム。また、同じく兵庫県出身のロックバンド、N'夙川BOYSのギター、ボーカル、ドラムを務める。N'夙川BOYSは2016年2月より活動休止中。KING BROTHERSは毎月第一月曜日21:00—24:00西宮さくら(FM78.7MHz)にてラジオ『ロックンロールハイスクール』を生放送。

5月11日(水)新宿LOFTにてライヴイベント「DEAD180」、6月22日(水)神戸スタークラブにて「KING BROTHERS 2016 KOBE STAR CLUB Last ONE MAN LIVE!!」を開催。

http://kingbrothers.jp

http://nshukugawaboys.com





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http://www.neol.jp/culture/

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