#BFF『Chocolat』 James Thiérrée & Omar Sy Interview
NeoL / 2017年1月20日 12時0分
#BFF『Chocolat』 James Thiérrée & Omar Sy Interview
近頃世界は、自分と違う人やものをどんどん嫌いになってきているように思える。そんな排他的なムードを感じてか否か、クリエイティヴな分野では人種やセクシャリティなどの壁を乗り越えて通じ合う人の絆を描いた作品が多く届いている。フランス史上初の黒人芸人ショコラと、彼を支えた相方の白人芸人フティット。映画史上初めてスクリーンに登場した芸人コンビとなり、万人を魅了した彼らの実話である『ショコラ~君がいて、僕がいる~』のインタビューを皮切りに、「BEST FRIENDS FOREVER」(略してBFF)と題した特集を1月中に随時更新。異なるからこそおもしろく、刺激がある、尊敬できる。そんな風に人と接していけたら、世界はピースになっていくかもしれない。
『ショコラ ~君がいて、僕がいる』ジェームス・ティエレ
フティットとショコラをつなげているものの力は、彼らを引き裂くものよりも強かったのさ
――フティットとショコラの存在は知っていましたか?
ジェームス「いいや。サーカスの世界で育ったのに知らなかった。僕の両親は、『ヌーヴォー・シルク(新しいサーカス)]と呼ばれるショーを催していて、子どもの頃から伝統的なサーカス団たちと親交があった。両親は、トーター、ドゥドゥレ、フラテリーニ兄弟などの道化師の美しいポスターを持っていたよ。だけど、ロシュディ監督から聞くまで、フティットとショコラについては何も知らなかった」
――これまで15本の映画に出演されていますが、道化師の役は初めてですね。
ジェームス「「タブーに近かったんだ。両親と僕にとって、伝統的なサーカスは自分たちの対極にあるもので、赤い鼻を付けるというのは、僕が舞台では絶対にやらないことだ。この役をオファーされた時、最初は少し怖かったし、自分には合わないと感じた。『サーカスのパフォーマンスのシーンをどうするのだろう? ヒューマンドラマの部分だけ描くのか? それとも、ふたりの芸術的な関係性にまで踏み込むのか?』と疑問に思い、すぐにロシュディ監督に尋ねた。それから、サーカス・シーンの提案をした。僕は、サーカスのテントの下で可能なことが、大スクリーンでも可能だとは限らないと監督に言った。そしたら監督は、この映画で重要なことはフティットとショコラの関係性だと言った。オマールと僕でマリオネットのようなパフォーマンスをするのだろうかと心配だった。慎重にやらないといけないぞと、僕の血が訴えたよ。それでも、ジョルジュ・フティットのキャラクターにすっかり魅了されてしまった。この役を断っていたら、バカだったよ」
――フティットの魅力とは?
ジェームス「フティットは風変わりな男だ。辛らつで、内向的で、さまざまな脆い感情を抱えている。ステージ上ではショコラと心を通わせているように見えるが、控室に戻ると、まったく様子が違う。パートナーとの絆を感じた時、『君のことが大好きだよ。君は僕の親友だ』と言いたいのに、彼にはそれが言えない。それと、彼は常に貧困に対して不安を抱えている。当時は、主役の座を得るか、どん底か、そのどちらかだ。真ん中はない。フティットは仕事でその不安を紛らわせていた。彼は何かを達成すること、高い水準にいることに執着していた。そこが、この役の美しさだ。だけど、彼らを擁護する気はない。ショコラの気持ちに対するフティットの理解の欠如は弁解できない。だけど、それが人間だ。物事がいつも感傷的とは限らない。フティットはショコラに出会った時、すぐにこう言った。『黒人を探してるんじゃない。道化師を探してるんだ』と。それが彼のアーティストとしての考え方だ。他の人の目にはただの黒人男にすぎなかったが、フティットはショコラの持つ喜劇の才能を感じ取った。やがて観客はふたりを称賛し、求めるようになるんだ。コンビを解消する時、フティットは不当だと感じた。演じるにあたって、この別れを悔やむ気持ちが僕には大事だった」
――あなたとフティットの共通点は何ですか?
ジェームス「僕は劇場の中で育った。僕にとっての劇場のように、フティットにとってのサーカスは、お寺であり、教会であり、競技場だった。そこには、ひとりの人間と観衆との間に生まれる崇高な何かがある。それに信念がある。フティットはもっと上に行けると信じていた。僕もまた、この仕事の世界を生き抜いてる。仕事のこと以外にも、学ばなくてはいけないことはたくさんあるよ。お寺の中に留まっていたいと思うけど、世界と向き合って、友達を作って、答えを探すことも必要なんだ」
――ステージ上でのフティットの役作りには何をしましたか? 普段のフティットはどんな人ですか?
ジェームス「ステージ上と普段の生活時とで信じられないほど違うんだ。ジキルとハイドみたいだよ。サーカスの外では人付き合いが悪くて、いつもイライラしてる。公証人の助手みたいなダークスーツの中に身を縮めてる男だ。道化師だとは想像つかない。ステージ上では、まったく別人だ。色彩豊かな扇や万華鏡のようだ。フティットのメイクアップに関しては、口角を下げて、人生への渇望を失っていくような表情にしようと、メイク担当のナタリー・ティシエと意見が一致した。どこかドリアン・グレイの肖像のようだ。髪型はフティットの実際の姿に忠実にして、前髪を立ち上げた。衣装については、衣装デザインのパスカリーヌ・シャヴァンヌとたくさん話し合ったよ。まん丸のお菓子みたいな格好を受け入れるしかなかった。次第に衣装にも慣れて、身体の動かし方にも慣れたね。撮影で疲れているうえに、メイクに時間がかかって、何着も衣装を着替えて大変だったけど、『こんなカメレオンみたいな役を演じられる映画は他にないぞ』と思っていたよ」
――サーカスのシーンに関しては、こだわりがありましたね。どのように準備しましたか?
ジェームス「ふたり組みのパフォーマンスに関しては手掛かりがあまり残ってないのだけれど、個性を捉えるだけの情報はあった。もう一方で、僕とオマールはフティットとショコラではない。遠くなり過ぎない程度に、僕らなりの喜劇のスタイルを見つけて、それをロシュディ監督のビジョンにはめる必要があった。僕らは4週間こもって特訓した。オマールはすでに道化師になりきっていたよ。必要だったのは基本的な肉体トレーニングだ。オマールは『僕はすべて言葉に頼ってしまう』と言い、僕は『僕は身体に頼ってしまう』と答えた。僕らは互いに努力した。僕は自分の声を使うことに慣れて、オマールは身体を使うことに慣れていった。コンビのパフォーマンスは難しいけど、リハーサルを重ねることによって、自然と形ができてくる。唯一、試しのパフォーマンスができなかったな。普通は、観客の反応を見て微調整を加える。だが、映画ではそれができない。僕らは魔法が効くことを願ってカメラの前に立った。あとは編集で一番いいところを使ってもらうことを願ってね」
――どのようにオマールと波長を合わせたのですか?
ジェームス「大変だったよ! 気持ちを通わすためには、お互いのことを知って、意思疎通を図らなければならなかった。『自分を何様だと思ってるんだ? 僕は君とは違う! さぁ、どうする?』と、怒鳴り合いにもなったよ。胸の中の思いを吐き出したら、ふたりで仕事に戻った。最終的にはふたりとも子どものように楽しむことができた。オマールと僕は、プロとして、距離感を保つこともできただろう。だけど、その関係が本物なのかどうかは、カメラを通して伝わると思うんだ。映画の中で、観客が僕らの一体感を感じたなら、僕らの勝ちだね」
――オマールから何を学びましたか?
ジェームス「不安な時、オマールは心強い支えだった。彼はエネルギッシュで、知的で、本能的で、信じられないほど、おおらかなんだ。僕は頭で考え込んでしまう質だから、彼が頼りになったよ。運搬上の問題や技術的な制約があって、撮影はすごく大変だった。僕は、より自由がきく舞台に慣れてるからね。オマールは、いろいろな制約がある中でも、まったく動じずに平然と動き回っていた。僕は彼からその秘密の技を学んだよ」
――今回の撮影で忘れられないことは何ですか?
ジェームス「長い道のりだったよ。僕が最初に抱えてた不安は消え去った。サーカスのシーンをただ美しいだけのシーンにしてほしくなかった。フティットとショコラの関係性の変化を感じ取ってほしかったんだ。オマールも同じ思いだと知ったよ。3カ月間の撮影で疲労がたまったけど、オマールと共に過ごす日々だったらもう少し長引いてもよかったな。とても感動的な物語になった。すごい冒険だったよ。僕らは力を合わせてやり遂げた」
――フティットとショコラの関係について、観客に何を感じてほしいですか?
ジェームス「ふたりの避けられなかった転落の部分まで描いたけど、そこにはある種の救いがある。なぜなら、ふたりが深い愛情で繋がっていたのは明らかだし、たとえ困難な状況になっても、ふたりの心臓は共に脈を打ち続けたからさ。彼らをつなげているものの力は、彼らを引き裂くものよりも強かったのさ」
『ショコラ ~君がいて、僕がいる』オマール・シー
今後、みんなに覚えておいてほしい。僕の前にショコラがいたことを――。
――以前からショコラの存在は知っていましたか?
オマール「いや、2011年に彼のことを知ったよ。マンダリン・シネマ製作のダヴィド・シャロン監督作『アンタッチャブルズ』を撮影していた時に、ある晩、プロデューサーのひとり、ニコラス・アルトメイヤーが僕の控室に入って来た。そこで、ショコラの人生に基づく映画を製作したいという話を聞いた。まだ脚本は出来ていなくて、ちょっとした資料だけだったけど、とても興味をそそられた。その時に、ショコラがフランスで初めて成功を掴んだ黒人芸人だったことを知ったんだ。20世紀初頭、彼はジョルジュ・フティットとコンビを組んで、ふたりのパフォーマンスが、ホワイトフェイス・クラウン(知性派)とオーギュスト・クラウン(おとぼけ役)という概念を生み出した。フランス語で『エートル・ショコラ』(騙される)という表現があるんだけど、ショコラの道化師としての特徴が言葉の起源だったとは知らなかったよ。(原案の)ジェラール・ノワリエルの著書を読んで、さらにやる気がわいた。その6カ月後、シリル・ジェリーによる脚本の第一稿が届いたんだ」
――この作品のどこに惹かれましたか?
オマール「ショコラの人生に感動した。奴隷として生まれ、そこから逃げ出して芸人になるという信じられない人生だ。それを成し遂げるのに、どれだけの努力と勇気が必要だったことか。成り上がっていく部分も転落していく部分も等しく面白いと感じたよ。ショコラは、黒人に対する固定イメージを利用して、みんなを笑わせた。社会が成熟するにつれて、人びとの黒人に対する意識も向上して、黒人を笑うことを好まなくなった。人種差別を受けていた人たちにとってはいいことだったが、ショコラにとっては違った。そして、彼の存在は忘れられていった。ショコラはアーティストだった。僕は、彼の物語、そのパフォーマンスと才能をみんなに知ってほしいと思った。それに、黒人の俳優が出演できる時代ものの作品はわりと少ないからね」
――芸人ショコラの影には、ラファエル・パディーヤという男がいます。彼をどう見ていますか?
オマール「楽しみを求める子どものような男だ。奴隷の息子として生まれ、自分自身も奴隷として育ったことは、相当な重荷だったにちがいない。奴隷でなくても、いつでも自由を感じられるわけじゃない。ショコラのように、それが現実だったとしたら、どんな風に育って、どうしたら心が満たされるだろう。それでも、彼は夢を叶えた。すごい強さだよ。彼は、パフォーマンス、笑い、喜びの中に自由を見つけた。またそれとは別に、彼には自分のいるべき場所が必要だった。栄光の瞬間を掴み取るのが最も大変だっただろう。まるでジェットコースターのような人生さ。輝かしい瞬間の後に、孤独がやって来る。もし彼が路上で人生を終えたなら、それは無意識のうちに彼が望んだことだったのだろうと思うよ」
――役作りにはどのくらいの時間をかけましたか?
オマール「ロシュディ・ゼム監督との話し合いとジェラール・ノワリエルの著書を読んだり、当時の社会や政治情勢を理解するためのリサーチをしたり。サーカスも未知の領域だった。幸運なことに、フティットを演じたジェームス・ティエレは、サーカスの世界を知り尽くしていた。僕らは4週間にわたってリハーサルをした。僕らはどうやら道化師の末裔だ。ジェームスは僕に道化師のテクニック、リズム、身体の動きなどの特徴を教えてくれた。普段と違う身体の使い方を身につけなければならなかった。ジェームスがどんな風に動くか見せてくれたけど、それは彼の道化師の動きだ。僕は自分なりの道化師にならないといけなかった。いろいろ探求して、たくさん練習した。すごく大変だったけど、準備をするのは好きなんだ。ちゃんと準備をすることで、自分の技術のなさを補えるし、より自由に演技できるようになる。現場に入ると、ちゃんと役に入り込むまで数日かかっちゃうんだけどね。話し合いとシーンを重ねていくうちに、やっと自分の考えと監督の考えのいいバランスを見つけることができるんだ」
――ジェームス・ティエレはショービジネス出身ですが、どうやって共通の土台を見つけましたか?
オマール「簡単ではなかったね。僕らにはそれぞれの個性、それぞれの世界観があった。お互いをよく知って、役同士の間に存在したのと同じような一体感を見つける必要があった。僕はコメディアンのコンビ出身だから、パートナーとの仕事の仕方は分かってる。でもジェームスは違う。僕らは言い争いをして、ふたりとも男だから、掴み合いのケンカになった。激しい戦いだったけど、意味があったよ。調子のいい時も疲れている時も、機嫌のいい時も悪い時も一緒にいることで一体感が生まれる。その経験を撮影現場で生かして、僕らは本物のコンビになった。ジェームスはすばらしい相手だったよ。自信に溢れている時もあれば、不安に陥る時もある。そこが彼の魅力さ。それに、自分の仕事に情熱を持っている。僕はシーンの合間には、静かに座って考えたい。でも、彼にはそれができないんだ。彼はすごくアクティブで、常に新しいアイデアを探す。ちょっと頭がおかしいのさ。笑っちゃうね。でも、僕らのパフォーマンスがとても詩的なものになっているとしたら、それは彼のインスピレーションのおかげだ。彼と一緒に仕事をして、とても勉強になったよ」
――ジェームスから何を学びましたか?
オマール「僕を成長させてくれた。パートナーが優れていれば優れているほど、自分も良くなる。テニスみたいなものさ。相手がいいショットを打ってきたら、うまく打ち返すために、相手のレベルまで自分を高めないといけない。ジェームスは限界を押しのけていくタイプだ。僕もそうさ。その程度は違うけど。彼の探求心が、僕を自分では辿りつけなかっただろう場所まで連れて行ってくれた。彼のおかげだよ。彼はリハーサルが好きで、僕は好きじゃない。いつもリハーサルは気楽にやってしまう。本番の撮影まで新鮮さを残しておきたいからね。でも、彼を真似ることで、演技が機械的になることなく、リハーサルを重ねることができると知ったよ」
――フティットとショコラの関係性をどのように捉えていますか?
オマール「僕とフレッド(・テスト。オマール・シーとコンビ『オマール・エ・フレッド』を組んでいる)のような関係さ。お互い自分の世界を持ってる。コンビの関係は少し恋愛に似ているね。ひと目ぼれから始まる。自分に合う相手に出会って、その相手と物事を共有して成長していく。フレッドと僕もそうだ。僕とジェームスも、より凝縮された時間の中で、そういう関係になった。フティットとショコラの関係を想像するために、自分の経験を生かした。ステージ上では関係がうまくいっても、実生活ではもっと複雑だ。ふたりは別々の世界を持ってるのだから。フティットとショコラは、社会の中の立ち位置が違う。ふたりは共に成長したけど、友情を続けるには対等の立場にいないといけない。フティットはショコラを対等に見ていたが、残念ながら、いったんサーカスの世界を出ると、そうはいかなかった。
――ロシュディ・ゼム監督と組むのは初でした。いかがでしたか。
プロデューサーがロシュディ監督の名前を挙げた時は、最初驚いたよ。彼の作品は大好きだけど、彼の名前を予想してなかった。だけど、監督と作品の話をしたらすぐに、すばらしい人選だって分かったし、監督の熱意を感じた。僕らには共通点があった。僕らはお互い、郊外出身の移民の子どもなんだ。だけど、監督は80年代半ばにキャリアをスタートさせたから、僕よりも自分の居場所を見つけるのが難しかったと思う。僕の時は、すでに彼や他の人たちが作ってくれた土台があったからね。彼なら自身の経験を生かして、作品に面白いアプローチをするだろうと確信したよ。
ロシュディ監督はとてもフランクで、人間関係を円滑にする才能があるね。この仕事をしていると、行間を読まなければいけないことがよくある。ロシュディ監督と同じくらいスムーズにコミュニケーションを取ることができたのは、エリック・トレダノ監督とオリヴィエ・ナカシュ監督だけだよ。ロシュディ監督自身も俳優だからだと思う。俳優の置かれている状況が分かるから、どうやって指示を出すべきか分かってる。監督の作品をすごく尊敬しているから、失望させたくなかった。そういう思いが、演技のレベルを高めてくれるんだ」
――舞台出身者や映画監督出身の俳優らと共演するのも初めてでしたね。
オマール「ロシュディ監督のすごいところは、有名無名関係なく、役にぴったりの俳優を配役するところさ。キャスティングに関してはプラスA評価だよ。クロチルド・エム、オリヴィエ・グルメ、アレックス・デスカス、オリヴィエ・ラブルダン、フレデリック・ピエロ、ノエミ・ルボフスキー……皆一流の役者たちだ。未熟者の僕にとっては、とても光栄だった。皆役になりきって、僕らと同じだけのエネルギーを現場に注いでくれた。僕は小さな役で出演する時は、あんなふうに全力で挑んでないな。彼らの仕事への取り組み方なんだろうね。すべて作品のためなのさ。美しいセットや衣装を見ると、みんなが真剣に仕事に取り組んでることが分かるよ。ふたりの道化師とショコラの人生を描く美しい映画を作ろうという志を、僕らはみんなで共有したんだ」
――あなたもショコラのように白人女性と結婚をし、病気の子供への支援をしています。
オマール「実は、僕の妻は10年間にわたって病気の子供のための団体に携わっていて、僕は子供たちを楽しませるために病院を訪ねてるんだ。マリーとショコラが同じことをしていたと知った時は鳥肌が立ったよ。この物語が僕の心を打った理由のひとつでもある。僕は奴隷として生まれてはいない。他の人たちと同様、自由の身だ。そこが、ショコラとは決定的に違う。だけど、彼が何を考えていたか想像できる。それに、彼のことを理解しようとすることで、自分のことを理解できたよ」
――ショコラと彼の運命について、観客に何を感じてほしいですか?
オマール「ショコラのことに興味を持って、彼を知ってくれれば、それでうれしい。アーティストであるということは、後世に足跡を残すということだからね。でもショコラの足跡は消されてしまっている。それをもう一度浮かび上がらせたい。彼のしたことは無意味なんかじゃない。ショコラは、アーティストとしてフティットと対等に見られたがっていた。フティットに関しては、たくさんの記録資料がある。ショコラに関してもそうなってほしいし、ショコラがこの映画を気に入って、僕らが注ぎ込んだ愛を感じてくれたらいいな。最後に、もっと個人的な願いがあるんだ。『最強のふたり』が大ヒットして、セザール賞を受賞した時、僕はフランスで名声を手に入れた最初の黒人アーティストだと言われた。だけど今後、みんなに覚えておいてほしい。僕の前にショコラがいたことを」
『ショコラ ~君がいて、僕がいる』
◆監督:ロシュディ・ゼム
◆出演:オマール・シー、ジェームス・ティエレ、クロティルド・エスム、オリヴィエ・グルメ
2015年/フランス/119分
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
(C)2016 Gaumont / Mandarin Cinema / Korokoro / M6 Films
http://chocolat-movie.jp
2017年1月21日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
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http://www.neol.jp/culture/
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