OKAMOTO’Sのアドレス帳 Vol.17 吉村界人 × オカモトレイジ
NeoL / 2017年4月20日 12時0分
OKAMOTO’Sのアドレス帳 Vol.17 吉村界人 × オカモトレイジ
[caption id="attachment_55924" align="alignnone" width="620"] Photo : Shuya Nakano | Styling : Yuji Yasumoto(Kaito Yoshimura) | Hair&make-up Tomomi Fukuchi(Kaito Yoshimura)
| Graphic design : Kosuke Tsuda | Retouch : Shota Emoto
| Interview & art direction : Ryoko Kuwahara[/caption]
OKAMOTO’Sのメンバーが友人はもちろん、憧れのアーティストなどをゲストに迎える対談企画第17弾。今回は、ひと目みたら忘れられない演技で注目を集めている俳優・吉村界人が登場。街での遭遇率が異様に高いというオカモトレイジと初対談を敢行した。フリーキーな印象を持たれるふたりだが、その生態、そして仕事への姿勢とは?
——おふたりはどういうきっかけで知り合ったんですか?
レイジ「実はきちんと話すのはこれが初めてなんです。でも街中でバッタリ会うことが連続したので、勝手に縁を感じていました。BIM(OTOGIBANASHI’S)と知り合った時と同じで、道端での遭遇率が異様に高い(笑)」
吉村「よく会いますよね」
——最初に会った時にはお互いのことを知ってる状態だったんですか?
レイジ「僕は知っていました。インスタが面白いと友だちに教えてもらって、結構早い段階でフォローしていて。一年くらい前に共通の友だちといたタイミングで挨拶して、そこから古着屋やらカフェやら道端でも会いだしました。でも界人くんはシャイだから、会っても『ういっす、おいっす』と言って、サーッといなくなっちゃう。『ご飯でも一緒に行こうよ』みたいな流れを作らないようにしてるというか(笑)。多分10回くらいは会っているのに、こうやってゆっくり話したことはないよね」
吉村「バレてましたか(笑)。ダメなんですよ、結構シャイというか……」
レイジ「バレてる。でもね、いいと思うよ。繋がれないヤツだなというのもいい。いつも界人くんから連絡をくれるので嫌われてるわけじゃないのはわかっているけど、会うといなくなるからシャイなんだろうなと思って。かわいいです(笑)」
吉村「いやいや。でも本当にすごくよく会うんですよ。だからレイジくんと会うと、心の中の信号みたいのものが光る感じがある。そういうのは大切にしてます」
——レイジさんは吉村さんの出演作品も観ていたんですか?
レイジ「はい。というか、なにも考えずに気になった作品を観ていたら高確率で出てくるんです。一番最初にちゃんと作品で観たのは『百円の恋』かな。『ディストラクション・ベイビーズ』『ちはやふる』も観ました。あと七十七銀行のCM。新潟で映画館に入ったら流れていて。とにかくちょっとしたシーンでもすごく記憶に残る。それがすごいなと思っていました」
吉村「観てますねえ」
レイジ「『太陽を掴め』にも招待してくれたのですが、あれもよかった。特に押入れの中の宇宙にぶっ飛ぶシーン。ああいう表現がすごく好きです。工夫を感じるというか、作る側が現実的なことを考えて、やりたいことが100パーセントはやれてない状況で、なるべく100パーセントを表現するために頑張った結果こうなった、みたいな。監督の満足度は置いておいて、その頑張った感じがにじみ出ているものはいいなと思います。音楽も、この人はこれをやろうとしてこうなってしまったということが多いけど、その勘違いはやっぱりすごく大事だよね」
吉村「実際、まさにそんな感じなんです。僕が自分の才能を勘違いして、『僕を主演にして映画を撮ってくれ! 他に誰がいるんだ!』って感じで監督に掛け合ってスタートしたので。元から映画をやろうという話はあったんだけど、ゴリ押ししてという」
レイジ「そういうことは成功するんだよね。やればできるし」
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| Graphic design : Kosuke Tsuda | Retouch : Shota Emoto
| Interview & art direction : Ryoko Kuwahara" />
Photo : Shuya Nakano | Styling : Yuji Yasumoto(Kaito Yoshimura) | Hair&make-up Tomomi Fukuchi(Kaito Yoshimura)
| Graphic design : Kosuke Tsuda | Retouch : Shota Emoto
| Interview & art direction : Ryoko Kuwahara[/caption]
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| Graphic design : Kosuke Tsuda | Retouch : Shota Emoto
| Interview & art direction : Ryoko Kuwahara" />
Photo : Shuya Nakano | Styling : Yuji Yasumoto(Kaito Yoshimura) | Hair&make-up Tomomi Fukuchi(Kaito Yoshimura)
| Graphic design : Kosuke Tsuda | Retouch : Shota Emoto
| Interview & art direction : Ryoko Kuwahara[/caption]
——吉村さんはレイジさんのことを知っていたんですか?
吉村「知っていました。オカモトレイジという男のことは大体みんな知ってるんですよ。異質で、ふざけた兄貴みたいな感じで誰もが知ってる」
レイジ「ははは(笑)」
——OKAMOTO’Sを聴いたことは?
吉村「ミーハーですが、ドラマの『火花』で“BROTHER”を聴いていい歌だなと思って。『あっ、これがOKAMOTO’Sか!』と繋がりました。当たり前ですけど、やっぱりドラムが本業だよなと。僕の勝手な印象ですけど、ああいうバンドの中の一人で、ドラムのあのスペースの中では身が余っちゃうと思うんですよ。だからいろんな活動をやってる。でもドラムはちゃんと静かにやってますよね」
レイジ「色々あるよ。この曲は静かにやろうと意識したりもするし。でもデビュー当時はすごかった。19歳の頃などの映像を観ると信じられないテンションでドラムを叩いてるし、よく身体を痛めなかったなと思う。若い時はとにかくヤバければ何でもいいと思っていた節があって。OKAMOTO’Sのライヴを観るのが人生において最初で最後の人がいるかもしれないわけで、とにかくインパクトを与えたいと思って。“ヤバい”を100パーセントで追求してたから、本当にめちゃくちゃ。でもそれだと音楽として成り立たない部分も出てきて、3年くらいはヤバいを追求したから、あと3年くらいはきちんとドラム叩くことに集中しようと思い直して、いま7、8年目かな」
吉村「ああ、そうなんですね。実は、僕も暴れ散らす時期が終わりかけてるような気がしているんです。仕事を始めて3年ちょっとなんですが、以前はそれこそインスタでムカついたことも全部包み隠さず言うすごく痛い存在だったんですけど、最近そういうことに飽きたかもしれない。本質をちゃんとしよう。文句を言わずに一生懸命に仕事をしようと思いました。でも一方で、果たして俺はこの生活を求めていたのかなとも思ったり、心の中が混沌としていて。俺、レイジくんに聞きたいことがあるんです。ドラマーという一個の枠だけでは耐えきれないという気持ちがありませんか? 俺はそこがレイジくんと同じだと思ってるんですけど、あれってなんなんですかね?」
レイジ「本気で俳優をやりたいからそうなるんだと思う。俺も本気でバンドをやりたいから、他のことはそのためのインプットでありアウトプットであるというか。色々なことをやりたいけど、だからと言ってバンドをやめて他の仕事につこうという考えは一切ない」
吉村「あ、それは俺も思わないですね」
レイジ「多分そこだと思う。俺はドラムだけで生きていきたいわけではなくて、俺がバックDJで前に3人がいてもいいと思うし、俺がギターでショウがドラムをやってもいいけど、バンドというフォーマットをやめることはない。DJをやってみたり、友だちのショートムービーで音楽を作ってみたり色々経験して、そのぶんバンドにフィードバックさせている。つまり、一番楽しいことや好きなことがきちんとあるということだと思うんだよね」
吉村「そうか。あとね、多分バカ真面目なんですよね。だから混乱するというか」
レイジ「それはあるかもしれないね」
——レイジさんも人一倍真面目ですよね。
吉村「それ、俺も感じます。色々な動画を観てて、ふざけ倒してて面白かったけど、実はこの人クソ真面目なんだろうなと思いました」
レイジ「界人くんも相当だけど。昨日も『対談よろしくお願いします』という電話をくれて、でもあまり喋ってしまうとこのフレッシュな感じが記事に落とし込めないからとすぐ切って。真面目だよね。だから、今日は本当の初対談。普段から話している友達と改めて誌面で話すというものではなくて。そういう風に真剣だからこそ一瞬一瞬を残せてるんだと思います。例えば、この一瞬しか出番がないんだったら適当にやっておけばいいやといって、前日朝まで飲んで本番をやっていたら忘れられてしまうんだろうけど、しっかりとその一瞬に向けて真面目に向き合ってやってそうな感じがする」
吉村「それは真剣にやってます。だって必死さより強いものないじゃないですか」
レイジ「いいパンチライン出たね。ただ、その真面目さに悩んだりもするんです。俺は真面目だからダメなのかなって思う瞬間があるというか。知識もなければ努力もしないで超不真面目なのに、自分より売れている人たちもいるし」
吉村「ああ、わかる」
レイジ「でもやっぱり真面目は大事。あと統括して言えるのは健康第一。病んでしまったらつらいしね」
吉村「そうっすね」
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Photo : Shuya Nakano | Styling : Yuji Yasumoto(Kaito Yoshimura) | Hair&make-up Tomomi Fukuchi(Kaito Yoshimura)
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Photo : Shuya Nakano | Styling : Yuji Yasumoto(Kaito Yoshimura) | Hair&make-up Tomomi Fukuchi(Kaito Yoshimura)
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——吉村さんは俳優という軸はぶれないけれど、ほかにも色々やりたいことがあると。具体的にはなにをやりたいんですか?
吉村「音楽が好きだし、ラップをやりたいです」
レイジ「できた曲を送ってくれるんです。俺もトラックメーカーを紹介したりして。そういえば、英語喋れるの?」
吉村「喋れないですよ」
レイジ「リリックの内容が7割くらい英語だよね。それじゃ、あの英語は適当に書いてるの?」
吉村「適当じゃないです。調べて書いてます」
レイジ「きちんと調べて組み立ててるんだ! 真面目!!!」
全員(笑)
レイジ「いいと思うよ」
吉村「適当にやってる感じがよかったんだけど……。パソコンでいつも調べながらやってますね」
レイジ「前にカフェで会った時に作業してたのはそれ? 大荷物広げて作業してるなと思ってたけど、リリックを書いてたのか」
吉村「そうです」
——ヒップホップが好きなんですか?
吉村「ロックも好きですよ。邦楽も洋楽も全部好きです」
——でもいまやりたいのはラップなんですね。
吉村「そうですね。元々人並みに好きだったんですけど、俳優という職業は自分の言葉を持てないじゃないですか。脚本に書いてあることしか読めない。だから思っていることをインスタに書いたりして。でもそうやって世の中に発信するのは飽きて、考えてみたら、音楽に落とし込めばなんでもありになる。それってすごいことだよなと気付いたんです。歌はうまくないけど、ラップが好きで、言いたいことはある。ラップをやりたいというより、言いたいことがあるから手段としてラップをとったという感じです」
レイジ「それは正しい。言いたいことがたくさんあるからラップになったと思うし。一曲ではおさまらないんだろうね」
——逆にレイジさんもMVなども含め、多少は演じる場面もあるわけですよね。
レイジ「MVで演技することはそんなにないですが、一度『SHIBUYA零丁目』というドラマに出演させて頂きました。難しいというか、初めての感触でした。よくできるな、すごいなと改めて思います。音楽は“自分”なのでまったく違いますよね」
——どういう部分が一番難しかったですか?
レイジ「いつも通りの感じでと言われた役柄だったので、そんなに大変でもなくて。ただ撮影にかかる時間が長いし、一つのことに向けて関わる人の多さもすごい。その全部のプレッシャーが自分にかかって来るのは大変だなと思いました」
吉村「ああ、そうですね。俺は演技も音楽も両方好きだし、同じ感覚でやってますけど、やっぱり音楽の方が気楽です。音楽は別に求められてないしな、みたいな。役者にはたくさんの人が関わってるぶん、いろんな声があるし、期待もあって、主演をやったらバズってもダメでも自分にダイレクトに影響する。そういうのは感じちゃいますね」
レイジ「確かにマインドの問題は大きいかもしれない。なので、界人くんの音楽は本当のインディーだと思います。インディー、メジャーってやっぱりレーベルと契約してるしてないじゃないと思う。その“求められてないしな”という気持ちは忘れない方がいいよ。そういうものにしかない良さが絶対あるから」
吉村「うん。自分の気持ちを整理するために歌詞を書く、ラップしてるくらいの感じです」
レイジ「ラップはそうだとして、役者としては最終的にどのくらいのポジションになりたいと思ってるの?」
吉村「やっぱり一番を獲りたいです」
レイジ「いいね。熱い。だって松田優作がまだ生きてると思っていまの事務所に電話したんでしょう? そのエピソードは衝撃だった」
吉村「しましたね(笑)」
レイジ「いい話だよね。俺らも同じ。熱いし、すごく売れたいと思ってる」
吉村「絶対思いますよね」
レイジ「俺らは性格が似てるね。真面目でトップを狙ってるところも同じ。でも思ってたよりも落ち着いてる。話していて、ハッタリっぽさがなかった」
吉村「それはもうなくなりました。本当に、ちょうど地に足をつけようと変わったばかりなんです」
レイジ「そのタイミングで対談できたのは嬉しいな。いい思い出になりました」
吉村「こちらこそありがとうございました」
photo Shuya Nakano
styling Yuji Yasumoto(Kaito Yoshimura)
hair&make-up Tomomi Fukuchi(Kaito Yoshimura)
graphic design Kosuke Tsuda
Retouch Shota Emoto
interview & art direction Ryoko Kuwahara
Kaito Yoshimura
coat ¥32,184/JieDa(KIKUNOBU 東京)
pants ¥12,960/John's By JOHNNY(CONTENA STORE)
others stylist’s won
お問い合わせ先
KIKUNOBU 東京
東京都渋谷区代官山町3-3
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吉村界人
1993年2月2日生まれ、東京都出身。映画『ポルトレ –PORTRAIT-』(内田俊太郎監督/2014年)で映画主演デビュー。以降、多数の映画、ドラマ、CMに出演。近作に『太陽を掴め』(2016年/中村祐太郎監督 *主演)『牝猫たち』(白石和彌監督/2017年)がある。今後、『獣道』(内田英治監督/2017年7月15日公開)『お前はまだグンマを知らない』(水野格監督/2017年7月22日公開)『関ヶ原』(原田眞人監督/2017年8月26日公開)など、多数の話題作の公開を控える。
http://office-saku.com/artists/new_actors/kaito_yoshimura.html
OKAMOTO'S
オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)。2010年5月にアルバム 『10’S』、11月に『オカモトズに夢中』、2011年9月に『欲望』を発売。2013年1月に4thアルバム『OKAMOTO’S』を発売し、7月に は両A面シングル“JOY JOY JOY/告白”を、11月6日にニューシングル“SEXY BODY”をリリース。2014年1月15日に岸田繁(くるり)を迎えた5th アルバム『Let It V』を、8月27日にはRIP SLYME、奥田民生、黒猫チェルシー、東京スカパラダイスオーケストラ、ROY(THE BAWDIES)らとコラボを果たした5.5 thアルバム『VXV』を発売。2015年9月30日、6thアルバム『OPERA』をリリース。2016年6月1日にNetflixドラマ「火花」の主題歌「BROTHER」を表題曲にしたシングルをリリース。10月29日、東京・日比谷野外大音楽堂公演にてキャリア初の47都道府県ツアーファイナルを敢行。同ツアーからの厳選音源と、ツアー中に書き下ろした新曲「ROCKY」を収録し、ツアーファイナルの映像を全曲収録したBlu-ray付きライヴアルバム「LIVE」を2017年5月31日にリリース予定。
http://www.okamotos.net
関連記事のまとめはこちら
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