如来、明王、菩薩 それぞれの仏像の目が持つ意味とは
NeoL / 2018年8月13日 18時9分
『仏像とお寺の解剖図鑑』は「5分で分かる仏像とお寺」という巻頭企画から、引き込まれる。
100を超えるという仏像の種類を、大きくグループに分ける。
その上で、仏の瞳の位置や指のポーズに表現されている手がかりを図解してくれるのだが、例えば、すでに悟りを開いた仏である「如来」の瞳は半目。世界を救うための思索に集中しているため、参拝者は、仏像と目が合うという感覚は得られない。
それに対し、如来の化身でありながら、慈悲だけでは救えない人々を怒りで導く「明王」は、かっと見開いた目で、参拝者の心の奥、煩悩を睨みつける。
そして修行中でもある「菩薩」は、人々の悩みを聞いた上で救ってくれる仏なので、仏像の瞳が中心にあり、参拝者は「見つめられた」と感じる。
こういったことを押さえた後で、各地の寺院にある仏像一つ一つの紹介を読むと、仏像のキャッチコピーもどこか愛らしく、つい、各地の寺院を回りたくなってしまうのだ。また、こうした視点は仏像だけでなく、寺院の空間全体にも及ぶ。本書は初めて仏像を拝観するという目線で書かれているので、読んでいて「こんなことも知らないのか」「これは前提だから書かないよ」ということはないのも、安心。お盆の帰省をきっかけに参拝してみてはいかが?
『仏像とお寺の解剖図鑑』
スタジオワーク
エクスナレッジ
1728円
Amazon
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http://www.neol.jp/art-2/
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