東京都写真美術館で「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像」展開催、1970年代以降の美術を辿る
NeoL / 2019年9月29日 12時17分
アンナ・ヨヒメク&ディアナ・レロネク ディレクトレシィ(女性館長) 2017 Courtesy of the artists
「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像 1970年代から現在へ」が、東京都写真美術館で開催中。会期は、10月14日まで。
本展は、ポーランドにおける1970年代以降の美術を、女性作家と映像表現のあり方にフォーカスして紹介する展覧会。冷戦下の共産圏を生きた世代から、現代を生きるデジタル世代までを取り上げる。
これまで数多くの男性の名によって語られてきた20世紀ポーランドの美術・映画映像史。しかし、ベルリンの壁崩壊やEU加盟を経た21世紀のポーランドでは、とくに映像表現の領域で女性作家が存在感を放っている。本展は、先駆者としての女性作家による表現を再検証し、時代背景を踏まえて新たな視点で読み解くことを試みる。
展示は、1970~80年代の先駆的な映像実験からスタート。共産主義政権のもとビデオカメラを使う機会が限られていた当時は、フィルムを使った実験が多く試みられた。ポーランドで活動する研究者のマリカ・クジミチを共同キュレーターとして招き、近年のリサーチの成果を紹介する。
その後、民主化を果たした1990年代のポーランドでは、格差の広がりや価値観の変化といった背景のなかで、社会批評的な「クリティカル・アート」の潮流が顕著となる。自身が男性のプロボクサーを相手に戦う様子を収めたズザンナ・ヤニンや、「ジャガイモの皮を剥く」作業を美術館という公的空間で行ったユリタ・ヴイチクの作品を通して伝える。また、昨年の「第11回恵比寿映像祭」にも参加したカロリナ・ブレグワや、「ミス・コンテスト」への参加そのものをパフォーマンスとして行い、移民問題に関わる自らのステイトメントを広めることを試みるヤナ・ショスタクなど、現在活躍するアーティストによる作品も紹介。
ポーランドの時代背景とともに、実験精神に満ちた女性たちの実践を辿ろう。
カロリナ・ブレグワ 嗚呼、教授! 2018 Courtesy of the artist
ズザンナ・ヤニン 闘い 2001 Courtesy of Zuzanna Janin Studio and lokal_30, Warsaw
しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像
1970年代から現在へ
会期:2019年8月14日~10月14日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00(木金〜20:00、8月15日〜30日の木金はサマーナイトミュージアム期間のため〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし祝日の場合は開館、翌平日休館)
料金:一般 500円 / 学生 400円 / 中学・高校生・65歳以上 250円 / 小学生以下無料
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https://www.neol.jp/photography/
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