一見無味乾燥な私たちの生活や暮らしのいたるところに、すでに躍動感と生命力が満ち溢れているーー韓国を代表する注目の現代アーティスト チェ・ジョンファ展覧会

NeoL / 2019年10月20日 17時0分

一見無味乾燥な私たちの生活や暮らしのいたるところに、すでに躍動感と生命力が満ち溢れているーー韓国を代表する注目の現代アーティスト チェ・ジョンファ展覧会


ギラギラ、ピカピカ。その鮮やかな煌めきはとどまるところを知らない。しかし、単に造形的・視覚的華麗さだけがその輝きを生み出しているのではない。眩しいほどにくだらないありとあらゆるものが、雑多でありながらも尊い我々の営みをありありと照らし出すがゆえに輝くのだ。


森羅万象とは、異質なものや対極・双極にあるものが密接に絡まり合い、循環し、存在するこの世のすべてである。チェ・ジョンファが生み出してきたものとはまさに、相反するものごとのぎこちなくも強烈な出会いである。天と地、人工と自然、人と物。それらを羅列、反復、集積、拡大、結合、転置といったあらゆる方法で転回させ、縦横無尽に紡ぎ、千差万別の活き活きとした動きを創り出す。有限から無限へといざなうチェの創作は、生と死の双方を抱きかかえるように再び命を吹き込み、活力を生成する業(わざ)であり行(おこない)なのだ。


チェの世界観は、「生生活活(せいせいかつかつ)」という言葉に集約される。それは、一見無味乾燥な私たちの生活や暮らしのいたるところに、すでに躍動感と生命力が満ち溢れているというメッセージである。世界のありとあらゆるガラクタを収集し、組み換え、再配置する行為は、干からびた世界という土壌を掘り起こし、種をまく儀式のようでもある。やがてその根は大地に広がり、幹や枝は空に向かい、花が咲いて実を結び、木となりそして森となる。人工のものたちで奥深き自然の道理を表現するチェの創作=錬金術とはすなわち、生命として躍動する花であり、森なのである。













チェ・ジョンファ個展 Blooming Matrix 花ひらく森
会期: 2019年11月9日(土)〜2020年2月24日(月) 11:00 – 20:00
会場:GYRE GALLERY /GYRE 3F 東京都渋谷区神宮前5-10-1
主催:GYRE
オーガナイズド:HiRAO INC








チェ・ジョンファ /Choi Jeong-hwa
1961年生まれ。弘益大学校絵画科卒業。1987年にJoang Fine Arts賞、1997年に5th Total Art賞、


2005年には7th Ilmin Art賞を受賞している。「見えるものすべてをデザインし、見えぬものすべてをアート作品にするアーティスト」として知られ、キュレーター、アートディレクター、プロデューサー、アマチュアアーティスト、インテリアデザイナー、クラフツマン、パブリックアーティスト、インスタレーションアーティスト、コレクターほか、活躍は多種に渡る。アートと文化のほぼ全域を網羅する彼には「マルチプル(複数の)チェ・ジョンファ」のニックネームがつけられている。ほぼすべての国際ビエンナーレ、韓国内外の展示会に参加し、人生のあらゆる側面で活動、常にアートとノンアート(アートでないもの)の境を行き来している。1990年代のコリアン・コンテポラリーアートにおける象徴的アイコンは、2000年代からその先のコリアン・コンテポラリーアートシーンでも、最も影響力を持つアーティストであることは明らかである。


チェ・ジョンファは、ヴィジュアルアート、グラフィックデザイン、インダストリアルデザインや建築といった、多様な分野で作品を生み出すアーティスト兼デザイナーである。都市環境における調和と混沌に感銘をうけ、チェは美術館のヒエラルキーを覆すかのように館外に自身の作品をインスタレーションする。彼の遊び心溢れる作品たちは、美術施設の特権環境や狂乱した消費者世界に疑問符を投げかける。
チェは以前に、廃棄された1,000個のドアから成る、10階建てのインスタレーションを作ってみせた。また、ソウルのオリンピックスタジアムを、200万個ものゴミくずからできた花冠で飾り、建物の表面をきらめく宝石のように変換させた。そのほかの作品では、人工性と永続性をプラスチック食品や花を用いたアイディアも追究している。自らの作品を分類することに非を唱え、見る者の自由な発想に委ねる姿勢を示している。彼のモットーには「あなたの心がわたしのアートです」と記されている。


Written by: Min Byung Jic
Translation: Han Harah

関連記事のまとめはこちら


https://www.neol.jp/art-2/

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング