Fantastic Fest Issue/日本未公開映画特集 : 『VHYES』 Director Jack Henry Robbins, Writer Nunzio Randazzo,Actress Kerri Kenney, Actor/Executive Producer Tim Robbins

NeoL / 2019年10月26日 20時30分

Fantastic Fest Issue/日本未公開映画特集 : 『VHYES』 Director Jack Henry Robbins, Writer Nunzio Randazzo,Actress Kerri Kenney, Actor/Executive Producer Tim Robbins



テキサス・オースティンで開催される映画祭Fantastic Festは、大作やシリアスなムードのものよりもちょっと笑えてしまようなスプラッターやジャンルムービーに焦点を当てているのが特徴。場所柄もあり、VHSやレコードなどノスタルジックな素材や作り方にこだわった作品も多くラインナップされている。そのFantastic Fest2019年度のリストから、NeoLが気になる作品を紹介する。
3本目はVHSへの強い愛を込めて作られた『VHYES』。12歳の少年ラルフのホームビデオという体をとって始まりながら、テープに上書きされたその家で観られていたであろうテレビ番組やコマーシャルなどがミックスされていく。最初は全く関係のないように見えたいくつものストーリーすらないような記録たちが徐々につながりあっていく様は見事。ヘアメイクや衣装、プロップでの作り込み方で見せる80年代の魅力もさることながら、実際にVHSカメラで撮影されたために粒子の粗い質感からもノスタルジーが煽られ、VHSを知らない世代からは目新しく映るであろう作品。監督や製作陣のVHSへの偏愛に引っ張られて作られた一本だが、監督が語るように、クリエイションのベースに「愛/ハート」があるということはこんなにも強い。(→ in English)




ーーまず、このストーリーの成り立ちを教えてください。パーソナルな作品にも思えますが、同時にレイヤードされた話の組み合わせなど素晴らしく複雑な面も持ち合わせていますよね。たくさんのセグメント化された話をどうやって結びつけていき、この心にしみる作品を作り上げたんでしょう。


Jack : ここに登場する全てのコメディの鍵となるのは、「ハート」だと思います。アホくさいジョークを作りたかったわけじゃなく、重要なのはそこに心がハートを感じられる部分があること。『VHYes』はVHSテープに記録された誰かの物語を軸として制作されていて、そこに僕たちが面白いと思う様々なものを入れ込んでいます。家族の誰かが結婚式のテープを重ね撮りしてしまってデータが消えてしまった、というよくあることを映画でやってみたというか。それらをどんどん膨らませていって完結されているんです。
僕はコメディとホラーの共通点は観客が身体的な刺激を感じるということだと思います。だから、このコメディを作っているときも最後には観客を怯えさせたいなと思っていました。そうしたら皆が予想するであろう面白おかしいエンディングにはならないでしょうから。私はフィルムの根本について描きたかったんです。つまり永遠には続かない人生、全ての事柄や全ての人生を記録するような現代社会において私たちはどのように生きるのか、そして記録したとしても本当のあなたが何者かはわからない。ここにはとても現代代的なメッセージが込められていると思うんです。私たちは、『Hot Winter』で初めて製作を共にして、サンダンス(映画祭)に行き、翌年にも『Painting with Joan』でサンダンスに出れそうです。この2本の後、私たちは「なんか他のものを作りたいよね」いう気分になり、脚本家のナンジオ・ ランダッツォと私でそれぞれ脚本を読み漁り、二人で集まってこれから何ができるかを話し合いました。


ーーこの作品は全てアナログですよね? 全てアナログの機材を使って撮影したのですか?


Jack :この作品は、全てパナソニックのVHSカメラで撮影しました。ほとんどがアナログのカメラで、デジタルベータカムも少し使いました。デジタルベータカムの機材は高いので、基本的にアナログで全てを撮影することにしています。以前に私とプロデューサーで、メカニクスと撮り直しができないというVHSでの撮影をどのようにやっていくかを話し合いました。でもそれは、私たちが純粋に映画に向き合うために求めていた要素でもあるんです。家の一番乾燥している場所には、この映画のフィルム45本を保管している箱を置いてますよ(笑)。



ーー作業していくうちに新しい機材を追加することもありそうですね。製作の際に、ご自身の決断で苦しんだ事はありますか? 逆に「最高だ!すごくいい」と思ったことは?


Jack : このフォーマットはただ指針を与えてくれたというだけで、指針はこのプロジェクトがそれていくのを引き戻してくれたり、私たち自身がメソッド・アクティング的に実際に起こったことを作品に取り入れていくような形で撮影を進めました。撮影の観点から言うと、コメディとカメラワークはより自由にできるんです。ズームやポーズの瞬間ごとにそう感じていました。セットが完璧に整っていて、解像度の高いカメラを使った現場では、このようなユニークな個性を得ることはできなかったでしょう。肩かけができる小さなVHSカメラは、メイソン(ラルフ役)に渡して使わせたりしていたので、すごく自由度の高い現場だったと思います。VHSカメラの美点にも良いときと悪いときの両方があって、それがどう出るかわからないのがまた撮影の際の面白かった点でもありました。もちろんあらかじめ計算して撮影した要素もあるんですが、とても難しかったですね。







――――ライト・ミュージックを作品内で使うことにした理由を教えてください。


Jack : 起用したLAのバンドはどちらも個人的に知っていたんです。この台本でクレイジーなのは、編集が伴っていないということ。これって、かなり特殊なプロセスですよね。どう繋ぐかわからないから、4回も違った読み合わせをしたりして。で、作品の冒頭にはパンクを入れたかったんです。アンダーグラウンドなパンクはVHSにつきものですから。Prettiest Eyesは実在のバンドで、使ったのは彼らの曲の中でも最も荒々しいものです。Weyes Blood は友達なんですが、本当に素晴らしいからぜひ曲を聴いてください! 両親のことを想うシーンには心に響く音楽が欲しくて起用しました。もしこの観点で本作にハマったとしたら、どこで観ていようと4分間のWeyes Bloodの曲に聴き入ってしまうはずです。
映画全体のミックスをするのに4日間しかなくて、最終のサウンド・ミックスができなかったんですが、どうしても心に沁みる曲がほしくてWeyes Bloodの“Generation Why”を入れました。歌詞は、自分の人生を撮影すること、それによって破滅していくことについて。この歌詞は、映画にぴったりだと思ったんです。そんなこともあって採用しました。


―――Sir handelysのアイデアについて詳しく教えてください。


Jack : このアイデアは被害妄想がひどい男を登場させる案が元です。誰かが彼をありとあらゆる方法で殺そうとしていると思っているような。例えば、野球ボールだったり、ゾンビだったり、それで彼はそれらをやられる前に殺してしまおうとするんです。30分か1時間ほどその面白いシーンがあったんですけど、カットしてしまいました。Sir handelysを演じたのは父で、彼は復讐を企んでいるんです。早送りをああいう風に取り入れて VHSの美点を引き出すことができて、かつ新しいコメディを作れるといういいアイデアでした。


――――ケリー、あなたがこのプロジェクトに出演したいと思った理由はなんですか


Kerrie : エージェントから「こんなプロジェクトがある」というメールをもらいました。私は、そのプロジェクトがすっごく面白いし、本当によくできてるなと思ったんです。彼は、「これを1時間で撮る予定で、撮影現場にはお菓子があるし君の家から近いよ」って言って出そうとしたんですよ(笑)。私は、そんなお菓子の誘いがなくても本当に個性的でよく練られた作品だと思っていたんですけどね。見事に。それで私は「オッケー!」と出演を決めたわけです。世代の違う人が80年代のVHSを使って作品を作っていくのに面白さを感じたんです。


Jack : ケリーは、面白いと思った瞬間がRikoが木を配達して,彼らがとても悲しくキスするところだって言ってたけど、あれホント?


Kerrie : そう。


Jack : あの演出はすごく難しくて、ポルノをたくさん観て研究しなきゃならなかった。


Kerrie : それは自慢しなくていいから(笑)


Tim : 『 Painting with Joan』はジャックと私が初めて一緒に仕事をした映画ですが、VHSという制約を課すことがすごく面白いと思いました。私たちの世代はちょうどインターネットが普及して、VHSは完全に衰退していました。でも、そんな時にあえてVHSを使うのは面白いなって。そのアイデアを今回の作品に繋げられたから、あのプロジェクトにはとても感謝をしています。


―――子役たちに訊きたいんですが、どのくらいここに登場する昔の引用元を知っていましたか? 


Mason : 正直にいうと映画にあったような昔の人やことについては何も知りません(笑)


Rahm : ぼくはほんの少しだけ知っていて、『Painting with Joan』がボブ・ロスについての何かということは知っていました。公式じゃない資料しかなかったけど、それで十分でした(笑)



―――(笑)。どのくらいの分量が脚本で、どれくらいが即興の演技に委ねたのでしょう?


Jack : 面白いシーンは全部私が書いたもので、つまらないシーンは私が書いていないに違いないです(笑)。私は現場でかなりオープンに考えていて。というのも、即興には余地を残すのはすごく大切なことですから。ある登場人物が子供の頃に犬にいじめられていたというシーンがありますが、私はその前日にすごく良いアイデアを思いついたんです。それは、「2人の最高のコメディアン俳優が、異なる場面なのに同じセット内で演技してたら面白いんじゃないか」というもの。私たちは同じ日に全てのシーンを撮影したんですが、その前提を元に2人は最高の即興をやってくれました。それ以外の撮影中は常に、「撮影、撮影、撮影、大声のセリフ」という感じ。即興は全ての上質なコメディの基本であると思います。普通は役者に少ししか即興をやらせないところを、私たちは大いにやらせるんです。でも、最後にもう一度言っておきますが、全ての素晴らしいコメディは私と共同脚本家が書いたものですよ(笑)






Painting with Joan from Jack Henry Robbins on Vimeo.




text Ryoko Kuwahara









Ralph is a 12-year-old boy who just got a new video camcorder from his parents and now spends his days recording himself goofing around with his pal Josh. He also discovers from his Dad that he can hook it up to the TV to record his favorite late night shows and the wondrous commercials that air between.

Director Jack Henry Robbins and writer Nunzio Randazzo clearly have a deep affection for the 1980s, and especially the demented television shows and their scraggly commercials that permeated the era’s airwaves. In VHYES, Robbins has assembled a veritable who’s who to bring to life his demented version of the idiot box, including notables like his parents Tim Robbins and Susan Sarandon, Thomas Lennon, Charlyne Yi, Madeline Zima, and Kerri Kenney.


ーーSo let me start by asking where does this story come from? It feels personal but it also feels like something that is incredibly complex, the way that it is layered and how you brung it together. So what’s the genesis and how did you work it all out. Did you always know that you were going to make this cornucopia of segments that tied together for this very heartfelt story?


Jack : I think that the key to all comedy is heart. I don’t want to just make dick jokes, it’s important to have some heart around it. I mean I think, we grew up with the key creatives and VHYes is made specifically as a story about someone recording off of a wag tape and that’s where that came from if some of you were interested. I mean, exactly what happened was one of my family members lost their wedding tape because we accidentally recorded over it so.. But the whole ending and the whole thing I kind of developed as we made it. You know comedy and horror both have physical reactions so I knew that making this comedy I wanted to scare people at the end because I thought that that was the only place it could go as opposed to having a funny ending. I wanted to talk about the root of the film which talks about the impermanence of your life and how we live in a society where you record over everything, you record your whole life but none of that is who you are. So it has a very modern message, I think. Unless you guys are like ‘This guy’s an idiot.’ I think it has a modern message within this text so that is where it came from. We started out with Hot Winter and we were at Sundance with Hot Winter and then we were at sundance the next year with Painting with Joan . So after those films, we were like ‘Hey, we want to make something else.’ Me and Nunzio who is the co writer of this film read over the film and got together and talked about what we could do from there so.


ーーIt is all analog right? You shot all in analog?


Jack : So everything you saw tonight was shot on panasonic, VHS camera. All analog and some digibeta. A little digibeta but all VHS. All of the high budget stuff is digibeta. So we shot everything in analog. It was a discussion that me and a producer had about if we should do that. Why we went for that is the mechanics and the focus of the VHS you can’t recreate. It’s a very specific element that we wanted to be pure to. Literally there is a box in my house in the most dry area of 45 tapes of just our film.


ーーIt must have added new obstacles to the workflow. Did you guys find yourselves cursing your choices as you were editing it or was it like ‘Great, I love that.’


Jack : The format just gave us these guidelines to work within. We always tried to think about how they would make these projects back then and really we were method actors as we were sort of filming it and thinking about how it would happen. In terms of the filming process, I think it allowed us more freedom with the comedy and the camera work and all of that was kind of felt in the moment with the zooms and the pauses. I think you don’t really get those interesting characteristics when you shoot with a high resolution camera and a whole set up and everything. A small VHS camera we can throw on our shoulder, we can pass it to Mason and he can do some stuff like that so it really provided us with a lot of freedom I would say. Also there is a certain aesthetic to VHS which is good, bad so it allowed us to have fun with it. There were also very calculated elements of this film like it was also really difficult.







ーーCan you talk about the light music choices in the film?


Jack : Those are both LA bands that I know personally. The crazy thing about this script is it was nothing like the edits came together. It was an insane process. We had four different test readings because it such an intense thing. We wanted punk in the beginning. Basement punk is something that exists on VHS that we wanted to recreate it. Prettiest Eyes is actually the real band. That song was probably the most crass song that they had ever created. Then Weyes Blood is a friend of mine who is amazing and you should listen to her music but I wanted something with heart at the end that represented the parents. My whole thought is if you’re committed at this point to the movie, wherever you’re watching it you are going to watch that four minute song. We had four days to mix the whole movie so not the final sound mix whoever is here but we wanted something with heart and there’s an actual original Weyes Blood song called ‘Generation Why’. The lyrics are about filming your life and ruining you life because of it so I thought it was very appropriate. That’s kind of what we went with.


ーーWe would like to know more about Sir handelys plan in real time.


Jack : So there’s this idea about a guy who is super paranoid and has a plan for every single possible way someone could kill him. So one of them was a baseball who was going to kill him, one of them was zombies and they killed him. There’s probably an hour and a half of funny shit we cut out of this movie and my father who plays handely, his plan was to seek revenge but I don’t know the fast forwarding was something I had never seen before so that was a really fun way to bring in the aesthetic of the VHS and also get comedy out of something I had never seen before.


ーーWhat made you want to invest your time in this project?


Kerrie: I didn’t invest money into the project yet. I came on because I was sent this email from my agent that said, ‘There is this project ..’and I think she called him a kid because Nate is a kid. He’s written this really neat short because Painting with Joan was just a short at the time. I thought it was really really funny and really really clever and he said it was only going to take an hour and there were snacks and it was close to my house (laughter). No, I thought it was really different and really clever and he had sent me Hot Winter which I thought was really brilliant. On paper it sounded like ‘Okay, a person from a different generation is going to do this 80s VHS thing and then I saw it and then I was sold.


Jack: Kerrie said that the moment she thought it was funny was when Riko delivers the wood and they kiss really poorly. Am I right?


Kerrie: It was so well done.


Jack: I think that’s the hardest directing I had to do was the porn stuff because it’s so hard to get that right.


Kerrie: I wouldn’t be too proud of that (laughter).


Tim: Painting with Joan was the first film that Jack and I worked together on and I was very interested in putting those limitations on ourselves and we all come from the generation that were just straddling the internet and also this technology that has completely faded from existence. It seemed like an awesome opportunity and it grew from there and to be very connected to it and I am really thankful for this project.


ーーFor the kids, how many of the references did you know and can you talk about Dennis Rodman and the green hair?


Mason: To be completely honest, I did not know any of the references (laughter).


Rahm:I only understood a couple and I knew that Painting with Joan was a kind of Bob Ross kind of thing (Cheers from the crowd). I got the cheesy infomercial reference and that is pretty much it (laughter).


Jack: So the answer for the first question is there is a time machine and you notice that there were aliens. Aliens can travel through time and space. So she went back in time and it happened like that. What happened was kind of the film so that is the story.


ーーHow much did you script and how much did you leave open for improv from the actors?


Jack: Everything funny I wrote (laughter). Everything unfunny I didn’t write. I’m very open on set. I think it’s very important to leave room for improv. I won’t tell you everything but I will tell you that the scene with the dog where he got bullied away from him as a child, I came up with that idea pretty much the day before and I said ‘These two brilliant comedic actors are going to be on the same set in different settings.’ Because we filmed that all on the same day and I gave them that premise and then they improvised the whole fucking thing. Other than that, a lot of our style is film, film, film and then scream out of line. So there is improv and I think that it is the basis of all good comedy, you have to let them play a little bit so we let them play a lot. But again, all of the brilliant comedy is what I wrote and my writing partner wrote the kind of funny stuff (laughter).





Painting with Joan from Jack Henry Robbins on Vimeo.




text Ryoko Kuwahara

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