東京造形大学による、テキスタイル展「これからメイセン -銘仙の源泉と変遷-」東京・南青山のスパイラルガーデンにて開催

NeoL / 2020年3月20日 12時0分

東京造形大学による、テキスタイル展「これからメイセン -銘仙の源泉と変遷-」東京・南青山のスパイラルガーデンにて開催

 


 東京造形大学はメイセンの源泉と変遷を辿りながら、そのこれからの可能性を探る展覧会『これからメイセン −銘仙の源泉と変遷−』を、 3月24日(火)~4月5日(日)まで、 東京・南青山のスパイラルガーデンにて開催。


 大正から昭和初期にかけて、 女性の日常着として一世を風靡した銘仙(めいせん)は日本人の洋装化などにより時代とともにその姿を消していきますが、近年その中心的産地であった伊勢崎では当時の技術とスピリットを、現代によみがえらせる取り組みが行われている。 本展では東京造形大学と下城株式会社による産学連携プロジェクトで制作された「これからメイセン」を、そのルーツにあたる当時の銘仙着物のコレクション、一度は失われた技術を2016年に奇跡的に復活させた「21世紀銘仙」とともにご紹介。


手仕事によって生み出された銘仙、ハイテク化され新しい形で引き継がれるメイセン。時代とともに変化しながら、いつも人々を魅了してやまない銘仙の華麗でポップな世界をお楽しみください。


大正・昭和のファストファッション、 銘仙の魅力


 昭和初期、銀座の街を行き交う女性の二人にひとりは銘仙を身につけていたというほど、空前のブームを引き起こしたという銘仙着物。今回の展示の見どころのひとつは、当時の中心的産地であった伊勢崎銘仙の20点を超えるコレクションが一堂に介することだ。日本独自の美意識がアール・デコなどの欧米の文化の影響を受けながら独自の世界観に発展した銘仙は、大胆に時代の息吹を取り入れた、いわば当時のファストファッションともいえる存在。大正期までに多くみられた縞柄や矢絣などから、次第に昭和にかけて花鳥風月や幾何学、時に建築や飛行機など、多彩で絵画的な図柄が登場していく銘仙には、新しい時代の訪れを謳歌する当時の女性たちの姿を垣間見ることができる。







今回展示される大正から昭和にかけての銘仙コレクション Photo:Hiroka Monden




最新テクノロジーでよみがえるサスティナブルなメイセン


 一方このような銘仙の流行表現を影で支えていたのが、当時北関東に存在した各産地での職人たちによる技術的な挑戦だろう。銘仙は安価な絹糸を当時普及しはじめた化学染料で糸の段階で染め、様々な模様を織り上げていく絹織物ですが、次第に複雑化する図柄の表現を可能にしたのは、版画のように色の数だけ型紙を用い、その位置を合わせながら染め、織り上げるという高度な技術の開発でした。中でも伊勢崎独自の併用絣(へいようがすり)は経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の双方に染を施し複雑な図柄を表現する世界に類をみない技法で、本展ではその工程を紹介する。こうした技術的な支えもあって華やかに花開いた銘仙文化ですが、日本人の洋装化に伴い昭和中期にはほとんど姿を消し、銘仙の技術もその複雑さからいったん途絶えてしまう。


 今回、東京造形大学と下城株式会社による産学連携プロジェクトでは、この銘仙の素晴らしい技術を未来に向けてどう繋げていくかをテーマにテキスタイルの開発を行った。その結果誕生した「これからメイセン」では、ほぐし織りという当時の技法をベースにしながら、現代のテクノロジーを活かして熱転写により経糸に染料を定着させている。通常、染色には大量の水を必要としますが、熱転写では水を使わずに染を施すことが可能で、サスティナブルなこれからの時代のものづくりとしても注目に値する。銘仙が江戸時代に製品にならない二級品の絹糸を、濃い色に染めることで着物に仕立てた太織(ふとり)をルーツに持つことを考えると、資源を無駄なく用いる試みは銘仙がもともと持っていたDNAを受け継ぐものともいえるだろう。


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転写プリントを用いて染めた経糸が張られた織り機




学生のデザインが実現する銘仙の同時代性


 今回、全部で16種の図柄の新しいメイセンが開発されましたが、そのデザインを担当したのはプロジェクトに参加をした東京造形大学の学生たちである。実は当時の銘仙の図柄も現役の美術学校の学⽣たちに描かせていたという記録があり、銘仙の大胆さや流行を素早くと入りいれるフットワークの軽さは、こうした学生たちの若い感性が影響していたのかもしれない。今回のプロジェクトでも当時の銘仙の歴史にならい、時代の動きに敏感な若い世代がデザインを手掛けることで、銘仙の持つ同時代性を意識的に取り⼊れた。


 本展ではこうして誕生した「これからメイセン」を、動きのあるテキスタイルのインスタレーションとして展示をしている。大正から昭和初期にかけて花開いた銘仙の源泉と、そのDNAを受け継ぎながら時代にあわせて進化したメイセンの変遷を、その華やかな世界観とともに楽しめるだろう。







丸山未来《GPS》









中澤桃花《a nameless flower》









関根彩《あめ玉はひかっている》




これからメイセン −銘仙の源泉と変遷-


会期: 2020年3⽉24⽇(⽕)〜4⽉5⽇(日) 入場無料
開場時間: 11:00 ‒ 20:00
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
住所:〒107-0062 東京都港区南⻘⼭5-6-23


出展作家: ⾚塚なつ美  鈴⽊愛加  関根彩  前場穂⼦ 
⽥尾百佳  中澤桃花  丸⼭未来  江原綾乃  鎌⽥未波
軽⽶かおる  ⽩川桃圭  嶽元えみか 橋壁⾥奈 宮⽥真稀池⽥玲  後藤⼤樹


主催: 東京造形大学
協力:下城株式会社 シロテックス株式会社 
21世紀銘仙プロジェクト(杉原みち子 金井珠代 石井広実)
伊勢崎市図書館 いせさき明治館 
会場協力:株式会社ワコールアートセンター
空間構成: Pont design office
テクニカルデザイン:株式会社ノメナ
施工: 株式会社コムラボ
イラストレーション:神田亜美
グラフィックデザイン: LABORATORIES
企画制作: 東京造形大学 テキスタイルデザイン専攻領域(後藤大樹)


問合せ先:東京造形⼤学  TEL:042-637-8111(代)


詳しくは web へ:東京造形大学 https://www.zokei.ac.jp/(3 ⽉上旬情報掲載予定)
スパイラル展覧会ページ https://www.spiral.co.jp/topics/spiral-garden/meisen


○オープニングレセプション中止のお知らせ
3月24日(火)に予定していたオープニングレセプションは、新型コロナウィルスの感染拡大を防止するため中止。なお同日の16―20時、作家は会場に在廊予定。


○ギャラリーツアー中止のお知らせ
3月28日(土)に予定をしていたギャラリーツアーは、新型コロナウィルスの感染拡大を防止するため中止。なお同日の14−17時、作家は会場に在廊予定。



●関連企画:今回の伊勢崎銘仙の関連企画が以下のとおり開催される。
第764回デザインギャラリー1953企画展 「いせさきメイセン ―メイセンは二度死ぬ―」
会期:2月26日(水)〜3月23日(月)最終日午後5時閉場・入場無料
開催時間:松屋銀座の営業時間に準じる http://www.matsuya.com/m_ginza/info/open.html 
会場:松屋銀座7階デザインギャラリー1953 〒104-8130東京都中央区銀座3-6-1
主催:日本デザインコミッティー http://designcommittee.jp
共催:「いせさき銘仙の日」記念イベント実行委員会
展覧会担当:須藤玲子(東京造形大学 名誉教授)
問い合わせ:03-3567-1211 (代表)
*詳しくはwebへ 日本デザインコミッティー http://designcommittee.jp

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