オランダの奇才・ポール・バーホーベンが切り開く新境地
NeoL / 2020年3月25日 12時17分
オランダが生んだ映画監督として有名な1人、ポール・バーホーベン。
1974年アカデミー外国語映画賞にノミネートされた『ルトガー・ハウアー/危険な愛』がきっかけで注目を集め、1977年公開の『女王陛下の戦士』がゴールデングローブ賞にノミネートされるとその人気と評価は世界的なものとなった。その後は、拠点をアメリカに移し『ロボコップ』や『トータル・リコール』、『スターシップ・トゥルーパーズ』といった当時まだ発展途上にあったVFXを巧みに活用したヒット作を次々とリリース。80年代後半から90年代にかけて映画界を席巻した。
その後は、オランダに凱旋。以降は、ナチス占領下のオランダを舞台にした映画『ブラックブック』など、かつてのVFXの手法から距離を置いた作品を制作している。
そんなポールバーホーベン監督が2016年に発表したオランダ映画が『ELLE』だ。
本作は、ある日、自宅で暴漢に襲われ、その記憶に悩まされ続けているゲーム会社の女性CEOが、身近に犯人が存在することに気づき、正体を追い求めるという物語。事件を追求する中で自分自身に潜んでいた欲望や衝動に気がつき思わぬ行動に出る主人公の姿は、道徳や倫理の枠に縛られない奇才・パール・バーホーベンだからこそ提示できる衝撃的なもの。目を背けたくなるほどのバイオレンスでエロティックな映像描写も冴え渡っている。
第74回ゴールデングローブ賞で最優秀主演女優賞と最優秀外国語映画賞を受賞し、第89回アカデミー賞でもイザベル・ユペールが主演女優賞にノミネートされた本作。どうか、覚悟を持って鑑賞を。
『ELLE』
監督: ポール・ヴァーホーヴェン
(131分)
映像特典:予告編集(オリジナル予告編/日本版予告編)
販売元: ギャガ
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https://www.neol.jp/movie-2/
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