Self Isolation Issue: 「思考するという行いも創作の1つ。どんな状態でも愛を持ち続けられるよう、創造し続けたいです 」Kotetsu Nakazato
NeoL / 2020年4月25日 17時0分
フィジカルには距離を置かねばならない現状に際し、アイデアや情報のシェアでポジティヴに自宅での時間に向き合うための「Self Isolation」特集。アーティスト/クリエイターによるいまの状況への向き合い方やオンラインで楽しめる情報などを随時アップデートしていく。
自身のzineや展示、「Neut」などのメディアでの活動などで知られるフォトグラファー、アーティストのKotetsu Nakazato。人といる時間が何より好きだという彼だが、COVID-19が日本で囁かれるようになった頃からいち早く自主隔離を始め、SNSでも愛とユーモアに溢れた注意喚起を行っていた。ドラァグメイクのお披露目やnoteでの作品公開など、時にみんなと触れ合えない寂しさをにじませながらも創作活動に前向きに取り組む様は、不安がのしかかる日常の中で、ヒューマニティとはなにかや人間のあり方についての考察を促してくれる。
ーー新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で生活、クリエイティヴそれぞれの面でどのような影響が出ていますか。
Kotetsu「実家で生活しているので、家族に菌を移さないためにも1日1時間のランニングと食材の買い出し以外では外に出なくなりました。撮影の仕事も4月に入り全て無くなり、今後も活動の再開の見通しは全く立っていません。まあ売れっ子ってわけじゃないから仕事が全然入ってこないときも今までに何回もあったので今の状態には慣れてるっちゃ慣れているんだけど。ただ大好きな友達と会えないのが1番辛いかも」
ーーこの側面で新たに気づいたこと、心がけたいことがあれば教えてください。
Kotetsu「自分は写真だけをやっていきたいわけじゃないってことに改めて気づけました。外出自粛をしている期間、執筆のお仕事を頂いたり、編集のお手伝いをしたりしていて、写真以外の可能性に目を向けています。どれも慣れているものではないからこそ、脳みそを稼働させられてます」
ーー緊急事態宣言への精神的、物理的対応があればお聞かせください。
Kotetsu「自分も含め、今多くの人が不安や絶望を感じて他人にも自分にも優しくする余裕を持ててない気がするんです。こんな時だからこそ大切な人には感謝と愛を伝えていけたらいいなと思って、意識的に愛ある言葉を振りまいてます。(もちろん無理してやってるわけじゃないよ)そしたら自分も相手もその瞬間はあたたかくなるから」
ーーご自身の活動を鑑みて、室内でどのような創作が可能だと思いますか。
Kotetsu「自分の活動を1つに絞っているわけではないので、室内でできる創作を思考しています。この思考するという行いも創作の1つなので」
ーーオンラインの活用方法や1人でもできる施策など、良いアイデアがあればシェアをお願いできますでしょうか。
Kotetsu「韓国ドラマを見まくってます。Netflixで見れる『梨泰院クラス』は韓国のカルチャーシーンが進化しているのを感じられます。見終わったあと(最中もだけど)にスンドゥブチゲが食べたくなって、新大久保に行けない悲しみを感じることになるけど。ずっとパソコンやスマートフォンを見ていると睡眠の質も下がってしまいます。だけどNike Run ClubとNike Trainingというアプリを使ってランニングとワークアウトをすれば、程よく疲れ、しっかり眠れますよ。韓国ドラマを見すぎて「1日を無駄にしちゃった!」と思ってもこれで清算されるんです♡」
ーー新たにチャレンジしてみたいことはありますか。
Kotetsu「現在進行形で、ドラァグクイーンのメイクを頑張ってます。ドラァグは女装ではなく、自分自身の本来の姿や理想の姿を映し出すアートとして僕は行っています。性別や人種、様々なバックボーンによる制限を跳ね除けて作り出すアートに夢中になっています。ドラァグクイーンとして仕事がもらえるようになったら、少しばかり現状に感謝できそう」
ーー事態が好転し、COVID-19が収束したらしたら何をしたいですか。
Kotetsu「濃厚接触しまくりたい。友達と花を持ち寄って春に出来なかった花見がしたいし、デーティングアプリで会った人とデートやセックスもしたい。ドラァグクイーンになってクラブに繰り出すのも楽しみだな。だけど元どおりの世界には決して戻らないから、どんな状態でも愛を持ち続けられるよう、創造し続けたいです」
ーー政府の施策は満足できるものだと思いますか。もしNOであればどのようなことを提案したいですか。
Kotetsu「全然満足できていないし、僕らが望む社会を作り出すはずの政府が、僕らをコントロールするための存在になってしまっている。ネットや署名で批判されないと自分たちの考えが劣っていることに気付けないほど、彼らはこの国に生き、暮らしている僕ら当事者の思いを理解出来ていないんだなと呆れます。ただ僕らがいろんな形で声をあげたからこそ変わった施策などもあるので、引き続き声をあげること、賛成できないものにはNOと言える権利を行使していきましょう。その声をしっかりと引き上げてくれたら、COVID-19が収束したらハグしにいく」
Kotetsu Nakazato
フォトグラファー、アーティスト
IG : kotetsunakazato
https://note.com/kotetsunakazato
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https://www.neol.jp/culture/
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