Self Isolation Issue : 「生きるためには創作活動が必要ですが、今すぐに何かを生みだす必要はありません。今は“新しい自分”を作るための創作活動のプロセスとしています」Interview with Demi Demu

NeoL / 2020年5月4日 17時0分

フィジカルには距離を置かねばならない現状に際し、アイデアや情報のシェアでポジティヴに自宅での時間に向き合うための「Self Isolation」特集。アーティスト／クリエイターによるいまの状況への向き合い方やオンラインで楽しめる情報などを随時アップデートしていく。
ポーランド出身、東京を拠点に各国のブランドやメディアと広く交流を持つスタイリストのDemi Demu。そのオリジナリティあふれる作品の数々を見てわかるように、服の魅力を増幅させるスタイリングはもちろんのこと、その域を超えた世界観の構築まで、常に見るものを刺激するヴィジュアルの送り手として名高い。通常の撮影ができない今も、彼女の想像力、創造する力は常に稼働し、実験を繰り返し、新たな時代に備えている。
（→ in English）

ーー新型コロナウィルス感染症（COVID-19）で生活、クリエイティヴ、ビジネス、それぞれの面でどのような影響が出ていますか。

Demi : 私たちはみんな平等で、等しく脆い存在。ナイーヴに聞こえるかもしれませんが、母なる地球は私たちに警告を出したのだと思います。私たちには選択肢があります。以前と同じように生きるか、または「（地球）全体」の中の一部として機能するために生活を改善し、変更するか。私自身はCOVID-19の収束後に同様の生活に戻ることはないと思い、変化の流れに合わせていく必要性を感じました。
そこで、何が来ても大丈夫なように自分をオープンな状態にし、同時に自分に付属していた様々なものを減らそうと心がけ、タバコをやめることにしました。これは自分にとってかなり大きな出来事です。
私がタバコを吸い始めたのは14歳の時。子供の頃から父親と姉がいつもタバコを吸う姿を見ていたんです。父は強い個性を持っていて自立した芸術家でした。そのため、父がタバコを吸う姿は「クール」という言葉と結びついていたし、自分にとっても性格の一部に結びついたものでした。家にいてストレスのレベルをコントロールすることができる今は、禁煙はより容易です。
また、自分の新しいやり方を明確に定義しようと、「健康的で楽しいライフスタイル」への移行に熱心に取り組んでいるところです。食事や食品の知識の獲得に情熱を燃やし、未加工食品への愛情を育み、自分の食への欲を単純化または浄化し、コストも削減できることに喜びを感じています。ジョギングも始めました。私はランナータイプではありませんが、肺機能が改善され、空気の味が変わるのを感じたかった。夫と一緒に「ボディービルディング」のエクササイズをしますが、これは本気で体を作るためというよりはおふざけのようなものですね（笑）。

創作活動（*仕事関連のプランニングやアドバイスのようなオンラインできるものは含んでいません）に関しては、大部分が保留になったので、日常生活の活動に関心をおき、些細なことに美しさを感じる日々です。
最近、私はいくつかのクリエイティヴ・エクササイズを行ったのですが、このプロセスの間に自分自身を十分に観察できていなかったことに気づきました。何が良くて、何が良くないかーーそれらを集め、ジャッジすることなく、より客観的な視点を持って自分自身を観察することに喜びを見出しました。
生きるためには創作活動が必要ですが、今すぐに何かを生みだす必要はありません。今は“新しい自分”を作るための創作活動のプロセスとしています（…）

ーーこの側面で新たに気づいたこと、心がけたいことがあれば教えてください。

Demi : 現実的な社会ではいかに多くの不要なレイヤーが構築されていたのかに気づきました。それらの人工的な圧力から作られたレイヤーは、本質を見えにくく塞いでしまっていました。東京のような大都市では速度を制御するのは非常に難しいのですが、どれほど「スロー」を楽しめて、「スロー」からどれだけを得ることができるかを実感しています。

ーー緊急事態宣言への精神的、物理的対応があれば聞かせてください。

Demi : 物理的な対応に関してはすでに知られているはずなので、メンタルについて。私はニューロサイエンスと仏教の繋がりについて関心を持っていて、それを発展させているところです。COVID-19の前から瞑想を行っていたのですが、そのおかげで上記に述べたようなことを実現できたと思っています。心と身体をちゃんと繋げてくことは、非常に意識的に行う「1つ」のプロセスになりました。両方が大きな声で必要なものを要求してくるんです。事態が好転して物事が元のスピードに戻っても、瞑想を習慣にして、時間がないという言い訳を作らないようにしたいと思います。

ーーご自身の活動を鑑みて、室内でどのような創作が可能だと思いますか。

Demi : 「通常」の方法を見直して、創造性を訓練すればどんな活動も可能ですし、その可能性は数え切れないほどあります。今は、何かを練習したり、新しいことを学んだり、スキルや知識を向上させる必要性を感じています。チームワークではなく、自分自身の成長の時間ですね。
「身の回り」のものだけを使うことを余儀なくされているのも興味深い。私はポーランドの小さな町で育ち、使えるものがあまりなかったので、リメイクしたり、何か代わりを見つけたりしていたんです。そういう私のルーツもあって、あるものを使わざるを得ない状態を楽しんでいる部分もあります。経済を立ち直らせる必要があるような時には、役立つスキルかもしれません。

ーーオンラインの活用方法や1人でもできる施策など、良いアイデアがあればシェアをお願いできますでしょうか。

Demi : 私の最もおすすめは、楽しいこと、そして学ぶことの喜びに基づいたもの。あなたがいつも学びたかったけれど、そのための時間がなかった何かについて考えてみてください。再び考え、再構築し、その後リラックスする喜びんについて。新しい健康的な習慣を作り、それらを心の中に深く根付かせましょう。先が見えなくても、そこにある贈り物を楽しんでください。

私はいつも日本語を勉強する時間がないと不満を言っていました。極端に短いヴィジュアルメモリーしか持っていないので、今まで改善ができずにいましたが、ゲーム形式の学習言語アプリを教えてもらってから一歩前進したと思います。競争、報酬などという一般的なゲームのルールに基づいているアプリのため、「楽しい」類いのプレッシャーがあります。学位をとるということではありませんが、ようやく漢字に心を開くことができ、新たな興味の種が生まれたのは間違いありません。このアプリは「duolingo」というもので、（私が思うに）ほとんどの言語に適用できます。
また、ポッドキャスト、オーディオブック、ラジオチャンネル、ライブチャットイベントをチェックすることもおすすめします。
私はSNSからはできるだけ離れるようにしていますが、Instagramへの軽度の中毒には苦労させられます。熱中しすぎて、ソーシャルに何かを差し出すことにストレスを感じてしまって。もちろん、友だちや新しい人とつながるのに、より積極的な方法で使用することもできますが、他の選択肢を見つけるのは良いこと！

個人的なおすすめは以下。
•素敵なスピリットーManami Kinoshitaが、SoundCloudのアプリを介して「週末RADIO CLUB」というラジオクラブを始めました。そのラジオクラブからのサウンドは自分の空間に愛をもたらしてくれます。
•ポッドキャストではDean＆Ayesha Sherzaiの「Brain Health＆Beyond」を聞き始めました。私たちの脳がどのように構築されているか、そして私たちがその活動をどのように改善できるかに興味があるなら、ここで良いアドバイスを見つけられるでしょう。
•「Audio Dahrma」というアプリでDahrmaの話も聞いています。お気に入りの先生であるGil Fronsdalの話も聞けるのですが、ユーモアのある彼の話は私にはとても効果的なんです。
•ライブトークに関して、私が見つけた最も興味深いものはBOFのものでした。BOFのウェブサイトでリストを見つけることができ、いくつかのトークを聞くには登録する必要があります。
•もちろんバランスをとるために、純粋なエンタテインメントとしての映画、ドラマシリーズ、チャンネルも視聴しています。私たちはみんな、脳のために楽しみと休息を必要としていますからね。
まだご存じない方は、パフォーマンスグループ「キュピキュピ」の石橋義正が制作した「バミリオン・プレジャー・ナイト」という90年代の日本の番組をYouTubeで観るのもいいかも。非常に美しいヴィジュアルのドラマ「POSE」もNetflixで観ることができます。

ーー新たにチャレンジしてみたいことはありますか。

Demi : 自主隔離が続く場合、自己表現の新しい方法と新しい創造的な手段を見つけたいです。
自主隔離が終了したら、自分で始めたものをより広い空間でやることを検討、挑戦し、これから起こることに適応することに挑戦したいと思います。そして、自主隔離が続くかどうかに関わらず、自分が大切にしていることと共生していき、仕事でも共生を見つけること、困難から良いチャンスを見つけることに挑戦したいです。

ーー事態が好転し、COVID-19が収束したらしたら何をしたいですか。

Demi : ハグ。

ーー政府の施策は満足できるものだと思いますか。もしNOであればどのようなことを提案したいですか。

Demi : 政府は100％正しい対応をできたとは思いませんが、その努力を全く見なかったことにするというのも違うと思います。もっとも難しい問題は、「個人の権利」とは別に、民主主義が何ができるかではないでしょうか。一部の国では、「生命の価値」を「権利の価値」より上に捉え、より深刻なロックダウンを行なっています。
何が正しい答えかは難しいですが、日本政府は決定を躊躇し、国民をかなり混乱させたと思います。オリンピック延期の公式決定後、数字が劇的に変わった悲しい真実。経済活動が私たちの命よりも大切にされているのを目の当たりにした、ちょっとした「目を見開く驚くべき瞬間」でした。その後、国民への支援について議論されたことが旅行クーポン、肉、そして1つの家族につき2つのマスクということから、安心できるような状況ではなく風刺されるような状態になってしまいました。その後に下された決定も、「数歩は遅すぎる」という気持ち。
私は天皇側からのアクションも少し期待していました。日本には強制的に家にいなくてはいけないという法律はなく、首相は「丁寧にお願いする」ことしかできないので、政治的な立場ではなく、誰もが最も尊敬する人が自分で考えて行動を起こし、人々に家にいるように頼むとしたら、それは他国と同じ強力でいて、最も穏やかな力を発することができるのではないかと思ったんです。

Magdalena Demukai aka Demi Demu
Stylist

URL: https://demidemu.com
IG : demidemu

ーーHow has the spread of coronavirus effect your lifestyle and creative activities?

Demi : We stand all equal and equally fragile.However naive it may sound, mama earth gave us a warning.And we have a choice - either live our lives exactly the same way, or make individual changes which can improve the work of us as “a whole".
Because I believe that after the dust of coronavirus drops down, nothing will ever be the same, I had a need to go with the flow of changes.
I opened my self up for a feeling of being able to adjust into anything that may come,
at the same time I wanted to reduce attachments.
I stopped smoking and it is quite a big deal.
I started when I was 14 and and since I was a child I had seen my father and after, my older sister always with a cigarette.
My father was a strong individual and artist,
so I had associated it with the word “cool” and my personality grew fully bonded with this addiction..
I know it is easier now, when I'm at home and the level of stress still can be controlled.
To define it more as my new way, I’m moving deeper into the 'healthy fun type of lifestyle’.
I fire up my passion in diet and food knowledge, growing an affection toward unprocessed foods and pleasure in simplifying / purifying the needs and reducing the costs.
And same as many, I started jogging and I'm not a runner type of person,
but I wanted to feel my lungs improving and the air tastes differently now.
I also do the "bodybuilding" exercises with my husband but it's more for laughs rather than seriously shaping the body !

In terms of creative activities (*not counting those connected with work which I could still do via online like planning and advising), most I have put on hold, turning my main attention towards the daily life activities, at the beauty of the smallest things.
Recently I did make some creative exercises and I have noticed a bigger distance in observing myself during this process.
What is good and what is not..
I have found joy in observing myself with this gathered, less judgmental and more objective point of view.
I need creative activities to live but for this time, it does not need to be necessarily something that comes instantly. I kind of changed the creative activities into one creative process of making a new me (…)

ーーDo you have anything you realized and want to keep in mind from now on going through this situation ?

Demi : I have realized the many unnecessary layers that social reality is building on us.
Those layers barricade the essence.
They are made from pressure, which is artificial.
It is very difficult to control the speed in such a big city like Tokyo, but I’ve realized how much I enjoy ‘slow’ and how much you can get from 'slow'.

ーーHow are you preparing yourself mentally and physically towards the lockdown（緊急事態宣言）?

Demi : The physical side you know already ;
And about the mental, I continue and develop my interests in the connection between neuroscience and buddhist.
I was practicing meditation already before the coronavirus attack and I guess it was the main reason why I could experience all those things I have mentioned earlier.
Mind and body connection started to become a very conscious ‘one’ process.
They both request their requirements more loudly to me now.
I want to make meditation a habit, not finding all those excuses of not having time, when hopefully things will come back to more usual speed.

ーーIn light of your own activities, what kind of indoor creation is possible?

Demi : Retrained from 'the usual' way, any activity which can train creativity is possible, and in those the possibilities are uncountable.
At the moment, I feel a need for some kind of practice, learning new or improving some skill or knowledge.
As you are restrained from team work, it is a moment of our own growth.
But what is interesting is being forced to use only what is ‘around’.
This way, it is related to my roots so a part of me enjoys it.
Because I grew up in a small city in Poland,
I was forced to remake and figure out the alternatives as there was not much available.
I feel it might be a good skill, in the time when the economy will need to get back on its feet.

ーーIf you have any recommendations or ideas on how to use online applications efficiently or any measures that one can take themselves, please share them with us.

Demi : My most recommend system will be the one based on a part of fun & pleasure with a part of some study.
Think of something that you always wanted to learn but you never had time for it.
Re-think, re-build and have a pleasure of relax after.
Make new healthier habits, set them deeply in your mind.
Enjoy present, even if the future is not known.

I was always complaining about not having time to study Japanese, and because I have visual memory only, which is extremely short, until this moment I could not make a visible improvement.
But I was introduced to the study language apps in game form and I think I took a step forward.
Being based on typical game rules like competing, getting rewarded etc., it’s giving me more of a "fun" type of pressure.
It's not about becoming a scholar, but I definitely observed that my mind finally has opened up to kanji and it put some seed of new interest into it too.
The app is called "duolingo" and it offers most ( I think ) most possible languages.
Also I will recommend checking some podcasts, audio books or radio channels and live chats events.
Trying to stay away as much as possible from the Social media apps.
I'm struggling with a small addiction from Instagram and I have noticed that many times I get too involved, it gave me some stress in proving things to social ..
Of course it can be used in a more positive way in connecting with friends or new people too, but it's good to find other alternatives !

From personal recommendations,
• A lovely spirit - Manami Kinoshita started to play a radio club via the SoundCloud app as "週末RADIO CLUB". So you can bring some love by sounds into your space.
• From the Podcasts, at the moment I started listening to "Brain Health & Beyond" by Dean & Ayesha Sherzai. If you are interested in how our brains are constructed and how we can improve it's activity, you can find good advice from those two.
• I also listen to dahrma talks via App "Audio Dahrma" which include my favourite teacher - Gil Fronsdal his talks with a touch of humor is the one which works on me most efficiently.
•As for Live talks, the most interesting one I found was via BOF. You can find the list on their website and for some of them you need to register.
• And of course to make a proper balance, I watch pure entertainment movies, series or channels as we all need fun and rest for the brain.
If you don't know it yet, I would recommend the 90s Japanese program called "Vermilion Pleasure Night" by Yoshimasa Ishibashi from Kyupi Kyupi available on Youtube.
Also visually aesthetic - drama called “POSE” available via Netflix !

ーーDo you have anything you want to challenge yourself on?

Demi : > If the Self Isolation will continue, I want to find a new way for self-expression and a new creative medium.
> If the Self Isolation will finish, I want to challenge myself with transferring what I have started in myself into the wider considered space, adjusting into what ever will happen.
> No matter if the Self Isolation will continue or not,I want to find a symbiosis in the matters I value, together with my work, finding opportunities in the difficulties.

ーーAfter the coronavirus converges and the situation gets better, what would you like to do?

Demi : Hugs.

ーーDo you agree with the measures taken by the government? If not, what other measures would you recommend taking?

Demi : I think the government did not do 100% correct,But I didn’t want to put myself in a position of a person who don’t see their efforts.The main difficulty is what democracy can bring, apart of “our individual rights”.Some of the countries choose a 'life value' upon 'the rights value'.They lockdown people with more serious restrictions.
It's hard to point out what is the right answer, but the decisions of the Japanese government seemed to be hesitant and fairly confusing for people.
The sad truth when the numbers changed drastically after the official decision of postponing the Olympics.
It was a bit ‘eye opening moment’, in seeing that the economy is valued more than our lives.
After, instead of staid decisions, a moment of satire came from debating support to people via travel coupons, meat and two masks per one family.
All the next decisions which came after were in a feeling of “a few steps too late"...
What I was dreaming to see a little, in fact was an action from the Emperor side.
I understood that in Japan there is no law to force people to stay at home and our Prime Minister could only "ask politely”, so I felt that if the person who is not taking any political side, but to whom everyone have the biggest respects, is taking an action by his own heart, asking people to stay at home - it could have the same powerful force as in other countries.
But it would be the most gentle power (…)

Magdalena Demukai aka Demi Demu
Stylist

URL: https://demidemu.com
IG : demidemu