「育児休暇から復職したら」

NewsCafe / 2013年5月3日 15時0分

いよいよゴールデンウイークも後半戦である。知り合いの女性も昼間は託児所に預けている子供と里帰りでくつろいでいることと思う。彼女は会社の制度を利用して9時~3時の変則勤務である。3時は「託児所からの子供のピックアップ」のためである。ビジネス経験の豊かなベテラン女性であり、周囲の同僚の理解もあり…で上手にビジネスと家庭生活を両立させているようである。ここ20年余り「産前産後休暇の取得・育児休暇の取得・育児のための変則勤務の取得」は制度の後押しもあり「世間的な常識」となったのは大いなる進歩である。2011年度の雇用均等基本調査によると「女性の育児休業取得率は87.8%」に達して、過去3番目に高い取得率となったようである。

識者は『女性の育児休業取得が高まるのは歓迎したいところだが復職後のトラブルも目立つ。その典型が「戻ってきたら閑職に異動させられた」というケースである。育児介護休業法では「育児休業を取得した社員に対する不利益な取り扱いを禁止」している。不利益な扱いとは「解雇する事・契約の更新をしないこと・著しい労働契約の内容変更の強要・本人の意思に反した労働時間の短縮を行う事・減給や賞与のカットを行う事・昇進や昇格の人事考課での差別・不利益な配置転換…」などを言うのである。育児休業から復帰した社員が「それを理由に不利益な配置転換」を命じられたら、社員はそれを拒否することが可能である。人事権は経営側に認められている権利であり「人事異動そのものは禁止されていない」のである。復職後の人事異動が不利益にあたるかどうかは、社員が受ける不利益の程度と、配置転換を行う合理性のバランスを見て判断されることになる。総じて「一般的に不利益と見なされやすい」のは、賃金その他の労働条件が著しく変化した場合である。たとえば育児休業前は役職者であった社員が復帰後に役職から外されれば、合理性のある人事異動とは見なされにくい。また、これまで正社員であった人をパートに転換させることも合理性があるとはいえない。異動によって通勤時間が大幅に延びた場合も、不利益な異動と判断される可能性がある。たとえば子どもの保育園の送り迎えが可能かどうか、またその代替手段があるかどうかを確認せずに遠方の事業所に配置転換すれば、会社側が配慮を怠ったと見なされる。

2009年の育児介護休業法改正により「企業は3歳未満の子どもを養育する従業員について、従業員が希望すれば利用できる短時間勤務制度を設けること」が義務づけられた。短時間勤務制度は、1日の労働時間が原則6時間。勤務時間が短くなれば、それに応じて賃金も引き下げられる。もちろんこの制度を会社側から強要するのはアウト。本人が望まないのに勤務時間を短縮させたら不利益な取り扱いにあたる。もし不利益な取り扱いを受けたと感じたら、各都道府県労働局に設置されている雇用均等室に相談すると良い。会社に何らかの法違反があれば、指導を実施。労働基準監督署ほどの強制力はないが、自分で会社と直接交渉するより、ずっと効果的』と言う。働きながら育児をする女性への助言である…。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]

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