「母系社会?」のネーミング

NewsCafe / 2013年5月17日 15時0分

警視庁(東京都を管轄)は母の日の5月12日に「公募していた振り込め詐欺の新たな手口に対応する新名称」の最優秀作品に「母さん助けて詐欺」を選んだと発表した。余りの愚作に「母の日のジョーク」と思った人も多いと思う。佳作は「偽電話詐欺・親心利用詐欺」と言う事である。固定電話や携帯電話をツールとした詐欺事件のネーミングは「オレオレ詐欺・振り込め詐欺・母さん助けて詐欺」の3本立てとなるのである。公募には14000余りの応募があり「絞り込んだネーミングを高齢者にアンケートして選んだ」と言う事である。

10年ほど前の「息子や孫を装い電話で現金を振り込ませるオレオレ詐欺」と言う手口から、最近では振り込め以外にも手口が多様化し「直接現金を受け取ると言う手口が過半」となったので「新ネーミング」となったわけである。『都内でのこの種の犯罪は拡大の一途である。今年1~4月の初性件数は前年同期間比380件余り増の840件余・被害金額は10億円余増の22億3000万円余・被害額は過去最悪。現金を直接手渡すと言う手口で1件当たりの金額が増加したためであり、1000万円以上の被害が200件余』と言う事である。

最近では詐欺グループを助ける様々な「道具調達や役割組織」があると言われており、さらに携帯電話会社の「プリペード携帯の購入審査の甘さ」も指摘されているのである。いずれにしろ、この種の犯罪は「親心をつく」と言う卑劣な犯罪であり、孫の世代の「ゲーム感覚犯罪」とも見て取れるのである。特に「孫の世代が老人をだます」と言う点で言語道断と思うのであるが、この新しいネーミングが犯罪防止につながれば…と思うのである。

しかし広告関係の識者は『大体有識者や関係者が候補を選び・アンケートで「これが良い」と選んだネーミングは「安全・平凡」ではやらないのが通例である。「国電をE電と読み替えた」のが典型例である。まさか「母の日に発表」と言うので「母さん助けて詐欺」でウケを狙ったわけではないのだろうが…。被害者は何も母さんだけではない。被害対象を固定化することで共感も減るし「冗長なネーミング」でパンチにも欠ける。ネーミングの普及には費用が掛かる。新聞報道の見出しの「母さん助けて詐欺」は想像しにくいのである。いずれにしろ「思い入れ先行で切れ味の悪いネーミングは、普及にコストがかかる」のである』と言う。

警視庁は14000も応募があったので気を良くしているが…。「日本は母系社会と言われ、母親の子に対する思いは強い」と言われる。母の日の発表と言う事で「嫌味な批判」もこれくらいで…。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]

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