「国民の管理」がスタート

NewsCafe / 2013年6月1日 19時30分

関東でも例年より10日あまりも早い「梅雨入り」である。今年の梅雨はパターンで言うと「暴れ梅雨」と言う見立てである。さて「国民一人一人に固有の番号をふり、所得や社会保障などの個人情報を管理しよう」と言う「共通番号制度=マイナンバー制度」が参議院を通過し、いよいよ2016年からの実施で動き出した。共通番号制度は『税務署・自治体・年金機構…などの行政機関が個別に管理している個人情報をITネットワークでつなぎ「行政機関が番号を使って必要な情報を随時取り出せる」と言う仕組み』である。

ここ10年余り歴代政府が導入を狙って来たが、その都度「正確な社会保障の給付の為に必要と言うが、」結局は増税の道具・いい加減な管理で情報が漏洩する危険性が高い」と論議が紛糾し見送られてきたものである。その「いわくつきの法案」が簡単に議会を通過したのには「どんな政権でも国民の所得を完全に把握し、税を取り立てたい」と言う共通の誘惑があるからである。

識者は『税をごまかす…はどんな国の国民にも共通にある心理である。ギリシャは「脱税額のほうが国の正規税収より多い」と言う極端な例である。日本でも「正確に収入が補足され、キチンと納税をしているのはサラリーマンだけ」と言う現実がある。この意味では「共通番号制度による正確な収入の把握」は国として必要と思う。問題はITネットワークの脆弱さによる情報のハッキングと年金問題の時も問題になった「管理する公務員による故意の情報漏洩」である』と言う。

報道によると「この制度で行政機関が管理できる個人情報は90を超す」とみられている。大きなところでは「税務署に申告した給料や納税額・所有不動産の広さや評価額や固定資産税・年金の保険料や給付状況・介護保険のデーター・診療を受けた慰労機関や医療費・失業保険の給付データー」などである。細かいところでは「児童手当の支給データー・母子手帳の交付・生活保護のデーター・奨学金の給付データー・身障者手帳の交付データー…」など実に細部にわたるのである。当然これらのデーターの中には「住民票・運転免許所・健康保険証・年金手帳・クレジットカード・預金通帳の番号…」が含まれるものと思われる。ここまで個人の情報が集約され・国によって管理される社会は「完全に個人のIDが管理された「息苦しい社会」をテーマとしたハリウッド映画の未来社会と同じ」である。やはり問題になるのは「個人情報の保護」である。

原発問題ではないが「政府の言う事・やることの信頼度」が極めて低い状況では「幾ら政府が言っても…」である。共通番号制度の基本の精神を「社会保障番号」に置くべきと思うのである。識者は『いかにもなれなれしい「マイナンバーと言うネーミング」もいかがかと思う。「取り易いところから税を取るため・福祉の費用は厳しく査定するため」と言う本音が見える制度では「国民の賛成」は得られない。導入の具体論が大切と思う』と言う。信頼される制度への論議をキチンとやってもらいたいものである。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]

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