【解説】「退職エントリ」の作法

NewsCafe / 2014年1月24日 15時0分

はや1月も下旬である。「大学3年生を対象とした企業の説明会」も本格化し、電車の中にも「没個性の就活ルックの学生」を見かけるようになってきている。「慌てて茶髪を黒く染め直した就活女子も多い」と聞く。「みなと同じだと合格できると思っているのか?」と変な感じがするのである。そして2月~3月に入ると「転勤の挨拶・会社が変わったとの挨拶」が増えてくる。昔はハガキや手紙だったが最近はほとんどが「BCCのメール」である。なんだか味気ないが「昨今では退社願い・届けもメール・ついに会社に現れず」もいると聞くから…転勤や再就職の挨拶がメールと言うのも不思議ではないのだろう。

フェイスブック友達の中には「やめました…と嬉しそうに書いてくる女性」もいる。今や「離婚も転職も珍しくない世の中」である。サバサバしていて…と思うのである。幸いフェイスブックで「別れました」がないだけ「良」とするべきなのだろう。

最近気になるのは「退職に至るまでの経緯や理由・在職中のエピソード・社名…を明記した無邪気なブログ」が多い事である。こうした記事や記述は「退職エントリ」と呼ばれる様である。その人が関わった業務内容や会社の雰囲気など「外からは見えない企業の内部の様子をうかがい知ることができる」ので興味深いが「待遇への不満などのネガティブな情報が含まれていること」もあり会社の内部事情を一方的に書くことへの批判がないわけではない様である。こういった「退職エントリ」が、法的に問題となることはあるのだろうか・どのようなことに注意すべきだろうか。

労働問題にくわしい畏友は『会社の就業規則や入社・退職時の誓約書等で「従業員の秘密保持義務」が定められていれば、退職後も会社の情報について秘密保持義務を負う場合がある。この場合、秘密保持の対象となる会社の情報をブログに書き込むと「秘密保持義務違反」となる。秘密保持義務の範囲は「就業規則や誓約書等で定められている」ので一概にはいえないが「進行中のプロジェクト・取引先の情報・個人情報については秘密保持義務の対象となっている場合が多い」のでブログには記載しないほうがよい。

さらに気をつけるべき点が「名誉毀損」である。「特定の会社の社会的な評価・評判を下げる事実(または意見・論評)を含む表現をブログに書き込む行為」は「民事上の不法行為(民法709条)に該当しうる違法な行為」となるのである。事実を指摘する表現の場合には、(1)その事実が公共の利害に関する事実であること(2)その表現が会社に対する攻撃目的等ではなく専ら公益を図る目的でなされたこと(3)その事実が真実であること(4)表現者がその事実を真実と信じるに足りる相当な理由がある場合は違法性がなくなる。

元従業員が書いた退職エントリ程度で名誉毀損とは「ものものしい気」もするが「インターネットが普及し・ブログやSNS等で個人が情報を発信できる時代」となった現在では、個人が行った名誉毀損も問題とされやすい時代になっている』と警告している。退職するには「それなりの理由」がある。一時の感情で「この野郎・この際…」はスマート(利口)ではないと言う事である。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]

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