発信力だけでは優勢にはならない? ネット選挙と都知事選

NewsCafe / 2014年1月29日 15時0分

猪瀬直樹・前東京都知事の辞職に伴う都知事選挙(2月9日)は選挙戦のまっただ中です。公職選挙法の改正によるネット選挙が解禁されて初めての都知事選挙です。各種世論調査では、舛添要一・元厚生労働大臣が一歩リードをしています。その後を細川護煕・元首相が追い、その後を宇都宮健児・前日本弁護士連合会会長や、田母神俊雄・元航空幕僚長が続いている、との結果が報道されています。ただ、一部では、細川氏が優勢とも言われています。

その一方で、この4人の候補のTwitterでの発信力は、田母神氏がリード。宇都宮氏が続いています。舛添氏や細川氏は告知が中心となり、つぶやきの数が少ないとされています。ネット選挙といっても、ネットでの発信力と、有権者が投票先に選ぶかどうかは一致していないようですね。

もちろん、公職選挙法でネット選挙が解禁されたといっても、ネットで投票ができるわけではありません。候補者が自らの公式サイトやTwitterなどを更新できるようになっただけです。そのため、告示後も、ネットでの戦略ができるようになりました。毎日新聞が立命館大学と共同で行なった研究によると、「ネット上の知名度も、メディアで取り上げられる回数などネット以外での知名度に大きく影響されている」としています。つまり、ネットでの議論や話題が、リアルにも影響するのではなく、リアルな議論や話題がネットに影響している、ということなのでしょう。

いわゆるインディーズ候補の人たちの「話題力」は興味深いと思っていたのですが、発明家のドクター中松氏や、IT会社役員の家入一真氏の「話題力」が、主要4候補を下回ったのは、やはり、そうしたことを反映しているのではないかと思われます。ネット戦略中心に行なっているだけでは、インディーズ候補も話題にならないばかりか、得票も得られないことになります。

そうした「話題」の中で、細川氏を支持する小泉純一郎・元総理のTwitterがなりすましかどうかが話題になりました。Twitter社は本人確認をしたとしていましたが、のちに削除されました。今はまた復活しているようです。それにしても、誰を選んでもいいのかいまだにわからない私ですが、候補者の考えで誰が一番近いのかがわかる毎日新聞の「えらぼーと」でも、細川氏が「無回答」の部分が多すぎるために、数値が低くなります。

今週は細川氏の陣営で内紛があったのではないか、との話が流れています。もちろん、こうした内紛の情報はどこまでが真実かはわかりません。誹謗中傷の一貫ではないかとも考えられます。たとえば、舛添氏支持の鳩山邦夫・元総務大臣は公式ホームページとFacebookで「細川陣営は左翼志向の強いメンバーに占拠され、私の元秘書たちは居場所を失ったそうです。良かった。良かった。これですっきりしたという気持ちです」(1月27日)と書いています。これもネット戦略の一形態なのでしょう。

今回は、討論なき都知事選挙になっています。青年会議所主催のものを細川氏が「単独のものを優先」との理由で事実上断りました。また日本記者クラブの共同記者会見については細川氏が「日程上の都合」を理由にしたことで中止となりました。しかし、ようやく2月1日に、主要4候補によるネット討論会が開かれることになったのです。ニコニコ生放送とUstreamで配信されます。Yahoo!やドワンゴ、サイバーエイジェントなどが主催です。細川氏がネット戦略を変えたのかもしれません。

[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]

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