同級生殺害事件から10年

NewsCafe / 2014年6月4日 15時0分

佐世保・同級生殺害事件から10年が経ちました。2004年6月11日、長崎県佐世保市の大久保小学校で、6年生の御手洗怜美さん(当時12歳)が同じ学級の少女にカッターナイフを使って殺害されたのです。インターネットの日記サイトを小学生も書いていることが話題となりましたし、そのサイトでのトラブルが原因か?とも言われたことを記憶しています。この事件から私たちは何を学ぶことができたのでしょうか。



この事件では、被害者となった御手洗怜美さんが毎日新聞佐世保支局長・御手洗恭二さんの娘だったことも注目される一因でした。被害者の親となった記者は、記者会見に臨み、心境を話すことになったからです。いつもは伝える側ですが、一転して、伝えられる側となったのです。記者としてどう振る舞えばいいのかは悩みどころです。少年事件のため、加害者の情報はほとんど入らないからです。

そもそも何がトラブルの原因なのかも曖昧でした。事件当初は、日記サイトで交流していたことから、ネットでのトラブルが原因か?とする報道もありました。もちろん、ネットだけのトラブルで殺害までいくことはありません。日常の中に事件の根は隠されていました。とはいえ、命を奪うほどのトラブルだったのかはいまだにわかりません。

ただ、この事件は一つ示唆したものがあります。それは身近な人のネットトラブルについてです。この事件まで、ネット・コミュニケーションについて、文部科学省は「見知らぬネットの相手に気をつけよう」とのトラブル防止策が中心でした。しかし、この事件で「身近な人とのネットトラブル」がクローズアップされたのです。ネットでトラブルが起き、怒りの感情が出た場合、身近な人のほうが怒りの感情が継続するといった調査結果もこのころ出ました。

ネットの中でのトラブルがネットで完結する場合、二度とそのトラブルの相手と交流しなければ、怒りの感情は次第に薄らいでいくことでしょう。もちろん、実名や実住所を知っていれば別ですが、ハンドルネーム(ネット上で使う匿名のこと)だけの交流であれば、トラブルの相手と接しなければいいのです。しかし、身近な友だちであれば、ネットでのトラブルは、日常生活まで継続してしまう可能性があります。だとすれば、怒りの感情が続いてしまうのです。

朝日新聞(5月31日)には、元同級生のインタビューが掲載されていました。

「彼女は(送致先の児童自立支援)施設から出たそうですが、どこで暮らしているかは知りません。いま、幸せなのか苦しんでいるのか分からないけど、「ちゃんと反省してる?」って聞きたい。いくら反省しても御手洗さんは戻らない。でも、せめて毎日思い出して手を合わせていてほしい」

事件が同級生同士を引き裂き、お互いの感情を知ることはありません。「修復的司法」という言葉もあります。当事者同士が話すことがケアになるといった考え方ですが、日本ではそうした法整備はなされていません。

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