志田未来の狂気の表情にゾクッ…闇深き『美食探偵』の奥深さ

dwango.jp news / 2020年5月26日 19時0分

切ないだけで終わればよかったんですけどね…


中村倫也が主演を務めるドラマ『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系・日曜よる10時30分~)は第6話まで放送したところで放送を中断、24日から特別編の放送が始まった。(特別編は3週にわたって放送)


特別編では、もともとHuluで各話本編終了後に配信されていた地上波未放送のオリジナルストーリーを放送。美食探偵・明智五郎が挑む事件の裏側を少しだけ覗き見ることが出来る「マル秘裏メニュー」として供されていたアナザーストーリーは、各話15分弱。第一弾はその2本立てで、そこに明智(中村倫也)のナビゲートや本編のダイジェストを加えながら、またしてもあっという間の1時間を作り上げた。


コロナウィルスの影響を受け急遽放送されることとなった“特別編”だったが、「裏側を細かく知れて面白い」「なんで本筋に入ってないんだって内容」「ドラマに深みが増す」と、視聴者の満足度は高かったようだ。なかでも、志田未来が迫真の演技で見せる茜の“闇深さ”は、視聴者に強烈な余韻を残したのではないだろうか。(以下、ネタバレあり)


冒頭は、「ものすごーーーーーい長い台詞」と注目された明智(中村倫也)によるナビゲートから。


黒バックで一人椅子に腰かけ「こんばんは、わたくし明智五郎と申します~」と視聴者に優しく語りかける。“長い台詞”とは感じないほど、すぅーっと美食探偵の世界へ誘い「VTRスタート」。Huluで既に観ていたという視聴者にも、新たに収録された明智のナビゲートは嬉しいもの。この状況下において工夫され作られたシーンに「感謝しかない」「スペシャル感あって嬉しい」と称賛の声が上がった。


オリジナルストーリー1本目は、明智の少年時代のエピソード。

可愛すぎる明智少年と祖父・五十六(坂本あきら)の微笑ましいやりとりにほっこり。しかし『美食探偵』らしく“叶わなかった約束”という切なさもしっかり含まれる。


「美味しいものは高いか安いかなんて関係ない。一流の料理人は自分の舌で見つけるんだ」と、街の精肉店のコロッケを食べさせた“じいじ”。その教えは、苺(小芝風花)が作るちくわの磯部揚げを「悪くない」(明智の最上の誉め言葉)と評す明智の言葉に反映されている。

磯部揚げを「あの日食べたコロッケみたいな優しい味」と感じた明智。背景を知ることで、ただ「美味しい」というだけではない「悪くない」の奥行きを感じることができる。



そして2本目は、殺人鬼マリア(小池栄子)の最初のファミリーとなった“林檎”こと茜(志田未来)の生い立ちに迫るエピソード。苺(小芝風花)のナレーションとともに本編のダイジェスト映像で事件の概要が伝えられていったが、すっとBGMがなくなった瞬間、一気に本編に引き込まれていく。


第2話本編では、「私のおじいちゃんが作った林檎の、私と同じ名前のりんごで作った、お母さんが教えてくれたジャムを…その女が食べてた」「愛してたから、殺した。」と、彼を殺害しようとした動機について話した茜(志田未来)。切ない涙に視聴者は「涙が止まらない」と感情移入したのだが、その奥には、視聴者も「怖すぎ」「闇が深い」とゾッとするエピソードが隠されていた。

「私は母親似なんかじゃない」。茜が写真立てに入れて飾っている母との写真。その下にはもう一枚、母親と男が写る写真が。男の顔は黒マジックで塗りつぶされている。そして思い出したのが18年前の出来事だ。


木から落ちたキズ物のりんごでジャムを作る母親と幼い茜。

母:お料理は愛を込めてつくるのが大切なんだよ。
茜:愛ってなに?
母:え…?そうね。お母さんは、茜のこと愛してるわ。

突然泣き崩れる母を茜が気遣うと、母は「やめて!!!!!」と突き放す。「あ…ごめんね、茜。愛って難しいから」我に返った母は、父親を愛していたと告げた。


茜の顔は、母を捨てた父によく似ていた。急に色を失った目で、母は鍋からあつあつのジャムをスプーンにたっぷりすくって、「ほら、味見してみて」と茜に差し出した。まだ幼い茜は「うん!」と口にする…。


大人になった茜は、わざとだと気づいている。むしろその気持ちを痛いほど理解している。しかし「傷ついて終わるのは嫌」。魔女になると心に決め、ぐつぐつと煮えたぎるジャムの鍋を見つめる茜(志田未来)は、ゾッとするほど恐ろしく、狂気に満ちた表情をしていた。


第2話の本編で、苺(小芝風花)が茜に「お母さんだって、人を殺すためにジャムの作り方教えたんじゃないでしょ!」と訴えかけた場面で、驚くほど茜は激昂した。その奥にある感情はこのエピソードを知ることで輪郭がはっきりする。母と同じ道を辿った自分が、魔女になると決めた覚悟は相当なもの。本編最後に、警察に連行される茜が見せた冷めた表情も、この闇の深さから来ていたのだろうと想像させる。


サイドストーリーも本編同様の豪華キャストが重厚な芝居を見せ、本編での表情や言葉に、さらなる説得力を持たせる。これだけの内容は、演技派のキャストでなければ表現しえなかったのかも…とふと思ってしまう。


「撮影が止まったお陰でいいものが見られた」という声まで聞かれた特別編。次週は、“シェフ”(武田真治)と“れいぞう子”(仲里依紗)のサイドストーリーが放送される。


■『美食探偵 明智五郎』

2020年4月期日曜ドラマ  毎週日曜22:30~23:25

原作「美食探偵-明智五郎-」東村アキコ(集英社「ココハナ」連載) Ⓒ東村アキコ/集英社
ⒸNTV

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