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ケニア襲撃事件のお粗末な「真相」

ニューズウィーク日本版 / 2013年10月15日 15時27分

 人質を取って立て籠もった武装勢力の制圧は困難を極めたが、治安部隊が4日目に建物に突入。最大15人ほどのテロリストは市民61人を殺害した後、追い詰められて放火し、建物の一部が崩落した──。これが先月、ケニアの首都ナイロビのショッピングモールを隣国ソマリアのイスラム過激派アルシャバブが襲撃した事件の「公式」な説明だ。

 だが実態はかなり違ったようだ。当局は数カ月前から寄せられていたテロ情報を見逃しており、襲撃犯の数はわずか4人だった可能性もある。正規の治安部隊は何時間も現場に現れず、非番の警官が自警団らと協力して市民の救出に当たった。

 建物を制圧した治安部隊は店内の商品を略奪し、バーでビールをあおっていた。建物の支柱をロケット弾で破壊して建物を崩壊させたのも彼らだ。瓦礫の下には、行方不明の39人が埋まっているかもしれない。

 ケニア政府は犯人グループのうち5人を殺害したとしているが、遺体は見つかっていない。脱出に成功した市民からは、一般人の服を着た襲撃犯が群衆に紛れて逃げたとの証言も出ている。建物の地下駐車場から近くの川に下水管が通じているため、そこから逃亡した可能性もある。

[2013.10.15号掲載]
トリスタン・マコネル

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