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NHKは受信料をやめて「視聴料」にすればスマートTVになれる - 池田信夫 エコノMIX異論正論

ニューズウィーク日本版 / 2013年12月10日 15時0分

 他方、NHKがお手本とするイギリスのBBCは、2007年からすべての番組をネット同時配信するサービス、iPlayerをスタートし、月間2億回以上もアクセスされるヨーロッパ最大の人気サイトになった。NHKオンデマンドと違うのは、BBCがiPlayerをテレビと同格の基幹サービスと位置づけていることだ。

 BBCは「受信ライセンス料」の支払いを受信者に義務づけ、払わなかったら罰金を取られる。ライセンス料にはテレビ・ラジオとインターネットが含まれるので、料金を払っている人にとってはiPlayerは実質的に無料放送である。

 実はNHKも、このようにテレビと一体化して受信料でネット放送をしたかったのだが、民放連が「民業圧迫だ」と反対したため、総務省が待ったをかけた。オンデマンドは放送法で「その他の業務」に分類され、法的根拠のない「業務基準」によって独立採算が義務づけられ、売り上げも年間40億円以内に制限された。

 オンデマンドをテレビと一体化して有料放送にすれば、NHKの収入は一時的には減るかも知れないが、料金徴収のための営業総局は必要なくなり、技術部門はほとんどネット企業に外注できる。誰が見ているかが技術的にわかる現代には、見てない人からも取る受信料制度は非効率で不公平だ。

 それより大事なのは、インターネットを使えば、誰がいつ見たかという「ビッグデータ」が取れる(B-CASでも仕様を変更すればできる)ことだ。もちろんプライバシーには配慮する必要があるが、視聴者の好みを反映して「マイNHK」をつくるなど、番組をカスタマイズしたり双方向にしたりするスマートTVができるのだ。

このためには受信料制度を廃止し、インターネット中心の視聴料制度に変える必要がある。BBCのようにインフラ部門を売却し、コンテンツに特化してネットで世界展開すれば、NHKは「クールジャパン」を世界に売り込む尖兵になるかも知れない。

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