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サウディアラビア:捨てられた同盟国が取る道 - 酒井啓子 中東徒然日記

ニューズウィーク日本版 / 2013年12月11日 12時29分

 アメリカが頼るに値しないので他の超大国に代理依存しよう、という流れの一方で、域外大国に頼れなければ自分たちでなんとかしなきゃ、と考えるのも道理かもしれない。先月から今月初めにかけて、湾岸諸国とイランの間の行き来がかまびすしい。まずUAEがイランに外相を派遣し、それに応えるかたちでイランのザリーフ外相が、カタール、クウェイト、オマーンを訪問した。この時、サウディアラビアは訪問先には入っていなかった。おやこれは、サウディの同盟国(というより、子分?)すらも親分を見限る事態というわけか? 先週末にはバハレーンでサウディアラビアを含めた湾岸諸国の、安全保障、外交などの専門家、政府高官が集まって協議がおこなわれたが、こちらにはイランの元核開発問題協議責任者であるムーサヴィアンが参加している。彼はアフマディネジャード時代にスパイ容疑で逮捕されるなどした結果、今はアメリカで客員教授を務める人物だ。政府とも政府と距離を置いたものとも、とにかくイランとパイプをつながなきゃ、とのムードが、湾岸アラブ諸国の間に広がっている。

 同盟国を見捨てるアメリカ、という図式は、どこかに重なって見えないだろうか。サウディのイラつきが強まるごとに、他人事とは思えない不安感が漂ってくる。




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