米経済「危機は去った」のまやかし
ニューズウィーク日本版 / 2014年2月4日 17時30分
厳しい状況が続いていたアメリカの労働市場にとって、昨年は一見、明るい1年だったように思える。1月に8%近かった失業率は、12月には6.7%に低下。通年で220万人分の雇用が新たに創出された。
ただし手放しで喜ぶのは早い。雇用情勢が最も急速に改善したのは、小売りやサービス業など低賃金の仕事が多いセクターだった。しかも、そうした業界での実質賃金は低下している。
米投資銀行ウェストウッド・キャピタルが1月に発表したリポートによれば、昨年、賃金が低い業界における雇用の伸びは賃金が高い業界の2倍以上に達し、新規雇用の54%を占めた。しかも、賃金が高い業界では実質賃金が0.26%増加したが、賃金が低い業界の実質賃金は0.22%減少したという。
通常、景気後退期の後にはまず低賃金の仕事が増え、しばらくして高賃金の雇用も増え始める。だがウェストウッド・キャピタル幹部のダニエル・アルパートによれば、「経済危機から5年目の今も、雇用創出の状況は不況後1年目の状態に近い」という。「長期的な景気低迷の様相を呈している」
[2014.2. 4号掲載]
アナ・バーナセク
この記事に関連するニュース
-
「利上げすると住宅ローン金利が~」と騒いではいけない…パックン&エミンが利上げは必須と口を揃える理由
プレジデントオンライン / 2024年7月4日 17時15分
-
米雇用市場が強いって、本当ですか? 6月米雇用統計 詳細レポート
トウシル / 2024年7月3日 14時20分
-
ドル円快調!38年ぶりの円安記録をまた更新 今週は一気に165円台か?
トウシル / 2024年7月2日 9時57分
-
もはや日本は「景気後退」に入ったかもしれない 「インフレで売上増」のバイアスも消えてきた
東洋経済オンライン / 2024年6月21日 9時0分
-
先進国は“利下げ”モードも、日本だけは…日銀を“利上げ”に駆り立てる「唯一の理由」【ストラテジストが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月17日 9時45分
ランキング
-
1旅客機用の燃料不足で緊急対策 輸送船を増強、運転手確保へ
共同通信 / 2024年7月16日 23時42分
-
2CoCo壱「わずか3年で3回目の値上げ」は吉と出るか 過去の値上げでは「客離れ」は見られないが…
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 17時30分
-
3大谷翔平の新居「晒すメディア」なぜ叩かれるのか スターや芸能人の個人情報への向き合い方の変遷
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 20時40分
-
4工学系出身者が「先進国最低レベル」日本の"暗雲" エンジニアを育てられない国が抱える大問題
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 17時0分
-
5「日本でしか手に入らない」カレーパン、なぜ外国人観光客に人気? チーズ入りカレーパンに「私の心臓は高鳴った」【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月15日 22時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください