タイの反政府デモ隊に思わぬ「援軍」
ニューズウィーク日本版 / 2014年2月19日 14時49分
反政府デモで混迷を深めるタイ。今月初めの総選挙では、反政府派の妨害活動により投票が行えなかった選挙区が続出した。そのため下院開会に必要な議席が確保できず、選挙管理委員会は再選挙を検討。さらに中央銀行は先週、政情不安で今年のGDP成長率が一層下がりかねないと警告した。
こうした混乱を収拾できないインラック政権に追い打ちを掛けるような事態が起きている。政権の支持基盤である農家からの批判が噴出し始めたのだ。
理由は、インラック政権が人気取りのため11年に始めた「コメの買い上げ制度」で、農家への支払いが滞っていること。政府が高値でコメを買い取って輸出に回していたが、国際価格より割高なために大量の在庫と損失が発生。コメ代金の不払いが続いていた。
これに怒った農家がついに先週、抗議行動に出た。反政府デモと合流する動きもみられ、打倒インラックの意外な戦力が登場した格好だ。
まさに自分で自分の首を絞めたインラック。このまま混乱が続けば、いよいよ軍のお出ましかもしれない。
[2014.2.18号掲載]
前川祐補(本誌記者)
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