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悪性インフレで「貧困と格差の時代」がやってくる - 池田信夫 エコノMIX異論正論

ニューズウィーク日本版 / 2014年4月16日 15時49分

 しかし、いま生じている世代間格差は生まれた時期による無意味な格差で、しかも働く人から働かない年金生活者に所得を移転するものだ。さらにエネルギー政策に無策の安倍政権が、民主党政権の反原発政策を転換できず、貧困層に電気代で「課税」している。

 エネルギーも社会保障も、政治的には厄介な問題である。原発の再稼動には反対派が多く、自民党内でも異論が強い。社会保障に至っては、与野党一致して今の制度を変える気がない。投票する人の過半数が60歳以上だからである。

 党内基盤の弱い安倍首相は、こういう困難な問題を避けて、憲法改正や集団的自衛権などに熱心だ。そんな彼が「私は規制の岩盤に穴をあけるドリルになる」などといっても、失笑を買うだけだ。閣議決定もいらない原発再稼動のできない首相が、膨大な法改正の必要な規制改革特区なんかできるはずがない――官僚はみんなそう思っているから動かない。

 日本は成長の時代から停滞の時代へ、そしてこれからは貧困と格差の時代に入ってゆく。それは経済が成熟するにつれて、ある程度は避けられないことだが、わざわざ「輪転機ぐるぐる」で悪性インフレを増幅するアベノミクスは、貧しい人をますます貧しくする政策である。

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