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進化するバーチャル・アシスタントとの付き合い方 - 瀧口範子 @シリコンバレーJournal

ニューズウィーク日本版 / 2014年5月27日 15時23分

 そうすると懸念されるのが、いつものことながらプライバシー問題である。だが、今回はちょっと様子が異なる。というのも、バーチャル・アシスタント時代はプライバシー情報にこだわるかどうかは、自分の生産性に大きく影響を与えるからだ。

 フェイスブックなど、これまでのインターネット・サービスでは、もしプライバシー情報を収集されるのが嫌ならば、使わなくてもさほどの支障はなかった。もちろん友達と楽しい情報は共有できないし、ソーシャル・ネットワークの常連ではないから、そこでの存在感は薄くなるだろう。だが、それが自分の実生活へ及ぼす影響はごく限られたものであったはずだ。

 ところが、バーチャル・アシスタントは違う。自分の予定、コンタクト先、現在位置、購買歴、好み、家族といったパーソナルな情報をバーチャル・アシスタントに注ぎ込めば注ぎ込むほど、アシスタント機能は高まる。そして、自分がひとつひとつ操作しなくても、バーチャル・アシスタントが先を読んでめんどうなことをやってくれるのだ。買物を忘れたり、アポに遅れたり、道に迷ったりすることはなくなる。仕事の予定まで組み立ててくれるようになるだろう。

 アシスタントは、使えば使うほどに頭も良くなる。したがって、自分のことをよく知る優れたバーチャル・アシスタントを育てているかどうかが、現実的な時間や手間の面で日常生活や仕事の効率性に直結してくるのだ。

 AIは人間的な脳を持った機能と言われるが、本当のAIは人間と「一緒に」働いてこそ最大の能力を発揮する。その意味で、AIとバーチャル・アシスタントは、パーソナル情報という自分の半分をすっかり預けなければならない時代の到来を物語っているのだ。




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