「シリア帰り」の若者が欧州を脅かす

ニューズウィーク日本版 / 2014年6月26日 14時33分

 シリアのアサド政権と戦う反体制派に共感し、欧州からシリアに向かうイスラム教徒の若者が後を絶たない。ドイツ内務省の情報機関によれば、その数はドイツだけでおよそ320人、欧州全体で2000人に上るという。

 恐ろしいのは、シリアで大量殺戮のスキルを習得した若者たちが欧州に戻ってテロを企てることだ。ドイツのデメジエール内相は、彼らの存在はもはや「漠然とした危険」ではなく「具体的かつ致命的な危険」になっていると警告。キャメロン英首相も、イギリスの安全保障にとって最大の脅威はイラクとシリアで戦う欧州出身者たちだと語っている。

 だが欧州社会で疎外感を抱き、過激な思想に傾倒する若者を止める有効な手だては見つかっていない。ネット上ではイスラム過激派がシリアの戦況を逐一報告し、戦闘員を募集している。

 5月には、ベルギーの首都ブリュッセルのユダヤ博物館でフランス人の男が銃を乱射し、4人を死亡させる事件も起きた。男は今春まで数カ月間シリアに滞在し、イスラム武装勢力の戦闘に加わっていたとみられる。

[2014.7. 1号掲載]
アリシア・ペレス

ニューズウィーク日本版

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