アップルが大量の新規採用を始めた狙い
ニューズウィーク日本版 / 2014年7月2日 15時38分
アップルが大きな動きを見せている。
6月30日にネット上で大量の販売員募集を始めたのだ。IT系ニュースサイトのビジネス・インサイダーなどに販売員の募集広告を載せている。
この募集は、アップルが9月に発売するとみられているスマホ、iPhone 6の発売時期と完全にマッチしているようにもみえる。販売が急拡大するのを見込んで、新規スタッフが必要と睨んだのだろう。募集内容は、パートタイムの販売スペシャリストから店舗のマネージャーまで幅広い。
長年アップル製品を受託生産する台湾の富士康(フォックスコン)も、iPhone 6の生産需要が高まると見て、6月末に10万人を新規採用した。台湾の経済日報は先週、労働力は特に中国本土で10%近く増加したと報じている。
こうした大量採用は、フォックスコンとアップルがiPhone 6は人気商品になると自信をもっていることを示している。現行のiPhone 5は、13年9月に発売されたときには、初日だけで275万台を売り上げたと言われ、セールスの新記録を樹立、また販売から3日で900万台という新記録も達成した。iPhone 6も後に続くとなれば、フォックスコンは需要を満たすために新たな労働力が必要になるだろう。
iWatchの販売を見据えた動きか
関係筋によれば、スタッフが採用から実際に勤務を始めるまでには1カ月以上かかるとみる。発売まであと2カ月の今、アップルの新しいスタッフは新スマホ発売の数週間前に売り場に登場することになるだろう。アップルの広報担当者は新規募集やウェブの募集広告についてはノーコメントだ。
アップルは、新製品の発売や休暇シーズンのタイミングで週約22時間勤務のパートタイムの販売スペシャリストの採用を開始することで知られる。ただし繁忙期が過ぎれば勤務時間がどんどん減らされるとの批判もあるが。
アップルの新製品発売は通常、iPhone発売を発売する9月に始まり、iPadを発売する11月のクリスマスの休暇中に終わる。ただティム・クックCEOは随分前から人々が腕時計型端末iWatchだと予測している「新たな商品ライン」の発売も示唆しており、大量採用はiWatchのためでもあるのではないかと見る専門家もいる。
キャメロン・フーラー
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