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それでもフリーランス記者は紛争地へ向かう

ニューズウィーク日本版 / 2014年9月3日 17時24分

「編集サイドは危険地帯からのリポートを望むが、対価は払いたがらない」とピーターは言う。「国際報道のビジネスモデルの一部が、記事を世に送り出したいがために自腹で前線へ飛び込み危険を冒すフリーランスに依存していると思うしかない」

 一部の報道機関は競合相手への「相乗り」さえ試みることもある。既に別の報道機関から記事を頼まれているジャーナリストに仕事を依頼するのだ。「同業者はみんな経験している」とピーターは嘆く。「『イラクにいるなら、うちにも書いてよ』なんてしょっちゅうだ。まるで私がバグダッドでぶらぶらしているかのように」

 シリアが危険なのは周知の事実だから、フォーリーの死によってジャーナリストの足が今以上に遠ざかることはないとピーターはみている。それでも報道機関は戦地を取材する記者の安全対策を万全にすべきだ。

「『これをしろ、あれはするな』と言ってくれる専門のアドバイザーがいるのは、CNNやBBCといった大手だけ」と、ピーターは言う。「たいていは記者の自己判断に委ねられる。だからフォーリーも自分で考えて行動するしかなかったんだ」

[2014.9. 2号掲載]
クリストファー・ザラ


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