分離独立運動は「内乱」なのか? - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
ニューズウィーク日本版 / 2014年9月16日 11時42分
その国連監視の下で住民投票などが行われ、その結果として独立が承認されて、その新国家を承認する国が出てくれば、国際法上は独立が確定し、元の国の国家主権はその地域には及ばなくなります。東ティモールのケースがいい例です。
「内乱罪」とか「自衛隊の投入」というのは、あくまで、その地域の多数の民意を獲得しないままに、暴力を行使して地域の住民の平穏な生活を乱すような場合に限ると思います。
それはともかく、沖縄に関しては1969年から本格化したアメリカと日本による沖縄返還交渉の経緯が現在のあらゆる問題の原点であると思います。この「沖縄返還交渉」では、沖縄に米軍基地を残すとして「核抜き、本土並み」という条件が保証できるか日米には大きな隔たりがあり、また基地を残す形での返還には、沖縄だけでなく本土の若者の中にも強硬な反対論がありました。
ですが、当時の琉球政府の屋良朝苗主席は、それでも本土復帰を再優先の悲願として一貫した姿勢を見せました。その背後には、沖縄の人々の「自分たちは日本人であるから、一日も早く祖国に復帰したい」という揺るがぬ民意があったのだと思います。この「独立問題」に関しては、つねにその原点に戻っての議論が必要であると思います。
いずれにしても、今回のスコットランドの住民投票は、怒号が飛び交うわけでも、軍隊が出動するわけでもない、もちろん国連の監視団などは必要としない、静かな、そして深い「スコットランドというコミュニティのアイデンティティーの確認作業」として整然と行われるようです。そのこと自体は敬意を払って見つめていきたいと思います。
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