中国政府、露骨過ぎる香港介入の理由
ニューズウィーク日本版 / 2014年9月16日 17時41分
1997年、香港返還時に中国が約束した「民主選挙」は風前のともしびだ。当時の約束では、2017年の香港特別行政区の行政長官選挙で普通選挙を実施することになっていた。
だが中国全人代常務委員会の先月末の発表では、誰でも投票できる普通選挙は認めるものの、立候補者は「指名委員会」の過半数の支持を得た2〜3人に絞られる。委員会の多くは親中派の香港財界人で占められ、民主派の立候補は事実上不可能だ。
民主派団体「オキュパイ・セントラル(中環占拠)」はこれに反発し数千人規模の抗議デモを行った。民主選挙が認められなければ、金融街を人で埋め尽くす抗議行動を行うと宣言した。
返還以来「一国二制度」を尊重してきた中国政府が露骨に香港に介入した背景には、中国の成長とともに金融ハブ・香港の存在意義が薄れ、これまでのように配慮する必要がなくなったという現実がある。
中国のGDPに占める香港の比率は返還時の15.6%から2.9%へと縮小し、中国共産党は公然と、金融ハブ機能を上海に集約する意向を示している。
大陸も香港には手を出さない、という希望は幻想だったのか。
[2014.9.16号掲載]
マット・スキヤベンザ
この記事に関連するニュース
-
「当たり前の権利行使が犯罪に」苦悩深める香港出身の民主活動家 民主派45人に実刑
産経ニュース / 2024年11月20日 18時6分
-
香港民主派指導者ら45人に禁錮4~10年…国安法違反判決、活動に決定的な打撃
読売新聞 / 2024年11月20日 6時53分
-
香港民主派45人に量刑言い渡し 国安法違反最大の裁判 「主犯格」戴氏に禁錮10年
産経ニュース / 2024年11月19日 21時24分
-
民主派に最高禁錮10年=政権転覆共謀、45人に量刑―香港
時事通信 / 2024年11月19日 14時57分
-
香港、民主派45人に最高10年の禁錮刑 議会選巡る国安法違反で
ロイター / 2024年11月19日 14時30分
ランキング
-
1露、ウクライナに発射の中距離弾道ミサイルを「量産化」 プーチン氏、迎撃は不可能と強調
産経ニュース / 2024年11月23日 20時2分
-
2佐渡金山追悼式に不参加=生稲政務官の靖国参拝問題視か―韓国
時事通信 / 2024年11月23日 19時29分
-
3ハンガリー首相、ネタニヤフ氏を招待 ICC逮捕状を無視
AFPBB News / 2024年11月23日 13時54分
-
4日本軍の集団強姦で賠償を フィリピンの被害女性らが訴え
共同通信 / 2024年11月23日 20時24分
-
5NATO総長、トランプ氏と会談=「世界的な安保問題」協議
時事通信 / 2024年11月23日 20時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください