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原油安はエコカー神話の終わりの始まり?

ニューズウィーク日本版 / 2014年12月10日 15時8分

 米電気自動車メーカー、テスラモーターズの株価下落が止まらない。7日連続の下落に続いて8日目も10ドル以上値を下げた。ノルウェーでテスラのリコール騒ぎが起きているが、アナリストの懸念は別のところにある。テスラの過大な売上予測と、原油安で高級電気自動車の需要が先細りになるというウォール街の見通しだ。

 テスラの株価は、9月の最高値から25%以上も下落している。今月9日までの7日間では14%の下げ幅を記録した。あまりにも急激な下がり方に、専門家の間からはテスラの長期の業績見通しが甘すぎたのではないかという声が出ている。

 同時にテスラの売上不振も明らかになった。電気自動車関連のニュースサイト「InsideEVs」によると、高級セダンタイプの「モデルS」は先月1200台売れたが、9月に比べると販売台数は減少した(テスラは他の自動車メーカーと違って月間の販売台数を公表していない)。原油価格が5年ぶりの安値を付ける中で、消費者が自動車に求めるものが変化しているという見方もある。

「この原油安で、『普通のガソリン車を買ったほうがトクだ』と考える」と、香港の証券アナリスト、オーレ・ホイは話している。「電気自動車に乗り換える動機は弱くなった」

 その一方で、テスラ製の7万5000ドルから10万ドルもする高級車の購入を考える富裕層はガソリン代のことは心配していない、という見方もある。むしろテスラのカリフォルニア州にある工場だけでは世界中からの注文に対応しきれないため、売上が一時的に落ちている可能性もある。

「自動車購入の際に消費者がガソリン代を計算しているとは思わない。性能や信頼性、ブランドで買う人の方が多い」と投資アナリストのベン・カロはブルームバーグの取材に答えている。「最近の原油安で電気自動車の需要が低迷するとうい懸念があるが、電気自動車の購買層は原油価格の変動から解放されるという長期的な利点に注目している」

 だがテスラは、原油価格の変動以外にも問題を抱えている。ノルウェーで販売した「モデルS」のドライブトレイン(動力をエンジンからタイヤに伝えるシステム)にトラブルが見つかったため、1000台をリコールしているのだ。交換用の部品を現地に送り、修理担当者を増員して対応する。

ジェフ・ストーン

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