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チキンレースに賭けたOPECの大誤算

ニューズウィーク日本版 / 2014年12月17日 15時54分



 OPECは価格低下により、シェールオイルの生産が停止に追い込まれることを期待している。この戦略にとって重要なのは損益分岐点価格ではなく、操業停止点価格だ。

 86年の原油値崩れの後、アメリカの何カ所かの露天採掘油田(変動費が高くつく)は閉鎖に追い込まれた。しかし、それによる供給減はわずかだった。OPECの主要な標的だった北海油田はほとんど影響を受けず、むしろ87年には生産が増えた。

 現在のシェールオイルの操業停止点価格が1バレル40ドルをかなり下回ることはほぼ確実だ。価格が低水準で推移しても、既存のシェールオイル生産施設がすぐに閉鎖に追い込まれるようなことはまずない。

 原油価格が変動費に近づき、シェールオイルの操業続行が危うくなるにしても、それ以前にOPECが価格破壊におじけづくだろう。その段階で減産に踏み切っても、間に合うかどうかは保証の限りではない。

[2014.12.16号掲載]
ポール・スティーブンズ(英王立国際問題研究所フェロー)


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