安倍首相の米議会演説に期待できる内容とは? - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
ニューズウィーク日本版 / 2015年2月24日 17時29分
というのは、アベノミクスの「第一の矢」である流動性供給、そして「第二の矢」である景気刺激のための公共投資に関しては、どちらも共和党の根本方針である「小さな政府論」の立場からは、認められない考え方だからです。
イデオロギー的に認められない政策を出動させ、しかも異次元緩和の「バズーカ」まで日銀に打たせ、禁じ手であるはずの「為替操作」に近い自国通貨の価値毀損をやって、「それでも実体経済の戻りが遅い」ということですと、共和党の議員団は、安倍政権に対して冷淡になってもおかしくありません。
そこで必要になるのが、改革をしっかり進めること、つまりより高付加価値型の産業にシフトすること、競争力を喪失した産業に関してはスクラップ・アンド・ビルドをしっかり行うこと、労働時間の短縮を含むオフィスワークの生産性向上を行うこと、海外からの投資や企業活動の進出にあたっての規制や障壁を除くこと、といった「目に見える」そして「経済成長に直結する」改革を進めているという姿を見せることです。
仮に安倍首相の「米議会演説」が実現した場合、実はこの点が一番神経を使う点だと思います。一方で、歴史認識に関しては表現上の選択の余地はほとんどありません。テロ対策に関しても実現可能なことは限られており、従って言及できることは限られていると思います。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
「最も優秀」な投資家=財務長官指名のベッセント氏―次期米政権
時事通信 / 2024年11月23日 16時42分
-
第二次トランプ政権はどこへ向かうのか?
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月7日 21時20分
-
米大統領選はトランプ氏圧勝。「祝福」を送った中国政府が抱く三つの意図とは?
トウシル / 2024年11月7日 18時0分
-
【歴史的大接戦】アメリカ大統領選挙の結果がもたらすもの…外交・経済など日本や静岡への影響は?専門家に聞く
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年11月6日 17時25分
-
日本の安倍政権と同様に、トランプを支えるのは生活に余裕がある「保守浮動票」
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月30日 10時30分
ランキング
-
1中国・35人死亡の車暴走事件 私たちを取り囲み、映像を消せと迫った謎の「市民」たち
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月24日 7時30分
-
2北朝鮮に石油を大量供給か ロシア、国連制裁違反の疑い
共同通信 / 2024年11月23日 18時11分
-
3アングル:またトランプ氏を過小評価、米世論調査の解けない謎
ロイター / 2024年11月24日 7時53分
-
4ウクライナ侵攻参加で借金帳消し ロシア、兵員確保の一環
共同通信 / 2024年11月24日 9時6分
-
5フランス外相がウクライナに供与の長距離巡航ミサイル「スカルプ」でのロシア領内攻撃を容認
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月24日 8時8分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください