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偽アップルウオッチが占う中国での本物人気

ニューズウィーク日本版 / 2015年3月24日 18時58分

 アップルウオッチ・クローンの襲撃だ。アップルが4月24日に発売する腕時計型ウエアラブル端末「アップルウオッチ」をお披露目してから24時間もたたないうちに、中国のサイトはコピー商品であふれ返った。

 中国の電子商取引最大手アリババ・グループのサイト「淘宝(タオパオ)網(ワン)」にも、本物そっくりの腕時計型端末が並ぶ。「Dウオッチ」「GT08」「LQ03インテリジェント・ウエアラブル・ブレスレット」のほか「iウオッチ」まである。

 価格は本物の349〜1万7000ドルに対し、コピー商品は100ドルを大きく下回り、安いものは30ドルで手に入る。見た目はほぼ同じで、時計の竜頭でズームやアプリの操作に使う「デジタルクラウン」も付いている。

 一方で、コピー商品はOSにアンドロイドを搭載し、多くはiOS機器ともアンドロイド機器とも互換性がある。タッチスクリーンではない廉価版もあれば、ブルートゥースや携帯電話の接続端子、ヘッドホンの差し込み口など機能満載の商品も。インスタントメッセンジャーでチャットができるものもある。

 もっともこれらは、中国市場では「偽物アップル製品の最新版」にすぎない。iPodの人気が高まったときもコピー商品が次々に登場し、包装まで本物そっくりだった。iPhone6は昨年9月の発売前に、流出した情報を基にコピー商品が出回った。

コピーのスペシャリスト

 中国市場に早くもアップルウオッチのコピー商品があふれていることは、アップルにとって良い兆しでもある。コピー商品の人気は売り上げを落ち込ませるよりむしろ、新製品の需要を予測する有力な目安となるのだ。実際、iPhone6が正式に発売されると、それまで出回っていたコピー商品に代わって本物が爆発的に売れた。

 眼鏡型端末のグーグルグラスや、サムスンの腕時計型端末ギャラクシー・ギアも発売前から話題になり、コピー商品が次々に登場すると思われた。しかし広東省深圳の電気街のある店主は昨年、CNNの取材に次のように語っている。「(ギャラクシー・)ギアの偽物はこの町で見たことがない。本物もあまり売れないね」

 政府はネットに氾濫するコピー商品の取り締まりに乗り出しているが、中国には偽物文化が深く根付いている。建造物やデザイナー商品の偽物は至る所にあり、偽の卒業証書まである。その中で最も進化しているのが電化製品の偽物だ。

 アップルウオッチのコピー商品の多くは、深圳で製造される。業者は需要を見越して、いち早く偽物を作る。地元の腕時計型端末メーカー、オメートのローラン・ルペンCEOは、「彼らが市場にコピー商品を出すスピードは驚異的だ」と言う。

 アップルはコピー商品にひるむことなく、中国市場に攻勢をかけている。1月後半から6週間で6店舗をオープン。来年半ばまでに現在の21店舗を2倍近くに増やす計画で、台頭する中国の中流層にアップルのブランドを売り込んでいる。

 同社にとって中国は最大の市場ではないが、売り上げに大きく貢献している。14年10〜12月の四半期決算で、中国の売上高は161億ドル。前年同期比で70%増だった。コピー商品は今回も福を運んでくるだろうか。

[2015.3.24号掲載]
ルーク・ビラパズ、ミシェル・フロルクルス

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