日本の地方自治に「対立軸」は成立しないのか? - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
ニューズウィーク日本版 / 2015年4月21日 11時14分
6番目としては、今後その地方がどんな産業を中核としていくのかという問題があります。工場を誘致するのか、農業の競争力に注力するのか、あるいは都市からの通勤圏として宅地化を進めるのかといった問題です。
7番目としては都市計画の問題で、「コンパクトシティ」を土地の買い上げまでして進めるのか、あるいは「ライトレール」などの公的交通機関をどうするのかといった争点は、しっかりと選挙の際の対立軸にすべきと思うのです。
8番目以降には、イデオロギー的な特色を地方自治に入れるのかどうかということも、全く無視は出来ないと思います。そうした色彩が求心力になり、人口を集めることができれば、それはそれで地方の生き残りにはなるからです。選択肢としては、環境、営利企業に対する態度(敵視かフレンドリーか)、教育などの問題があると思います。
いずれにしても、日本の地方行政は、明らかな岐路に立っており、選択を迫られる状況となっています。そのような中で、選挙という「意志決定のインフラ」を使って、大きな問題の決定に住民の参加を促すことは、これまで以上に重要になっているはずです。
にも関わらず、地方選挙が全般的に低調だというのは、大きな問題だと思います。実務的に「選択することに意味のある」複数の「実行可能な対立軸」を設定して、地方自治の再生を図ることは急務であると思います。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
パレスチナ各組織、統一政府樹立で合意 北京で会談=中国メディア
ロイター / 2024年7月23日 17時45分
-
【どうなる日本の少子化対策?】今の施策は十分だと思いますか?Surfvoteで意見を募集しました
PR TIMES / 2024年7月18日 10時45分
-
「18歳まで医療費タダ」に厚労省が猛反発…泉房穂・前明石市長の「異次元の子育て支援」が受けた理不尽な仕打ち
プレジデントオンライン / 2024年7月11日 8時15分
-
【都知事選、本当の争点】⑧ 石丸さん、政治改革を進める本気で既得権を破壊できるか?
Japan In-depth / 2024年7月5日 15時11分
-
なぜ東京都知事選では政策が重要視されないのか 日本における「東京の真の役割」とは何なのか
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 21時30分
ランキング
-
1銃撃現場で「再び集会を開く」 トランプ氏投稿、時期言及せず
共同通信 / 2024年7月27日 8時4分
-
2黒人生徒を「奴隷オークション」、南ア学校で人種差別的いじめか
AFPBB News / 2024年7月27日 11時7分
-
3パリ五輪開会式の五輪旗の掲揚で〝ミス〟 上下逆に「恥ずかしい瞬間生み出した」
産経ニュース / 2024年7月27日 14時45分
-
4佐渡金山、世界遺産に登録決定 強制労働主張の韓国同意
共同通信 / 2024年7月27日 14時40分
-
5パリ五輪開会式成功も戦争の影落とす イスラエル選手団にブーイング、テロにおびえる市民
産経ニュース / 2024年7月27日 11時29分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)