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依然として止まらない米警官による黒人殺害事件 - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代

ニューズウィーク日本版 / 2015年4月28日 10時39分

 この「白人警官による黒人不審死」ですが、ミズーリ州ファーガソンでは、マイケル・ブラウン事件への抗議行動の暴徒化があり、一方でニューヨーク市のクイーンズ区では、ガーナー事件への「報復」としか思えない2人の警官射殺事件があり、これに対する市警察サイドの抗議行動があり、という具合に昨年は大変な社会問題となりました。

 ファーガソンでの暴徒化を抑えられなかったことも契機となって、6年以上にわたって司法長官を務めたエリック・ホルダー氏が辞任するなど、オバマ政権にとっても一連の事件は重荷としてのしかかっています。

 ホルダー長官辞任を受けて、ロレッタ・リンチ氏が初の黒人女性司法長官に就任しましたが、これはオバマ政権として「リベラルな人事」をアピールするためでも何でもなく、ここまで「もつれた」白人警官と黒人コミュニティの相互不信を解決するには、黒人で女性、しかも仕事のできるリンチ氏のような人物に期待するしかないのだろうと思います。

 就任早々、大変な任務を背負ったリンチ司法長官ですが、何とかこうした「暴力と不信の連鎖」を解決してほしいという期待が集まっています。そのためにも、ボルチモアの事件の真相解明が一刻も早く進まなくてはなりません。

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