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アジアンマネーを背景に、活況を呈するハワイの不動産市場

ニューズウィーク日本版 / 2015年5月15日 11時45分

アジアンマネーを背景に、活況を呈するハワイの不動産市場

大規模コンドミニアムの開発が進むマウイ島カパルア

大手デベロッパーによる大規模コンドミニアムの新築ラッシュが続く

 日本人の海外旅行先として定番的な人気を誇るハワイ。別荘地として、またいつかは住んでみたいという移住先としての人気もあり、以前から日本人のハワイの不動産、特にコンドミニアムに対する注目度は高い。ハワイのコンドミニアムが人気な理由は、リゾート地としてのロケーションが素晴らしいことはもちろんだが、資産としても安定しているからだ。

 その背景にあるのは、島であるがゆえに開発できる土地が限られ、新築物件が発生することがほとんどないため、中古の不動産市場が確立されていること。不動産取引されるうちの約7割が中古物件といわれ、築30年や築40年のコンドミニアムはごく普通に流通している。そして、築年数の古い物件であっても、日本の不動産事情では考えられないほどの高値がついている。売り出し中の物件は多いが、売却する際にも比較的短期間で買い手が見つかる傾向にあり、需要と供給のバランスが崩れにくいことが、ハワイの不動産マーケットが安定している要因になっている。

 しかし、そのような状況も変わりつつある。2012年にアメリカの大手不動産デベロッパーのハワードヒューズコーポレーション(HHC)がハワイに進出。ホノルルのアラモアナショッピングセンター直結のコンドミニアムを手がけ、現在カカアコ地区でも2016年完成予定のコンドミニアム2棟を建設中だ。ともに日本でも販売され、日本人のハワイの不動産に対する関心の高さを改めてアピールした。この地区ではさらに多数のコンドミニアムの建設が計画され、最終的には22棟が建つ予定だ。

 HHCに続いて、他の不動産デベロッパーもハワイの高級コンドミニアム開発に乗り出しており、ワイキキでは2016〜17年頃に「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキ・ビーチ」が誕生する。最近ではマウイ島のカパルアに「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス カパルア」のリノベーション計画も発表された。美しいビーチに隣接した約6万6000坪もの広大な敷地には107のレジデンスを中心に、ホテルやレストラン、プール、テニスコートなどの施設が点在。今年1月に販売価格約8300万円〜約3億4500万円*で売りに出されたところ、初日に半数以上が予約済みとなった。その多くはアジアからの顧客に販売されたという。

 近年、アジアの富裕層の投資先が欧米の不動産にも向けられており、今後ハワイの新築コンドミニアムはますます人気になることが予想される。豊富な中古物件に新規建設中のものも合わせたハワイにおけるコンドミニアムのマーケットが、アジアンマネーの受け皿としてさらに活況を呈していきそうだ。

*2015年5月8日の為替レート換算による

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