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伊勢志摩サミット、首脳のパートナーの「外交」に何を求めるか - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代

ニューズウィーク日本版 / 2015年6月10日 11時42分

 また「真珠」については、日本国内では「宝飾品の中では地味で清潔」なイメージがあるかもしれませんが、国際社会では「日本の真珠は高品質で贅沢」という印象があります。特に志摩地方発祥のミキモト真珠は、最高級という評価を確立してしまっています。

 現在の国際社会は、全体としても、またG7各国の国内問題としても、格差の問題は極めて重要です。首脳外交も、首脳パートナーの外交も、その問題に対して意識的であるべきで、そのような世相の中で、「真珠の紹介」というようなイベントを大々的に行うのは適当ではないと思います。

 そうではなくて、伊勢志摩を中心としたエリアであれば、何よりも1959年の「伊勢湾台風」から、2011年の「12号台風」にいたる自然災害の経験に基づいて防災や減災の取り組みをしてきた実績があると思います。そうした点にスポットを当てるとか、過疎高齢化の中でのコミュニティ活性化の取り組み、あるいは三重県としては外国人労働者の問題など、G7各国に共通の課題を抱える中、様々な社会的メッセージを発信することは可能だと思うのです。

 とにかく、洞爺湖や横浜の失敗を繰り返してはいけないと思います。経済効果をという地元の期待は分かるのですが、今回からは「社会的なメッセージを発信するパートナー外交」をキチンとやってもらいたいと思います。

 今回のドイツでのサミットは、バイエルン州のエルマウ城という高級リゾートで行われ、アルペンホルンの演奏やら、ワグナーの歌の鑑賞(これはメルケル首相の夫君の趣味と思われます)など、豪華な社交色を出しているようですが、真似するべきではないと思います。現に、今回の「お城サミット」に、ミシェル・オバマ夫人は欠席しています。

 民主主義の現代では、他国からあまり贅沢な饗応を受けるということは、その指導者にとってマイナスになることもあるのです。真珠の売り込みなどというのは、各国首脳にとってはかえって迷惑かもしれません。

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