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自信のない人は「私たちは~」と言えばいい

ニューズウィーク日本版 / 2015年7月9日 16時50分

――本書では、シェリル・サンドバーグやヒラリー・クリントンなど、成功をしているように見える女性たちも、口々に自信のなさを著者に対して吐露している。

五百田 世界的に活躍する女性をロールモデルとして捉えられる人がどれくらいいるかという問題はあるにせよ、いわゆる"鉄人"のような女性たちが本の中で、「会議の前は準備しすぎるくらい準備をしないと不安になってしまう」と語る姿は、女性の共感を呼びそうですね。

田坂 はい、まさにこうした生の声に、私も実際に勇気づけられました。しかし、一方でそういった女性たちは遠い世界の話、と一般の女性たちは突き放してしまう可能性も考えられます。とくに日本女性にとってのロールモデルにはなりにくいかもしれません。

五百田 僕も、いわゆるスーパーウーマンばかりをもてはやす風潮に懐疑的です。仕事をバリバリやって、結婚も子育てもしっかりしなければ女性として認められないというのでは、女性自身を苦しめるのではないかと考えているからです。

 ですが、この本は、そうしたスーパーウーマンのリアルな素顔も描いているので、その人間味にほっとしたり、励みにしたりすることができそうです。

――自信の有無については遺伝的な要素もあると本書では述べているが、そうすると、あとから身につけられるものと考えられるだろうか。

田坂 遺伝子レベルで自信をもちやすい人ともちにくい人がいることは確かだそうです。ただ、解剖学的にも男女の脳の差異は11歳ごろには大きな隔たりができますが、18歳までに均等になるそうです。ですから、女性は理数系が苦手だとか、男性にはシェイクスピアを諦めるといった"刷りこみ"はもたないほうがいいと著者たちは言います。

 ある程度自信はコントロールできることも本書では強調されていますし、その方法も書かれています。たとえば、瞑想で脳を落ち着かせる、感謝の気持ちで幸福と楽観的な思考をつくる、物事は小さく分解して考える、よく寝て、よく動いて、わかちあう......。こういったことを提案してくれています。

五百田 繰り返しになりますが、主語を「私」から「私たち」に変えるだけで、女性は自信をもって話すことができます。

 女性は、自分自身の価値を高めること以上に、同僚や会社のために動くほうが驚くほど自信を得られる、という研究もあるほど。自分自身のためではなく、チームや組織、他人の利益のために行動していると自分に言い聞かせることは、自信を高める方法としては即効性があるかもしれませんね。


『なぜ女は男のように自信をもてないのか』
 キャティ―・ケイ&クレア・シップマン 著
 田坂苑子 訳


ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


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