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「霞ヶ関文学」で書かれたSF小説「骨太の方針」 - 池田信夫 エコノMIX異論正論

ニューズウィーク日本版 / 2015年7月9日 19時53分

 この文書はわかりにくい「霞ヶ関文学」で書かれているので、普通の人には解読できないが、要するに「成長戦略」で3%の高度成長を再現し、税収増で財政を再建しようというSF(空想科学)小説である。甘利経済再生担当相も記者会見で「成長によって税収を増やすのが本筋で、歳出を減らすと経済が萎縮する」と述べた。

 もちろん増税も歳出カットもなしで成長だけで財政が再建できれば結構なことだ。そういう幸運が小泉政権の時代にはあったので、「上げ潮派」といわれた人々(安倍首相もそれに近い)はそういう成功体験にこだわって財政再建を先送りしたが、財政赤字は増える一方だ。今は急速に超高齢化が始まっているので、早く手を打たないと財政が破綻し、金利が上昇する。

 ギリシャの債務不履行や中国株の暴落など不穏な動きが続く中で、日本のゼロ金利がいつまで続くかはわからない。すでに日銀では金利上昇のシミュレーションを行なっているが、その対応は政府との「総力戦」になる。黒田総裁はリスクを認識していると思われるが、安倍首相がどこまで認識しているのか、気になるところだ。

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