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トランプの「アジア外交」絡みの暴言は無視できない - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代

ニューズウィーク日本版 / 2015年8月27日 11時30分

 日中関係の改善に時間がかかっている問題にしても、以前のように「民主主義と自由経済」を守るための冷戦の大義があった時代はともかく、「アジア諸国がアジア諸国のカルチャーに従って勝手にナショナリズムの確執」を強めているのに、その安全保障にアメリカのカネが使われているのは「許せない」とかムダだという論理は、一定の説得力があるわけです。

 韓国に対する「クレイジーだ」という絶叫は、例えば「同じ民族の北朝鮮と和解できない」ことと「同じ自由陣営の日本との関係を悪化させて中国に接近している」という中で、アメリカとして「リスクと費用を分担することへの苛立ち」という理解と考えれば合理性はあります。日米安保への「苛立ち」も似ています。

 もちろん、トランプ自身はそこまで深く考えているとも思えませんし、そもそも大統領戦に勝つ可能性も少ないと思います。ですが、こうした「苛立ち」にまったく根拠がないわけではない、つまりアメリカの「保守」の深層心理の中に、アジアの問題には距離を置きたいという孤立主義が出てきた兆候だと考えると、これは無視できないと思います。

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