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VWだけじゃない、排ガス不正

ニューズウィーク日本版 / 2015年10月2日 11時0分

 ただし、グランドラーは排ガス検査の具体的な強化策については明言を避けた。「彼ら(自動車メーカー)にそれを知らせる必要はない。車両検査の時間と走行距離を少し伸ばすことだけ理解してくれればいい」

 自動車安全センターのベッカーは、監視の強化は好ましい変化だが、規制当局は検査データをメーカーに依存する現状からの脱却をさらに進める必要があると指摘する。「自動車業界が信頼できないことは過去の実績が物語っている。メーカーが『うちの車は基準に適合しています。すべて問題なしです』と言っても、EPAは信じてはいけない。当局は検査体制を改善し、メーカー側の数値に依存しないようにすべきだ」

 規制当局が内部で検査を実施するか、それとも当局の監督下で独立した研究機関に検査を任せるべきか、改革案の詳細はベッカーにも分からない。いずれにせよ、メーカーを検査に関与させないことが重要だという。その場合、検査コストの一部は形式的に納税者の負担になるが、最終的に大半の費用をメーカーに負担させる仕組みが必要だと、ベッカーは言う。

 こうした案には産業界寄りの米共和党が反対する可能性が高い。これまでもEPAは、米議会の共和党から目の敵にされてきた。10年に比べ、予算は20%(約20億ドル)削減された。今月も、共和党の下院議員20人がジーナ・マッカーシー長官の弾劾を提案している。

 環境団体の天然資源保護協議会(NRDC)のルーク・トナチェルは、こうした共和党の行動がEPAの足を引っ張っていると主張する。「EPAの予算や人員が削減され続ければ、ごまかしを行うメーカーの摘発はますます困難になる」


[2015.10. 6号掲載]
コール・スタングラー


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