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【写真特集】50日戦争から1年、ガザの焦燥

ニューズウィーク日本版 / 2015年10月19日 18時0分

 昨年の夏に多くの犠牲者を出した「ガザ50日戦争」から1年――。イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザにイスラエル軍が攻撃を開始したのは、昨年7月8日のこと。50日間に及んだ激しい空爆と地上戦により2200人ものパレスチナ人が命を落とし、1万人以上が負傷。ガザの町は壊滅的に破壊された。
 
 戦闘終結から1年以上が過ぎた今も、町のあちこちに戦争の傷痕は残っている。休暇には家族で海水浴に出掛けるなど、人々は日常を取り戻しているようにも見える。しかし、破壊された家屋やインフラの再建は遅々として進んでおらず、いまだ多くの人が瓦礫の中で暮らしている。

 復興が進まない要因の1つが、イスラエルによるガザ封鎖だ。ハマスが武器を密輸したり、地下トンネルを再建したりするのを恐れるイスラエル政府は、セメントなど建築資材のガザへの搬入を厳しく制限している。国連開発計画(UNDP)は、このままだと復興までに30年かかると警鐘を鳴らす。

 憎悪の連鎖が続くこの地は、再建前に再び戦火にのまれる可能性すらある。

ラマダン(断食月)の日没を迎え瓦礫の中で食事を取るガザ住民 ALI HASSAN−ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES


ガザ地区の南端ラファの検問所が3日間だけ開放されて運び込まれたセメント ALI HASSAN−ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES

ラマダン前の休暇にガザのビーチを訪れる人々 CHRISTOPHER FURLONG/GETTY IMAGES


50日戦争で母と兄弟を殺され児童養護施設で暮らす8歳の少年 CHRISTOPHER FURLONG/GETTY IMAGES


パレスチナ人部隊の軍事演習 ALI HASSAN−ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES

ガザの現状に世界の関心を向けようと英グラフィティアーティストのバンクシーが破壊された建物に描いた壁画は住民が建てたフェンスで保護されている CHRISTOPHER FURLONG/GETTY IMAGES


ブレイクダンスを見せるガザのダンスチーム、パレスチナ人部隊の軍事演習 CHRISTOPHER FURLONG/GETTY IMAGES


ガザへ向けて怪しい船が出入りしないか地中海上を監視するイスラエル軍のヘリコプター AMIR COHEN−REUTERS

<本誌2015年7月21日号掲載>

「Picture Power のバックナンバーはこちら」

Photographs by Ali Hassan-Anadolu, Christopher Furlong

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