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ミャンマー政府の主導で進むロヒンギャ絶滅作戦

ニューズウィーク日本版 / 2015年11月5日 16時30分

 迫害は、ラカイン州の仏教徒女性がレイプ後に殺害される事件が起こったことなどを背景に12年に激化。加害者はロヒンギャ族の複数の男性とされる。何百人ものロヒンギャ族が殺され、10万人以上が家を追われた。

「事情が複雑過ぎて、迫害が起きている理由や12年に状況が急変した理由を完全には理解できない」と、グリーンは言う。確かに虐殺が激化したのは12年だが、その前から本格化していた。

 ミャンマーのロヒンギャ族の正確な人口は統計がないので分からない。ミャンマー政府はロヒンギャという民族名も否定している。グリーンによれば、政府は彼らをバングラデシュから不法入国した「ベンガル人」と位置付け、ロヒンギャ族の存在自体を認めていない。

 総選挙が終わっても、ロヒンギャ族に明るい未来はない。今年もまた、何千もの人々が貧困と迫害から逃れようと危険な航海に乗り出すことだろう。

[2015.11.10号掲載]
ルーシー・ウェストコット


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