テロ後のフランスで最も危険な極右党首ルペン
ニューズウィーク日本版 / 2015年11月18日 18時4分
フランス空軍は既に、ISISが首都と称するシリア北部ラッカへの大規模空爆を開始している。
オランドがテロとの戦いに舵を切る一方で、国民戦線も着々と準備を進めている。世論調査での支持率上昇を追い風に、ルペンは2017年の総選挙で躍進し、大統領選をうかがう構えだ。
国民戦線の党員バルラン・ドサンジュスト(60)は、パリの議会選に立候補する予定だ。ドサンジュストは、本誌の取材に対し選挙では国民戦線が勝利すると語った。「得票を増やすことは間違いない。国民戦線はテロ問題の解決策を持っている」
国民戦線の掲げる「解決策」とは、一言で言えば難民を拒否すること。「これ以上、難民を入れるべきではない」とドサンジュストは言う。「そのうちの何人かがテロリストになる」
一方、フランス政府がテロにどう対応するかはまだ明確ではない。テロ実行犯のうち少なくとも1人がまだ捕まっておらず、銃撃戦やテロ予告なども起こっており、国内問題で手一杯。ヨーロッパの難民危機のような複雑な問題に対処できる状態にない。
テロ発生から数日間で露呈したように、現政権はそれでも今後、ますます勢いづく国民戦線からの攻撃から身をかわし続けなければならないだろう。
ミレン・ギッダ
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